【まとめ】旅をしてみてよかったこと

日本一周まとめ

今回から3回にわたり、電車で日本一周の旅をした感想を書いていきます。52日間の電車での旅をしてみて、良かったことやそうでなかったことが沢山ありましたが、今回は良かったことを書いてみます。次回は良くなかったことを、その後はそれ以外の感想を書いてみます。

興味が広がった
まず、旅して良かったと思えることは、興味が広がったことです。神社やお寺、日本庭園や陶磁器など、それまで興味がなかったものに興味を持つようになりました。いろいろな素晴らしい神社やお寺に行くことができましたが、何が良かったのかと言うと、その境内にある綺麗な空気や神聖な空気を沢山吸うことができたことです。心も体も浄化されるような、リフレッシュするような、そんな感覚を沢山体験することができました。

旅を終えてからしばらくした後に、「あぁ、またあの空気を吸いたいな」と思い、神社やお寺に参拝することが増えました。寺社に限らず自然に囲まれた場所なら、そういう空気を取り込むことができるのですが、アクセスの良さを考えると寺社が手軽です。

そして、神社やお寺に行くことが増えると、その神社やお寺の由緒を調べてみたり、そこに関連するものを調べるようにもなります。少しずつ日本の歴史や祀られている神様のこと、寺社の建物の造りとか、そんなことに興味を持つようになり、休日が以前よりも楽しくなりました。

2015年山形県の羽黒山にて

日本庭園もそうです。旅先では日本庭園をよく歩いたので、たまに懐かしくなって出かけてみたりします。すると、ただぼんやりと庭を歩くだけで気持ちがスッキリしたり、体の調子がよくなったりします。植物や緑が目に入ってくるのはいいですし、静かな所は落ち着きます。通りに近い車の音がする所でも、水の流れがあるとその音が心地よくて、リフレッシュできます。

散歩や森林浴の効能は書くまでもないでしょうが、年を取ったからか、その有難みを感じるようにもなってきました。そんな心地よい散歩をしていると、園内に植えてある木や花が気になるようにもなってきます。これまで全く興味がなかったのに、不思議なものです。まだ木や花の名前を調べるまで余裕がありませんが、ゆくゆくは覚えたいと思います。そうしたらさらに散歩や散策が楽しくなりそうです。木や花だけでなく、庭園の造りや茶室、お茶や和菓子なども、さらに興味が広がりそうです。

2015年岡山県の後楽園にて

旅がきっかけで「物」にも興味を持つようになりました。器です。旅では博物館やお土産屋に散々行きましたが、どこの博物館に行っても大抵は土器の展示があります。また、お土産屋に行くと陶器や磁器などの食器が結構置いてあります。その土地の焼き物を示す「~焼」と書かれて売られているのを、よく目にしました。

そういう物を何度も何度も見ていたからでしょう。ある時、お土産屋の店員さんと陶器の話をした時に、急に面白いと興味を持つようになりました。そして、陶器や磁器に興味を持つようになってからは、そこからガラスや銅、錫、ステンレス、チタンと、いろいろな素材にも関心を持つようになりました。

2015年長野県諏訪市博物館にて

なぜでしょうか。分かりません。自分でもオヤジ臭い気がしますが、面白いと思うようになりました。自分にとって身近なものになったからなのでしょう。素材がどうとか歴史がどうとか、そういった芸術品として価値とかは全く分からないのですが、食事を楽しむ物として、日本の器に興味を持つようになったのもその理由だと思います。

旅をしている時は一人で食べてもご飯が美味しくないことが多く、食事は食べる雰囲気が大事なんだと感じました。盛り付けを楽しんだり、旅の思い出を楽しんだりと、食事をより美味しく食べる道具として器に興味を持つようになったのでしょう。

2015年長崎歴史文化博物館にて

東京が好きになった
旅がきっかけで、神社やお寺、日本庭園や陶器などに興味を持つようになりましたが、東京という場所にも関心を持つようになりました。以前よりも、東京が好きになりました。2ヶ月近く田舎に行って東京から離れたことによって、東京の良さが分かったともいえます。

視覚的なものでは、ビル群や夜景などの景色が見ていて飽きないものになりました。旅をするまでは人工的なものにはそれほど興味がなかったのですが、神社や陶器のように人間が長い間時間をかけて造ってきたものもいいなと思えるようになると、ビルも見ていて面白いものになりました。

