【京都】嵯峨嵐山の魅力を解説(旅6日目①)

京都府

今回は京都屈指の観光名所・嵯峨嵐山の魅力を紹介します。
観光地として整備されている嵯峨嵐山は歩いているだけで楽しい場所ですが、同時に歴史や文化があり、それを体験できる場所でもあります。

今回は嵯峨嵐山の観光スポットの中でも人気のある竹林の小径や渡月橋、キモノフォレストを歩き、京都の歴史と文化を紹介しています。旅をしたのは2022年3月です。

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嵯峨嵐山へのアクセス

嵯峨嵐山の京都駅からのアクセスですが、嵯峨嵐山駅は京都駅から7つ目の駅で、乗車時間は約17分です。JRの嵯峨野線だと乗換なしで嵯峨嵐山に行くことができます。

駅の隣にはトロッコ列車の嵯峨駅があります。

7.3キロの道を約25分かけて、保津川を見ながら8つのトンネルをくぐり亀山駅に向かうトロッコ列車は、新緑の季節や紅葉の時期には多くの観光客が利用します。

嵯峨嵐山駅の南口から7、8分歩くと天龍寺に着き、そこから数分歩くと竹林の小径に着きます。

竹林に向かう途中に煎餅発祥の地の案内板があり、空海から煎餅の製法を伝授された和三郎なる者が、嵯峨天皇に煎餅を献上したことから、以後、天皇にお菓子を納めるようになり、菓子作りに励んだことが書かれていました。

この辺りは嵯峨と言われていますが、正式には嵯峨野と言うようです。
案内板には、嵯峨野は天皇や貴族が猟をしたり若葉を摘んだりする行楽地だったと書かれていました。
平安時代から風光明媚な場所として知られ、皇族や貴族の別荘が造られ、また寺院が建てられた場所でもありました。

竹林の小径

天龍寺の北門辺りから本格的な竹林の道になります。
竹林の先には、大河内山荘、トロッコ嵐山駅、常寂光寺、落柿舎、二尊院、祇王寺、念仏寺があります。

トロッコ嵐山駅の近くまで400メートルくらいでしょうか、道の両脇に美しい竹林が続きます。

手前の細い柴で作られた小柴垣(こしばがき)からは落ち着いた風情が感じられ、また空に向かって高く伸びる竹からは力強さと美しさが感じられます。
古柴垣と竹とのコントラストも美しく、歩くのが楽しい道です。

この竹は、孟宗竹(モウソウチク)という日本に広く分布している竹で、日本で食べられている筍の代表的な品種です。
孟宗竹は平安時代前期(801年(延暦20年))に僧侶の道雄(どうゆう)上人が唐から持ち帰ったのが始まりと言われています。
また鎌倉時代(1228年(安貞2年))に曹洞宗の開祖で知られる道元が宋から持ち帰ったとも言われています。

ですが、孟宗竹が全国に広まったのは江戸時代といわれており、薩摩藩が琉球王国と貿易をしたのがきっかけとも、また前回ご紹介した黄檗宗萬福寺の隠元禅師が明からもたらしたともいわれています。
ある本には嵯峨の竹林は昔は現在の何倍もの広さがあったと書かれていましたが、竹が増えたのは江戸時代以降なのかもしれません。

竹林の小径は現在、歴史的風土特別保存地区として保護されれていますが、昔はもっと広い竹林が広がっていたのだそうです。

時間がないので折り返しましたが、この竹林の先にある祇王寺は、境内の苔が美しくておすすめです。また大覚寺では周囲約1kmの日本最古の人工の庭園池を観ることができます。
行ったことはありませんが、江戸時代に創建された日蓮宗の寺院である常寂光寺は、紅葉の名所として知られています。

それにしても竹林の小径は素晴らしい道です。
雨の日でも歩くのを楽しめる、いい道でした。

野宮神社

竹林の小径の近くには縁結びの御利益がある野宮神社(ののみやじんじゃ)があります。
クヌギの木の皮を剥がさず樹皮が付いたまま組み立てらた黒木(くろきの)鳥居と小柴垣が見どころです。

