朝の和田浦港散策
前回の続きです。6時前に海に出て朝の散歩をします。
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季節は10月の下旬で、強めの潮風が吹いてはいますがさほど寒くない気温でした。
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雲がなければ日の出が見れるのですが、この日はあいにくの曇り空でした。
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海岸沿いに歩いて奥に見える建物の辺りまで行くと、和田浦港があります。
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海水浴場は後ろの方らしく、この辺りは岩場が続きます。
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和田浦海岸のパワースポット竜宮社
途中、竜宮社があるので参拝します。
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海上安全・大漁祈願・商売繁盛・縁結びを願って建てられた社です。
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潮風で風化された狛犬と祠
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地元の人たちが初日の出に来る場所で、パワースポットとしても知られている場所なのだそうです。
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和田浦港
竜宮社からは和田浦港が見えます。
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和田浦港は全国でも4ヵ所しかない捕鯨基地です。
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毎年6月末~8月末の鯨漁期に26頭のツチ鯨が捕獲され、港で解体されます。全国でも珍しい鯨の解体には多くの人々が見学に訪れ、昔からほとんど変わらない鯨の解体作業を目にすることができます。
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隣にも港があるので行ってみます。鯨の解体場はこの奥の港にあります。
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宿のご主人から聞いて知りましたが、台風21号が近づいているので船を水から揚げていました。普段は漁に出ているそうです。
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高齢化で毎日漁に出る船は少ないようですが、定期的に年中漁には出ていて、今の季節なら伊勢エビを獲りに行っているそうです。
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台風20号・21号による時化だけでなく、まだ洋上に別の台風があるので船を上げているとのことでした。
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こちらの方が船が多いのでメインの漁港のようです。
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奥の建物が鯨の解体場と思われます。
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捕鯨は早朝に出航し、当日の夕方には捕獲した鯨を曳航して港に帰り、鯨はそのまま熟成させるため一晩寝かせるようです。
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そして翌日の早朝に、鯨の体長などの計測した後、日の明けぬうちに解体が始まります。解体には薙刀のような大きな包丁を持った男たちが尻尾から切り落とし、手際よく鯨肉が仕分けされ、最後には地元の人をはじめとする、鯨肉の購入者に小分けして販売されるようです。
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捕鯨の予定は前日に捕鯨の会社である外房捕鯨のブログに掲載されるようです。一般の人も見学でき、鯨の肉を買うこともできます。
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宿に戻ります。
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解体された鯨の肉はこうした定食屋に流れ、地元の人や観光客の口に入ります。
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和田浦海水浴場
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朝食の時間になったので宿に帰ります。
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和田浦駅の前を走るこの道は花嫁街道といい、この道をずっと30分ほど歩いていくと、山の中に黒滝と呼ばれている滝に辿り着きます。ウォーキングコースとして知られている道です。
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朝食
7時になり朝食をいただきます。
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朝食が美味しい宿はあまりありませんが、ここは美味しかったです。魚もひじきの煮物もお新香もお米も全部美味しかったです。
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鯨の料理はしぐれ煮が一品ありましたが、これも絶品です。熱を通しても固くならない槌鯨の特性を活かした美味しい一品でした。
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じんざの感想
9:00にチェックアウトをします。宿泊料は¥12,100(2019年10月時点)。
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鯨について聞いてみたらいろいろと教えてもらえました。鯨と一口に言っても種類は豊富で、動物学者にいわせると象とキリンほど違うものらしいです。大きさも様々ですが、生物学上の分類ではイルカもシャチも鯨と同じ種類になります。4メートル以上になると鯨と呼ぶだけで、同じ種類として一括りにされているようです。
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和田浦では槌鯨(ツチクジラ)が深い海の中から海面に上がってくるそうで、江戸時代はそこを待ち構えて捕まえていたそうです。今ではエンジンで遠くまで漁ができるようになりましたが、昔はそうはいかなかったので季節が限られおり、夏になると北上してくる鯨を捕まえたようです。
江戸時代は館山や佐倉、勝山にも捕鯨基地がありましたが、房総、特に勝山には200メートル以上の深い海が近くにあり、そこから鯨が浮上していたため、鯨漁が盛んになったとのことです。
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現在は調査の名目で捕鯨していますが、まず6月の後半に調査船が出発して、帰ってきてから7月から8月にかけて捕鯨が行われています。獲れる量は1年で26頭と決まっており、足りない分は翌年に繰り越せるらしく、今年は台風の影響で22頭のみだったとおっしゃっていました。
スーパーで出回っている肉はミンククジラかと聞いたら、大体そうであとはイワシクジラとニタリクジラのようです。それと海外の鯨が流通している可能性もあるのだとか。
本や博物館よりも詳しく分かりやすく説明してくれました。昨日から遠慮しないでいろいろと聞いておけばよかったです。
もっといろいろと話を聞きたかったのですが、帰りの電車の時間になったので渋々話を切り上げました。本物の鯨の料理を食べることができ、いろいろな話が聞け、いい時間を過ごすことができました。
ここでしかできない体験ができ、充実した旅になりました。
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和田浦駅から佐倉駅へ
9:25の電車で佐倉駅に向かいます。
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和田浦は外房エリアにあるのでてっきり外房線だと思っていましたが、電車の区間は内房線になります。館山駅-安房鴨川駅間は内房線で、安房鴨川駅から勝浦・大原・茂原・大綱・蘇我の区間が外房線となります。
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安房鴨川駅から外房線に乗り換えて千葉駅に行き、房総半島一周となります。
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安房鴨川駅からはバスで大山千枚田に行けます。夏に棚田を見るのもいいですが、10月下旬~1月初旬はLEDライトでライトアップされた棚田のあかりが開催され、幻想的な景色を楽しめます。
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外房エリアには葛飾北斎に大きな影響を与えたとされる、彫刻師「波の伊八(なみのいはち)」が残した作品がいくつかのお寺に残されています。大原と茂原間にある太東駅から離れた所にある飯綱寺や、いすみ鉄道の国吉駅から離れた場所にある行元寺で見ることができます。駅からかなり離れているので徒歩では不便ですが、歴史に興味のある人にはいいのかもしれません。
勝浦駅の隣の御宿駅には徒歩7分の距離で月の砂漠と呼ばれている海岸があり、天気のいい日や夕暮れに綺麗な景色を楽しめる場所として知られています。
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蘇我まで外房線で移動し(これにて房総半島一周となります)、蘇我から成田方面に向かい佐倉駅で降ります。東京に戻る前に佐倉の武家屋敷を見て帰ることにします。
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次回に続く
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