電車日本一周をやる価値はあるのか

電車日本一周補完の旅
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はじめに

電車日本一周をする価値があるのか

そう聞かれたら、日本一周のデメリットを十分に理解した上で、それでもやりたいと思ったら、もしくはメリットの方が大きいと思ったらやった方がいい、と答えます。

実際に52日間の電車日本一周を達成してから以前までは否定的でしたが、2022年に再度29日間の長旅をしてからは、どちらかというと肯定的になりました。

日本一周は辛いものです。このサイトでも何度も「大変」だと書きましたが、体験した他の人の感想も似ているのではないでしょうか。

冷静に考えれば、自分が思っている以上に実際は大変だと想定した上で、それよりも自分の中でやる意義やメリットがあればやるべきで、そうでなければ止めるべきです。

しかし、実際はやりたいという気持ちだけが先走ってしまい、辛いという体験談をさほど気に留めず実行し、旅先で幻滅することが多いのではないかと思います。

それだけ「日本一周」という響きには魅力があります。

今回はそうした先走る気持ちを押さえながら、日本一周をすべきか否か熟考している方の参考になればと思い、自分なりの考えを書いてみたいと思います。日本一周の大変さがいまいち分からないという方は【まとめ】旅をして大変だったことに目を通してからこの記事を読んでいただければと思います。

今回の記事のキーワードは「手段か目的か」です。

日本一周が目的ならやらない方がいい

日本一周を楽しみたい、日本一周で充実した時間を過ごしたい、非日常を感じたい、といったことが旅の目的であるなら、日本一周はお勧めできません。楽しくなくなるからです。

日本一周の大変さや効率の悪さを散々書きましたが、旅をしていると楽しさが減り辛さが増し、最終的に旅自体がつまらなくなります。非日常の旅も毎日旅をしていれば日常になります。

嫌な仕事から解放され見知らぬ時に行き、車窓から長閑な田園風景や海を眺め、自然豊かな場所を歩き、歴史ある史跡を眺め、ご当地の美味しい食を味わう。

そうした旅の醍醐味は日本一周の一面に過ぎません。1日の大半は移動に費やすので、旅が楽しいのは一時に過ぎません。実際は、たまにいい景色や史跡に感動するけど、基本的は地味で退屈で辛いと感じることの方が多いです。

旅を続けていれば開放感もなくなり、見知らぬ土地(アウェイ)に行けば無意識にストレスを感じ、長時間電車に乗っていれば腰や尻が痛くなり、退屈さで気持ちが廃れます。

自然の豊かな場所はアクセスが悪く、無駄に歩き辟易し、史跡を観てもどこが見どころなのか、何が凄いのか分からず、食堂に入れば不愛想な接客と観光地の高い料金にうんざりします。

そして見るもの全ては天候に大きく左右されます。快晴なら、海や山も神社も寺院も車窓も目的地までの歩くのも、全てが素晴らしく感じますが、曇りや雨なら一転してどんよりとしたものになります。

と、あえて悪意を持って否定的に書きましたが、これは決して大袈裟でなことではないと、体験した方は思うのではないでしょうか。自分自身の体験と日本一周をした人の感想からも、旅はそうなる可能性が高いです。

ですので、旅自体を目的とするのはお勧めはできません。普通の心理として、嫌なことやつまらないこと、辛いことが続けば、旅を止めようと考えるようになります。生産性のないこと、非効率的なことを続けるよりも、直ぐに止めてとっとと家に帰って、新しいことをした方が賢明だと思うのが、普通です。

そうなると、せっかく荷物を揃えて下調べをした準備中の時間もお金も、旅中の時間もお金も無駄になってしまいます。

日本一周をするのであれば、旅自体を手段にすべきです。

日本一周が手段ならやった方がいい

日本一周をすることで得るものが大きいと思えば、やるべきです。達成感や充実感を得たいというのも日本一周で得られる大きなものですが、できれば更に先を見越すといいでしょう。

一つはブランドです。日本一周は少なからずブランドになります。日本一周をしたと言えば、一見、日本のことを知っている、たくさん旅をしている、行動力がある、という印象を他人に与えます。

自分の立派なプロフィールにもなるので、日本一周というブランドを使って何かをしたい人は、大変でもやる価値はあります。

そして、これが一番ですが、自分の中で何か一つ好きなことや将来仕事にしたいものがあり、それを見に行く、学びにいくというのが理想なのではないでしょうか。

城、神社、寺院、遺跡、遺産、ご当地の食、地酒、など、自分はこれが好きだ、もっと知りたいと思うものがあれば、日本一周する価値は十分にあります。それなら天候に左右されませんし、移動中は予習や復習、メモや日記を書くなど、退屈することもありません。

20年以上前だったら、旅をしてお金を稼ぐなんて一握りの文筆家か芸能人のような有名な人に限られていましたが、今ではYouTubeやブログ、SNSのおかげで、金持ちになれずとも生活できるだけの収入を得ることは大分ハードルが下がりました。

旅を仕事にしたい人も日本一周はやるべき価値のあることでしょう。

とは言えそこまで好きなものがない、見つからないという人も多いと思いますし、僕自身もそうでした。ぼんやりと日本を知りたいとは思うものの、具体的に何に興味関心があるのかは当時は見つけられませんでした。

