高幡不動のござれ市

東京都

2020年9月に日野市にある高幡不動に行きました。高幡不動では毎月第3日曜日にござれ市という骨董市が開催されていますが、3月下旬に緊急事態宣言が出されてからしばらく中止していました。今回は3ヶ月振りに開催されるとのことで、散歩がてら観に行ってきました。

京王線の高幡不動駅に降ります。コロナウイルスによる緊急事態宣言以降、半年振りの散策です。

駅の改札を出て右に曲がると、高幡不動の参道の入口があります。

お寺までは近く、歩いて5分もかかりません。

世間は4連休ですが、あいにくの天気です。

高幡不動は交通安全の神様で有名ですが、土方歳三の菩提寺としても知られています。

仁王門

仁王像

境内図

手水舎

コロナ対策で柄杓が撤去されています。口をすすぐのも「ご遠慮ください」と書かれています。

不動堂に行く前に、線香をお供えします。

お金を入れて線香を一束取り、

真ん中に固い所に押し当てると火が付きます。最初分からなくて蝋燭を探していたら、他の参拝者が親切に教えてくれました。

不動堂

中に入って朝の勤行に参加することができます。毎日8時から護摩の焚き上げが行われていて、一般の人も参加できます。10分前に放送がかかり参加希望者はお堂に集まるよう案内があります。堂内は感染症対策で座る位置が決められていて、隣の参列者との距離が空いた状態で行れます。

時間になるとお坊さんが数人お堂に入ってきて、焚き上げが始まります。3名でした。去年の4月に一度参加したことがあるのですが、その時は平日でしたがお坊さんは6名くらいでした。感染症対策で人数を減らしているようです。

太鼓が鳴り、沢山の輪の付いた法具(名前が分からないのですが)がしゃんしゃんと鳴り、お経が唱えられます。数分後に護摩に焚き上げられ、炎が1mくらい上がりますが、まだ護摩木がさほど燃えていないうちに、参列者は不動明王像の目の前に行き参拝することができます。この時にお賽銭を置いたり、像の前で手を合わせてお祈りしたりしますが、護摩焚きの様子を間近で見ることができます。普段なかなか見る機会がないのでとても新鮮です。

そして参列者が不動明王像に祈願するのが終わって元の座っていた場所に戻ると、護摩木が本格的に焚き上げられます。炎が1mくらいまで上がり、火の粉は3mくらいまで舞います。その炎に祈願者が収めた護摩札を焦げないように火を仰いで当ててます。

そして護摩焚きが終わると、お坊さんのお話が少しあります。説教じみたものではなく、境内にある施設を紹介して、ゆっくりとお寺でお過ごし下さいと言った内容のことが話されます。護摩焚きは大体30分くらいだったかと思います。

護摩木は事前にお願いすることができます。不動堂の右にある法輪閣(お札所)で書けるようになっています。

奉納料(護摩木料)を納めて木に無病息災など祈願内容を書くようになっています。

祈願内容は一覧があるので、その中から自分がお願いしたいものを選んで書き、その下に自分の氏名を書きます。

そして護摩木を所定の所に置けば、護摩焚きで燃やしてくれます。高幡不動では護摩木の祈願内容を一つずつ読み上げていたので、お手によっては読むこともあるようです。

本格的に祈願したい場合は、もっと大きい護摩札を申し込みます(護摩料は3千円~1万円くらい)。また交通安全祈願も毎日行われていて、それも宝輪閣(お札所)で申し込めます。

ついでですが、護摩木から「誤魔化す」という言葉ができたといわれています。「護摩化す」に当て字を付けて「誤魔化す」となったといわれていて、護摩木に書いた願い事は、燃やすと何が書かれていたか分からなくなるので、「護摩に紛らかす」から誤魔化すとなったのだとか。普段何気なく使っている言葉には仏教語から来ているものが多いので、あながち間違っていないのではないでしょうか。「退屈」「大丈夫」「未来」「上品」といった言葉も仏教語からきています。

