周辺に見所の多い文京区の椿山荘と肥後細川庭園

東京都

2018年10月、東京都文京区にあるホテル椿山荘と肥後細川庭園に行ってみました。都心にありながらも静かな場所で、緑豊かな庭園を散歩してお茶を一杯いただいて、寛いできました。今回はホテル椿山荘東京の庭園と肥後細川庭園を紹介したいと思います。

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椿山荘東京へ

東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅で降りて椿山荘東京に向かいます。出口は1aから地上に出ます。少し歩くと周辺の案内があります。神田川沿いに歩くと桜並木のある江戸川公園があり、道路沿いを歩くとホテル椿山荘東京の正面入口に着きます。

道路側の道を歩き、目白坂を上ります。

この辺は小石川・目白台地のある場所で高台なので、坂道が多い場所です。

目白坂を上ると、駅から10分もかからないうちにホテル椿山荘の入口に着きます。

ホテルのロビーに入りスタッフの方に庭園の場所を聞くと、快く教えてくれました。

ご丁寧にも庭園の散策マップをくれました。

裏面には見所の紹介が書かれていて、助かります。

エスカレーターで下に降りると庭園へ繋がる出口があります。

それにしてもなんとも豪華な内装です。

ホテルを出て庭園を歩きます。

椿山荘東京の日本庭園

ホテル椿山荘東京 庭園
古来より椿が自生する景勝の地として知られ、1300年代の南北朝期の頃から「つばきやま」と呼ばれていた場所。明治維新を迎えると山縣有朋が私財を投じてこの地を買い、起伏豊かな地形を巧みに生かし、今日に見る自然主義の名園を造り上げる。「つばきやま」の名にちなんで「椿山荘」と命名し、明治天皇・大正天皇をはじめ政財官界の第一人者たちがしばしば訪れ、国政を動かす重要な会議が開かれるなど、歴史の表舞台に登場した歴史のある場所。
(ホテル椿山荘東京の散策マップより)

綺麗に手入れされた道を歩きます。

10月でも木が青々としています。

料亭

石燈籠

「弁慶橋」(通称「赤橋」)

初夏になると蛍が放たれ、蛍を鑑賞できるプランが人気のようです。

羅漢(らかん)石

20体あるようです。

羅漢(らかん)とは阿羅漢(あらかん)の略で、釈迦の弟子のうち最高位の者を指し、「もうこれ以上学ぶことのない人」「悟りを開いた高僧」のことを指します。

羅漢石のある所の一つ道を挟んで隣には庚申塔がありますが、この時はどんなものか知らず写真を撮りませんでした。

バンケット棟(写真左)の前を一旦通り過ぎ、左の入口から棟の中に入ってみます。

五丈滝

岩の段差と岩に生した苔が見所です。

青空を眺めながら歩くと、いいリフレッシュになります。

バンケット棟に入ります。

お目当てはこちら

椿山荘の名物、滝のトンネルです。

滝の裏からの眺めも素晴らしいですが、滝の流れるこの廊下もこれまたいい雰囲気です。

滝のトンネルを楽しんだ後は、小高い丘に登って園内を歩いてみます。

椿山荘の庭園には所々七福神が散りばめられています。

初夏もいいでしょうが、残暑の頃の散歩にもうってつけの庭園です。

少しだけ、水たまりの辺りには蚊がいます。

丸形大水鉢・車石

京都府東山区粟田口から山科に通じる日ノ岡峠にあったものです。旅人のために造ったものと伝えられ、峠を越える人々がしばし水鉢に溢れる清水で喉を潤したようです。この水鉢は荷車として使われていた牛車が通る道「車石」とともに保存されていたものです(椿山荘のパンフレットより)。

江戸時代の後期に、現在の滋賀県大津駅から京都山科まで車石が敷かれ、牛車が往来していました。牛は暴れることが多いので、街道より一段低い所に牛車専用道路を設けて、土に石を埋めた専用道路がありました。

別館で紹介しているので、興味のある方はこちらをどうぞ。

水鉢の隣にある三重塔

国指定有形文化財 三重塔「圓通閣(えんつうかく)」

大正14年(1925年)に広島県にあるお寺から移築されたもので、室町期の創建と推定されているものの、平清盛が修復したともいわれていて創建は謎のようです。平安期の歌人であり参議であった小野篁(おののたかむら)に所縁のあるお寺に建てられていたもので、「圓通(えんつう)」とは圓通大士(観世音菩薩)を表しているようです。この三重塔は観音堂だということです。

幕末から大正まで活躍した山縣有朋が造ったこの庭園は、多くの文化人によって日本で最も天然趣味に優れた名園と評価されました。山縣の出身である萩の地形を再現したもので、故郷に思いを馳せたのではないかともいわれているそうです。

