今回は千葉県の南房総にある富浦と館山、和田浦を紹介します。これまで千葉県の旅は鋸山にしか行ったことがなく、他の場所も知りたいと思っていました。青春18きっぷのシーズンが終わってしまった秋、ネットでお得なフリーパスがないか調べたら、サンキューちばフリーパスというものがあり、それを使って房総半島を1周してきました。
今回は途中立ち寄った、富浦駅の原岡桟橋、那古船形駅の崖観音大福寺、館山駅の渚の駅と館山城、和田浦駅の鯨料理を食べられる宿じんざ、佐倉駅の武家屋敷を紹介していきます。記事は長くなっているので、6つに分けています。
旅の行程
2019年10月、JRのフリーパス(後述)を使って房総半島を一周しました。千葉駅から内房線で館山に移動し、途中、富浦駅の原岡桟橋と那古船形駅の崖観音大福時を散策し、館山駅に行きました。館山では夕日桟橋や渚の駅へ行き、館山城と館山市立博物館を観ました。記事は別になりますが、その後、和田浦駅に移動し、鯨料理のフルコースを夕飯で食べることのできる「じんざ」に泊まり、翌日は外房線で千葉駅に行き、佐倉の武家屋敷を見学しました。
詳しい行程はこんな感じです。
5:42新宿駅発‐8:38富浦駅着 ↓ 8:43原岡桟橋 ↓ 9:27富浦駅発‐9:30那古船形駅着 ↓ 9:40崖観音大福寺 ↓ 11:26那古船形駅発 ※ここまでが今回の記事① ↓ 11:31館山駅着 ↓ 11:45渚の駅(桟橋、展望デッキ、渚の博物館) ※ここまでが②の記事 ↓ 13:00館山城、市立博物館を散策 ↓ 15:06館山駅発 ※ここまでが③の記事 ↓ 15:30和田浦駅着 ↓ 15:35民宿じんざにチェックイン ↓ 16:00和田浦海岸、道の駅 和田浦WA・O! ↓ 17:00じんざに一泊、鯨のフルコース料理を食べる ※ここまでが④の記事 ↓ 和田浦港を散策 ↓ 9:25和田浦駅発 ↓ 12:17佐倉駅着 ※ここまでが⑤の記事 ↓ 12:30武家屋敷、ひよどり坂を散策 ↓ 13:42佐倉駅発 ↓ 15:27新宿駅着 ※ここまでが⑥の記事
サンキューちばフリーパス
青春18きっぷのシーズンしか房総半島をお得に一周できないと思っていたのですが、サンキューちばフリーパスを使えば普段よりも安く一周するができます。これは千葉県内のJR線、ローカル鉄道と路線バスの一部、東京湾フェリーが2日間乗り放題になるお得なフリーパスで、値段は3,970円(2021年現在)という安さです。利用期間中の連続する2日間使えます。
利用期間はその年により異なり、2019年は10月1日~12月26日でしたが、2020年は9月1日~11月30日、2021年は11月1日~11月30日と様々です。2022年は1月4日~2月28日と例年とは違う時期に発売されています。
券売機で買え自動改札機で利用できる、何とも使い勝手のいいフリーパスです。こんな便利なきっぷを最近まで知りませんでしたが、今回はこれを使って旅をします。
購入方法
5時半に新宿駅に到着し、サンキューちばフリーパスを購入します。JR在来線の発券機ではなく、新幹線・特急・定期券・回数券の券売機での購入となります。
右下のQRコードの読取りを押して、スマホ画面のQRコードを読み取らせます(おトクなきっぷからでも購入できるのかと)。
QRコードは、JR東日本のサイトのサンキューちばフリーパスのページの下にある緑色の「詳細はこちら」を押すと、コードが載っている画面になります。
「詳細はこちら」を押すとこのような画面になるので、これをかざします。スクショでも読み取れました。
あとは日付と人数を選べは購入できます。事前に買うことができるのも便利です。
6枚発券され、1枚はゆきのきっぷ、1枚は帰りのきっぷ、
利用路線の説明が1枚とバスの路線の説明が1枚、残り2枚はアンケートです。
富浦駅へ
さて、5:42の電車で新宿から千葉駅に向かいます。錦糸町駅で乗り換えて千葉駅に行き、内房線の館山行の電車に乗ります。通勤ラッシュに遭わずに済み、新宿からずっと座ることができました。
金谷駅を過ぎて保田(はた)駅に近づくと、車窓から海が見え綺麗な景色を楽しめます。次の安房勝山駅を過ぎると海の奥に富士山が見え、岩井駅に近づくと点々とした岩山が見えてきます(以前金谷に行きましたがいい場所でした)。
保田を過ぎた辺りからブルーシートのかかった家がちょくちょく見受けられ、先日の台風の爪痕が残っています。養生テープを窓に貼っている家もあり、台風に備えた形跡が見受けられました。
8:38富浦駅に到着です。新宿から約3時間。
無人駅です。
駅から10分ほど歩くと、原岡海岸があります。