「誤魔化す」には諸説あり、胡麻に由来する説もあります。江戸時代の胡麻を使ったお菓子に中が空のものがあり、見掛け倒しから胡麻カスと言われたという説です。また、不味いお菓子でも胡麻をかけるとおいしく食べられることからゴマカスと言われるようになり、それに当て字が付けられたとも。

さて、護摩焚きが終わったので骨董市を見てみます。

骨董市は朝早くからやっていて、7時~16時の間に開催しています。今回はコロナの影響で出店数が少ないようです。

とは言え、所々にお店があり思っていたよりもお店が多いです。値段もそれほど高くなく、お手頃な感じです。もちろん見ているだけでもいいので、気軽に立ち寄れます。

お皿やお猪口は300円や500円のがざらにあり、中には3つや5つのセットで500円や1000円の物もありました。店じまいをした陶器店から譲り受けた物もあり、中には新品同然の物もあります。

1月に東京フォーラムで開催された大江戸骨董市に行きましたが、一枚2千円、3千円の皿が多く安くても千円台でした。このござれ市は安い物が多く、気楽に立ち寄れます。

お店は陶磁器の食器や酒器が多く、古布や玩具、外国の食器や飾り物などが売られています。外国人も意外に多く、中にはアジア系の転売ヤーもいました。

9時過ぎになるとだんだんと人が増え、通りが混んできました。

奥殿

不動堂の裏にあり、本尊が安置されているお堂です。

不動堂にあるのは身代わり本尊で、ここに平安時代に造られた本尊が祀られています。300円払い寺宝館に入ると、本尊を目の前で見ることができます。もらったパンプレットの写真を載せておきます。

本尊は平安時代に造られたものなのですが、平安時代のものは関東で唯一です。

手綱がありますが、これはご本尊と繋がっていて、これを触って不動明王に祈願するのがいいらしいです。

大日堂に行ってみます。

山門

こちらも写真の撮影は禁止されています。中には大日如来が祀られていて、天井には龍が描かれています。鳴り龍といわれていて、天井絵の下で手を叩いて大日如来に祈願すると、変わった音がする場所です。一年前にも来ましたが、その時も誰もいませんでした。大広間で正座して静かな時間を過ごすことができる場所です。その他、数点壺や掛け軸が掛けられている座敷や、歴代の住職の絵が飾らた広間があります。大日如来像の裏には信徒から納められたものでしょうか、沢山の位牌が並べられています。中に土方歳三の位牌もあります。

大日堂の横の道です。ここも静かな場所です。奥にはお墓があります。

大日堂の横から、境内を散歩できる道があります。小高い丘に登ると街並みが見えます。

去年撮ったものです。

平日は静かな境内なので、一人で考えことをしたい人や静かに散歩したい人には、いい場所です。梅雨の季節には紫陽花が見れますし、秋には紅葉が見れます。大きなお寺や神社には意外とこういう所があり、のんびりすることができます。人生で行き詰まった時や悩みのある時は、神社やお寺に行って気持ちを静めるのもいいのかもしれません。

今回は感染症対策で閉鎖していましたが、五重塔の下には休憩所があり、そこで休むこともできます。左の石垣の部分が入り口です。

都心と違いなかなか来る機会がない場所だと思いますが、骨董市や紫陽花祭りの時に来てみるのもいいのかと思います。隣の駅には百草園や多摩動物公園があり、歩いて行ける距離です。

参道の裏道にはちょっとした居酒屋やラーメンのお店もあります。つけ麺の美豚(びとん)や濃厚魚介かつおスープが特徴の小川も、人気のあるお店です。

高幡不動では例年11月23日辺りで紅葉祭りを開催しています。参道と境内に灯りが並び幻想的な雰囲気の中で紅葉を楽しむことができる祭りです。

以前行った時の記事があるので、興味のある人は見てみてください。こちらです。

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