白玉稲荷神社

大正13年(1924年)に京都下鴨神社にあった社殿を譲り受けて移築(平成元年に新社殿へ改修)したものです。椿山荘の守護神とされています。

そば処「無茶庵」

これまた独特の扉です。大木の幹を使っているのでしょうか。こういう作風もあるのですね。

坂を上がったり下りたり

日向を歩いたり日陰に入ったりと

緩急があるというのでしょうか、歩いていて飽きません。

ベンチに腰掛けてぼんやりするのもいいです。

垣根や柵も和風でいい雰囲気です。

空気の澄んだ早朝に歩いたら、さぞかし気持ちのいいことでしょう。

水車

ぐるっと一周しました。素晴らしい庭園でした。宿泊して夕暮れや早朝に散歩するのもいいのかと思います(いい値段しますが)。

2020年の10月には人口で雲海を再現したイベントを行ったようで、宿泊するといろいろと楽しめそうです。

神田川沿いの出入口から出ます。

椿山荘東京から肥後細川庭園へ

左に神田川があるのですが、雰囲気のよい道が続きます。

真っ直ぐ進むと都電荒川線の早稲田駅に着きます。江戸川橋駅は反対側、真後ろの方向です。写真を撮るのを忘れてしまったのですが、江戸川橋寄りのこの通りには桜並木があり、春には桜の名所となる場所です。

通りの右の一角に胸突坂という急な坂があります。

右手には芭蕉庵が。中に入るつもりでしたが、あいにく休日でした。

松尾芭蕉が1677年から3年間住んでいた場所で、中は広くはありませんが湧水池を中心にした池泉回遊式庭園が見られるようです。松尾芭蕉は神田上水の改修工事に携わったと伝えられています。

壁に沿って歩いて行くと、肥後細川庭園に着きます。

肥後細川庭園

肥後細川庭園
江戸時代末期、熊本藩主細川家の下屋敷。江戸時代の純日本式武家庭園の面影をとどめている、起伏の変化を利用し自然景観を重視した回遊式泉水庭園。細川家の学問所であった松声閣(しょうせいかく)という大正時代の建造物がある。

椿山荘と同様、こちらも無料です。

庭園の造りはよく分かりませんが、歩いているとリフレッシュできる空間です。

なんともいい景色です。池に映る松や柵もいいです。

雪見燈龍

中島(真ん中から少し左に浮かぶ黄緑色のもの)

礼拝石。庭園の全体を見渡せるビュースポットです。

池を囲む柵や岸に沿って埋め込まれている船着石もいい景観です。

右にある建物が松声閣(しょうせいかく)。後で中に入ります。

丘の方を歩いてみます。

緑の多さを実感します。

ベンチで休めますが、この時期はちょっと蚊が多いです。

更に上ると

見晴らしがよくなります。

隣に木のテーブルと椅子がある場所があり、そこでお弁当を食べている人がいました。こんな天気で庭園を見ながら食事をするのもいいです。

肥後細川庭園の隣には永青文庫という建物があり、そこでは細川家に伝来する歴史資料や美術品等の文化財を管理保存・研究し、一般に公開しています。この時はさほど興味を持てず行きませんでした。

丘から降りて松声閣(しょうせいかく)に入ります。

細川家の学問所として使用されていたといわれている建物です。大正時代に改修を行い、一時期細川家の住まいとして使用されていました。現在の建物は平成28年にリニューアルしたものです。

茶室のある部屋に入ります。建物の中は1階に和室と洋室の集会場があるだけで、2階に上がるとちょっとした展望所があるのですが写真を撮りませんでした。なぜだか覚えていないのですが写真がないので、次回また訪れる機会があれば紹介したいと思います。

茶室の中はこんな感じ

庭園を眺めながら一服できます。

呈茶サービス500円。永青文庫の100円割引券もくれました。

お菓子は『加勢以多(かせいた)』というもの。スタッフの方が説明してくれたのですが、「九曜の紋」という細川家の家紋の焼印が押されています。江戸時代に細川家から幕府に献上した歴史があり、その製造法は門外不出とされていたお菓子なのだそうです。熊本の水前寺公園にある茶室の古今伝授の間など、熊本県内の限られた場所でしか提供・販売していなかったお菓子とのことでした。

味は口に入れるとカリンのジャムのほんのりとした甘さが広がる、ゼリーに似たお菓子です。『加勢以多(かせいた)』という変わった名前はポルトガル語が由来のようで、「マルメロ(西洋カリン)のジャムの箱」をポルトガル語で発音したものから来ているようです。松声閣の売店で販売していて、贈答用に人気なのだそうです。

せっかくなので、熊本県の水前寺公園の写真を少し載せておきます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: img_5427_optimized.jpg

熊本城からそれほど遠くないので、熊本に行った時にはおすすめの場所です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: img_5429_optimized.jpg

古今伝授の間。古今伝授が行なわれた空間として現存する日本で唯一の建物(明治期に京都御所から移設されたもの)。

水前寺公園についてはこちらに書いているので、興味のある人は見てみてください。

さて、縁側から広がるいい景色を楽しみながら、歴史のあるお菓子と抹茶をいただきながら寛ぐことができます。

それにしてもいい眺めです。

縁側の近くからの眺め

今回の散策は天候に恵まれ素晴らしい景色を楽しめました。

以上、椿山荘と肥後細川庭園の紹介でした。両方とも入場料がかからないので、天気の良い日には是非とものんびりと散歩したい場所です。

肥後細川庭園の先には早稲田駅があり、そこから都電荒川線で王子駅まで行くことができます。都内唯一の路面電車に乗って巣鴨で食べ歩きをしたり、王子駅近くの飛鳥山公園にある3つの博物館に行くのもいいのかもしれません。

また、江戸川橋方面には江戸川公園があり、そこでものんびりと過ごすことができます。椿山荘の近くには東京カテドラル大聖堂があり、中を見学してみるのもいいのかもしれません。

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