人間の歴史を考えると現代のビルや夜景は技術革新の賜物です。地震に強かった当時最先端だった寺院の技術が今のビルに応用されていることはよく知られていると思いますが、寺社の建築技術が現在に生きています。陶器や磁器は壁やタイルに発達していき、生活に身近な物に使われています。昔のものに興味を持つと、自然と今との繋がりがみえてきて、現在の生活空間も面白いものになります。

そんな話は抜きにしても、単純にビルや夜景は何だか見ていていいなぁと思ってしまうようになりました。自然と対照的なのがいいのでしょう。旅を終えて少ししてから、工場夜景を観に行きましたが、そんな風に更に散策先が増えることになりました。

2015年川崎の工場夜景

そして、旅を終えて東京が好きになった一番の理由は、東京にいながらにして地方のものを楽しめるという点です。東京には地方からいろいろなものが集まります。技術や最新のファッションだけでなく、食や工芸品などの地方の文化も各地から集まります。

調べてみると、東京には地方のアンテナショップが沢山ありますし、百貨店(デパート)では物産展もよく開催しています。飲食店では、静岡おでんのお店や大洗の鮟鱇のお店など、ご当地の食を楽しめるお店も沢山あります。

スーパーやデパートに行けば、その土地の特産品を使ったドレッシングなどの調味料や加工した海産物なんかも種類豊富に置いてあります。お酒も日本酒から焼酎、梅酒やワイン、そして最近ではジンやビールといったクラフトのものも扱うようになってきています。現地に行かずとも、その土地のものを楽しむことができます。

また、博物館や資料館も沢山あります。地方よりも多いですし、規模も大きく展示内容が充実しています。電車に乗って数十分でいろんな場所に行けますし、そんなに歩かなくてもいろいろな場所に行くことができます。

東京のスカイツリーから

そんなこんなで、東京を散策することが増えたのですが、それは日本一周の旅をしたからです。旅をしたことがきっかけで、自分の興味が広がり手軽に行ける場所に出かけるようになりました。

旅をしている時は大変なことが多く、あまり現地で観光を楽しめませんでした。ですが、旅から帰ってきてしばらく経つと、旅先でどんなものを見たのだろうかと思い撮った写真や書いた日記を見返します。すると「また行って見たいなぁ」とか「今度食べてみたいなぁ」と思うものが沢山出てきます。

神社や庭園に行ったり、ご当地のものを食べたり、地方の名産品を買ってみたりと、休日を楽しめるようになりました。それが旅をして良かったと思うことです。

食事に対する考え方が変わった
旅をして良かったことを、もう一つ。それは、食事に対する考え方が変わったことです。「食事は雰囲気が一番大事」「食事は楽しむもの」と思うようになりました。

一人で旅をしていると、混んでいる店内で堅苦しい思いをしたり、肩身の狭い思いをすることがあるものです。有名な観光名所の観光客相手に経営しているお店に一人で入ると、肩身の狭さを感じるものです。リュックを背負って狭いお店に入ってしまう場合もそうです。地元の個人で営業しているお店に入ったら、どうせ二度と来ないだろうと思われたのか、適当なものを出されたこともあります。

誰が悪い訳でもなく、そういう店に入った自分が悪いのですが、そういった状況でご飯を何回も食べていると、「本当に食事って雰囲気(食べる状況)が大事なんだな」と思えてきます。どんなに美味しい料理が目の前にあっても、苛々してたり落ち込んでたりすれば、美味しい訳がありません。デートの時に美味しい料理を食べているのに、恋人と喧嘩になったら、せっかくの美味しい料理もいい雰囲気のお店も台無しです。

そんな当たり前のことに気づき、旅をしている時は「ご飯を食べる時は雰囲気を大事にしよう」と何度も思いました。それがあったので、今では人と食事をする時は楽しく食べるようになりました。人と飲むのが大好きですが、飲んで愚痴を言ったり昔の話ばかりする人とは飲まなくなりました。一人でゆっくり食事をする時間がとれる時は、ひと手間かけて器に盛りつけるようにもなりました。食事に対する考えが変わったのも、旅をしたからです。

2015年長野県戸隠の蕎麦屋 極楽坊にて

以上、旅をして良かったことでした。

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