それを見つけるために旅に出ましたが、本当に興味を持てたのは旅が終わってから大分後で、旅の後半はただただ退屈、辛いという気持ちでした。

僕の場合は少し変わっていると思いますが(非効率なので)、日本のことを知りたいけど具体的に何が知りたいのか分からなかったので、とりあえず興味の持てそうなものを観ておこうと思い旅をしました。

一度行ったことのある場所や観たことのある自然や建物は、後になって調べる時に覚えやすいものです。ですので、現状は日本の名所の素晴らしさは分からないけど(歴史や地理、建築の知識がないので)、とりあえず観ておけば後になってからその凄さをより理解できるだろうと思い、旅をしました。

先行投資といえば聞こえはいいですが、実際はかなり非効率的です。ですが、それでもやらないよりはよかったですし、現に今では電車日本一周がきっかけで旅が生涯のライフワークになりました。当時博物館や寺院で撮った案内板の写真は、今でも役に立っています。

日本一周をしたという達成感を得るのも、ブランドにするのも、学ぶのも、将来のためです。将来のためになるので、それなら日本一周をする価値や意味があると思います。

話が少し反れますが、YouTubeやブログなどのコンテンツを作成するために日本一周をするのは、あまりお勧めできません。TikTokやYouTubeショート、TwitterやInstagramで短い動画をその都度投稿するのはいいですが、ある程度の長い動画を投稿し続けるのはかなり大変です。

日本一周ダイジェストなどのパッケージとしてコンテンツを作るならいいですが、旅をした日ごとに動画を作ったり、観光地ごとに動画を作るのは現実的にはかなり難しいです。移動中やホテルにいる間で、旅をしたその日の動画をその日の内に完成させるのは、僕にとってはそれは至難の業に思えます。

1日のうちに動画を作り切れないとなると、旅をすればするほど作らないといけない動画が貯まっていきます。旅をする度に新しい記憶が古い記憶を書き換えていき、旅が終わってから作ろうとしても、思い出すのに相当苦労します。

実際、僕自身、2015年の電車日本一周の旅のブログを作るのに相当苦労しましたし、2022年は旅の動画は現在もまだ半分もできていません。

動画やブログなどのコンテンツを発信するのがメインであるなら、一見非効率に思えても、その都度旅をするのがいいかと思います。例えば北海道一周や四国一周、九州一周、京都と奈良、東京と神奈川、など範囲を絞った方が、いいコンテンツが作れるかと思います。

ただ、繰り返しになりますが、日本一周をブランドにするのであれば、コンテンツを作りながらでもやる価値や意味は十分にあります。

終わりに

自分なりの考えを一通り書いてみました。2015年に52日間の日本一周をした時はとにかく大変で辛く、とても人に勧められるものではないと思いました。

ですが2018年頃に【まとめ】2015電車日本一周 費用やルート、旅の感想などの記事を投稿してから、常のサイト内のアクセス数が上位になり、それだけ読者の関心があることを知り、その気持ちに応えたいと思うようになりました。

そのため、「旅が目的なら考え直し、旅が手段なら実行するのがいい」と結論づけました。

ですが、無責任に発言していいのであれば、本心は「やりたいならやればいい。挑戦してみればいい。体験してみればいい」というのが、本音です。

このサイトでは電車日本一周が「大変」だと散々書いていますが、それは僕にとっては「大変」なことが「辛い」「つまらない」ことであっただけです。読者の方にとっては「大変」なことが「楽しい」「やりがいがある」ものかもしれません。

特に若い方は。なぜなら僕のように人生失敗の連続ではないから。

失敗の少ない肯定的に物事を捉えられる若者が、また多少の困難など勢いやノリでどうにでもしてしまえる若者が、熱い気持ちを押し殺してしまうことは勿体ないことです。

自分を変えるためにやりたい、何か一つのことをやり切りたい、意味なんてないけどとにかくやり遂げたい。

そうした気持ちがあるのなら、一歩踏み出して挑戦してみてはどうでしょうか。

きっと後の人生の宝物になりますし、行動したことで後に自信になると思います。

本来であれば、そのような気持ちがあるだけで日本一周をすべきだ、と言いたいです。僕が旅をしたのは35歳の時でしたし、日本一周をどうしてもしたかった訳でもありません。仕事を辞めて世の中のいろいろなことを知りたい一環として、旅をしました。同年代と比べて気持ちは若かったですが、それでも10代後半や20代の若い人よりは冷めていましたし、彼らよりもエネルギッシュではありませんでした。

10代後半のフリーターやニートの方、就職したけど仕事がつまらないと思っている20代前半の方なら、同じことをしても僕よりも楽しいと思うでしょうし、いろいろな感動があるでしょうし、人との交流も楽しいことでしょう。

僕自身、大分遠回りをしましたが、電車日本一周をしたおかげで現在ようやく本当に自分のやりたいことが見つかり、旅をライフワークにすることができました。旅は無駄ではありませんでした。

日本一周をしたい人は心から応援しています。だからこそ、やるからには目的地のことをできる限り調べて行った方がいいと思いますし、また自転車やバイクよりも電車の方が移動時間を有効に使えるのでお勧めだと思います。

若い人だけでなく、老後に日本一周を考えている方や早期退職して旅をしようと考えている方にも、参考になれば嬉しく思います。

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