富浦は枇杷(ビワ)が有名です。道の駅とみうら枇杷倶楽部では、ビワのソフトクリームをはじめ房州ビワを使った特産品(びわジャム・びわゼリー・びわ饅頭・びわ飴等)や南房総・千葉県内の特産品が売っているようです。
海岸が近づくと富士山が見えてきました。
原岡海岸に到着です。
富浦の原岡桟橋
ここ原岡海岸は波が穏やかで夏は海水浴場になるようです。
そして富士山に続く原岡桟橋が撮影スポットとして知られています。
全国でも数少ない木製の桟橋で、テレビコマーシャルやロケの舞台にもなっているらしく、夕暮れ時には富士山がシルエットで浮かび上がり綺麗なのだそうです。
残念ながら先日の台風で桟橋が壊れてしまっていて、途中までしか歩けません。数日前の、10月12日の台風19号の被害だと思っていましたが、桟橋の破損は9月9日の台風15号によるもののようです。
台風がなければもう少し海岸も綺麗だったのかもしれません。
桟橋の手前の部分も壊れています。
夜は電灯が点くので、夜は夜でいい雰囲気の撮影スポットになります。
来た道とは別の道から富浦駅に戻ります。
那古船形駅へ
9:27の電車で隣の那古船形駅に向かいます。
乗車時間は3分で、9時半には那古船形駅に着いてしまいました。
無人駅です。2011年以降1日の利用者数が200人を切っています。
この後に行った館山の博物館で知りましたが、駅舎は大正時代に建てられた時の資材で、館山市で1番古い駅なのだそうです。関東大震災の時に駅舎が崩壊しましたが、同じ資材で建て直したようです。
風化した木をもっとちゃんと見ておけばよかったです。
駅から15分ほど歩いて崖観音で知られる大福寺に向かいます。台風によるものでしょうか、山の木がなぎ倒されています。
車の通りが少ない静かな道です。
お寺が見えてきました。
那古船形駅から歩いて15分、船形山崖観音大福寺にやってきました。
崖観音大福寺
真言宗智山派の寺院で、船形山の中腹に浮かぶ朱塗りの観音堂は「崖の観音」と呼ばれ、地元の人たちから信心されています。ご本尊の十一面観世音菩薩は、船形山の中腹の崖が刻まれたもので、養老元年(717年)に行基が東国行脚の折に神人の霊を受け、地元漁民の海上安全と豊漁を祈願して、山の岩肌の自然石に十一面観世音菩薩を彫刻したといわれています。
階段を上ると、海が見えます。
本堂。右に納経所があります。
ご本尊の祀られている観音堂に行ってみます。
お不動さま
千社札が目立ちます
観音堂の前からは素晴らしい景色が見渡せます。
地元の方と少し話す機会がありましたが、右手の奥に見えるのは伊豆大島らしいです。週末にはバスツアーがあり、バスが3台止まると駐車場が満杯になり車で来た一般の人が参拝できないことがあるらしいです。
境内には墓地があり、後から知りましたが、木喰の碑や日露戦争の碑もあります。木喰(もくじき )は江戸時代後期に全国を遍歴して修業した遊行僧(1718-1810年)で、この地を訪れた際に一木造の仏像を刻んで奉納したそうです。日露戦争の碑は地元から出征された方の碑のようです。
展望台には椅子があるので、のんびりを素晴らしい景色を楽しむことができます。
観音堂を拝観します。
中央には御本尊の十一面観世音菩薩が安置されていて、その左には興教大師像と弘法大師像があります。興教大師は嘉保2年(1095)に現在の佐賀県鹿島市に生まれ、20歳の時に高野山に登り弘法大師の教えを再興し、真言宗中興の祖と呼ばれる僧です。
御本尊は風化によりはっきりとは見えません。像高は131あり、頭上に菩薩面を刻み、左手に水瓶を持つ様子や、着衣のひだなどが確認でき、舟形の光背を背に二重蓮華座の上に立っているそうです(崖観音大福寺ホームページを参照)。県内最古の磨崖仏といわれ、館山市の有形文化財に指定されています。
こちらの観音堂は天井絵も有名ですが、数年前にリニューアルした新しいもののようです。
南房総の植物を中心に描かれています。
建物も新しく、最近1年半の改修を行い1年半かけ行い、平成28年7月に完成し現在に至っているようです。江戸時代の火災、明治の大豪雨による土砂崩れ、大正12年の大震災で被災してはその都度再建してきた場所です。
お不動さまの隣には湧き水のようなものがあります。山上から降りてきた雨水でしょうか。
隣には諏訪神社の境内があります。散歩していた地元の方から聞いたところによれば、2年前に放火で焼失してしまったそうです。
那古船形駅に戻ります。
山側はお店がなく寂しい道が続きますが、線路の反対側には船形漁港があり、海鮮料理のお店が数軒あるようです。
駅で30分ほどのんびりして、
11:26の電車で館山駅に向かいます。
次回に続く
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