今回は奈良の平城宮跡の見どころをご紹介します。平城宮跡は正式には平城宮跡歴史公園といい、世界遺産の古都奈良の文化財に登録されている史跡です。ですが広大な敷地に復元された建物がぽつんと建つ平城宮跡は、世界遺産の中でもそれほど人気のない史跡です。
そんな平城宮跡も奈良時代のことを知ると歩くのが楽しい場所です。今回は旅で知った平城宮跡の魅力を、奈良時代についてもふれながら紹介したいと思います。
平城京跡のすごいところ
まずは簡単に平城宮跡のすごさをご紹介します。平城宮跡は現在までに50年以上も発掘調査が行われていますが、調査を終えたのはまだ全域の約3分の1といわれています。これほどの広い面積が発掘された都は、日本はもとよりアジア全体を見渡しても他に例がなく、その規模と発掘の成果と地下遺構がよく残っていることが平城京の価値です。
奈良時代の史料は99%が正倉院にあると昔は言われたくらい、奈良時代の史料は少なかったのですが、その後、平城京の敷地から木簡をはじめとした沢山の遺物が発見されたおかげで、奈良時代のいろいろなことが分かるようになりました。それだけでも歴史的価値が十分高いのですが、まだ3分の2は発掘されていないので、これから新たなことが分かるのかもしれません。
平城宮跡へ
さて、前回の唐招提寺から30分近く歩いて、平城宮跡に向かいます。

平城京は7代の天皇による統治が行われた奈良時代に、74年間、都が置かれた場所ですが、今歩いているこの場所や先ほど訪れた薬師寺や唐招提寺も平城京の敷地の中でした。
お寺や役人の住居がこの辺りにあったと思われます。
遣唐使船
入口には復元された遣唐使船があり、無料で見学することができます。

遣唐使船は実際どのような船だったのか、はっきりとは分かっていませんが、このような船だったのではないかといわれています。

網代という竹を編んだもので風を受け、風任せの航海をし、行って戻ってこれる確率はよくて4分の1といわれていましたが、実際は帰って来れる確率はもっと高く、18隻のうち14隻は無事帰って来たたことが書かれています。

平城宮跡は正式には平城宮跡歴史公園といいます。ついでに、平城京は街全体を指し、平城宮はその中にある皇居と役所のことを指します。

朱雀門
朱雀門から中に入ります。

敷地内に電車が通っているのも、ここの珍しいところです。

平城京は現在までに50年以上も発掘が行われてきましたが、まだ全域の3分の1しか調査が終わっていないようです。これほど広い面積が発掘された都は日本はもとよりアジアでもなく、その発掘の成果と地下の遺構が良く残っているところが、平城宮の価値といわれています。

個人的には復元に使われた檜も見どころの一つと思います。

国内にある、柱として使える国産の檜は、先程の朱雀門やこれから向かう第一次太極殿(だいごくでん)の再建でほぼ使い終わってしまったといわれています。貴重な檜が使われている建物なのです。
先程の遣唐使の話も含め、この辺りのことも音声解説動画やブログで詳しく紹介しているので、そちらもご覧ください。
平城宮跡は無料なのが嬉しいところです。資料館も無料です。

資料館では、発掘された遺物(いぶつ)やジオラマや映像を通して、奈良時代の宮殿や役所、皇族の暮らしや役人の仕事ぶりを知ることができます。



第一次太極殿
そしてこちらが第一次太極殿(だいいちじだいごくでん)です。

天皇の即位式や外国使節との面会といった国の重要な儀式が行われた場所です。

他の資料館や庭園も観たかったのですが、時間が無くなってしまったので宿に向かいます。

公園の敷地は広いのでレンタサイクルで移動するのがおすすめです。
JR奈良駅に向かいますが、朱雀門から40分かかります。

柱が宮殿に使われていた組物になっています。

駅から更に20分ほど歩き、奈良町にあるゲストハウスに向かいます。
宿に荷物を置いてからまたJR奈良駅に戻り、駅の近くにある立ち飲み屋で夕食を済ませます。
泊まったゲストハウスのスタッフにおすすめの食事処を聞こうと思っていたのですが、なんとゲストハウスにスタッフがおらず、無人でした。
立ち飲み居酒屋まついし

時間が押して朝昼食べなかったので、この日初めての食事です。

店内は賑やかですが、マイペースで飲み食いでき、店員さんも感じがよく、居心地のいいお店でした。値段もかなり安いです。

今回はざっと奈良の古寺を紹介しましたが、実際に訪れてみると見どころが多く、どこも時間が足りませんでした。音声解説動画では撮った動画の尺が続く限り見どころを説明していますし、ブログでは更に詳しく書いています。奈良や歴史に興味のある方は是非ご覧ください。
さて、たばこの煙にいぶされながら、3本もビールの大瓶を飲み干し、宿に帰ります。
次回は東大寺と興福寺、春日大社を紹介します。
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