野宮神社はその昔は、天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王、皇女や女王の中から選ばれるのですが、が伊勢へ行かれる前に身を清められた所です。

野宮(ののみや)は清らかな場所を選んで建てられるので、この場所は嵯峨野の中でも清浄な場所とされ、野宮神社は黒木の鳥居と小柴垣に囲まれた聖地だったようです。
神社のホームページによると、その様子は源氏物語の「賢木(さかき)の巻」に美しく描写されているとのことでした。

嵐山駅(嵐電)周辺・キモノフォレスト

嵐山を観光する際は、嵐電の嵐山駅からスタートするのもお勧めです。
綺麗に整備されていて美味しそうなお店があります。
場所は天龍寺と渡月橋の間にあり、JR嵐山駅よりも天龍寺や竹林、渡月橋へのアクセスがいいです。

渡月橋から嵐電の嵐山駅に繋がるこの道は長辻通りというのですが、雰囲気のいいお店がたくさん並んでいます。さきほどご紹介した天龍寺の入口もこの通りに面しています。
着物レンタルのお店に八つ橋や、七味唐辛子、京漬物などのお土産屋や、食事処や甘味処があり、
竹細工やちりめん細工、まゆ人形のお店などがあります。

そして駅のホームの隣には、嵯峨嵐山の有名な観光スポットのキモノフォレストがあります。
(嵐電は社内で運賃を払うため駅に改札がなく、ホームを自由に歩くことができます)

京友禅の生地をアクリルで包み、高さ2mのポール状にしたものが600本並んでいます。
夜はライトアップした京友禅を楽しむことができます。

京友禅とは、
京都や大坂で町人の文化が花開いた江戸時代前期の元禄年間に、京都の絵師、宮崎友禅斎により編み出された染めの技術です。
元々絵師の友禅斎が扇に絵を描いて売ったところ評判になり、そのあとに絵画の模様を着物に描いて染めたのが始まりとされています。
色彩豊かで気高さがあり美しく、現在は伝統的工芸品に指定されています。

友禅と言えば、京友禅に加賀友禅東京友禅を合わせた「日本三大友禅」が有名ですが、
加賀友禅と東京友禅が全ての工程を一人の職人が作るのに対し、京友禅は分業制で作られる点に違いがあります。
また、東京友禅は落ち着いた控えめな模様・色合いのものが多く、加賀友禅は草木や花、虫などの自然を描くことが多く、京友禅は御所車などの公家の文化を表したものも描かれる点に違いがあるといいます。
加賀友禅と東京友禅が染めだけなのに対し、京友禅は刺繍や金箔を入れ、更に華やかに作られているのも、一般的に言われている京友禅の特徴です。

京友禅には大きく分けても20もの工程があるといわれています。
完成するまでの工程は大雑把に言うと、
着物のデザインを決め、生地に書き移し、
糊で縁取りをし、また他の色が染まらないように糊を被せ、
生地全体を染め、伏せ糊を洗い流し、
個々の絵柄の色を塗り、蒸して洗い、金箔や刺繍を入れて完成となります。
一つ一つの行程で求められる技術が高く習得するまでに10年かかると言われており、それ故にそれぞれの行程を職人一人一人が分担して作ります。

京友禅は、かつては鴨川の流域で作られ、鴨川の流れに布を晒して鮮やかな色彩を作り出していたといいます。

ついでに、嵐山駅のすぐ近く、長辻通りにある嵯峨とうふ稲というお店で湯豆腐を食べましたが、リーズナブルな価格で良かったです。

京都を代表する食の一つで知られる湯豆腐は、精進料理をルーツとし南禅寺周辺で発祥したとされていますが、大きく分けると東の南禅寺周辺と西の嵯峨嵐山周辺が有名なようです。

こちら↓で詳しく紹介しています。

「やわやわ」で「ぷるんぷるん」と評判だった京の湯豆腐 | 四季を気ままに (shikikimama.com)

渡月橋

嵯峨嵐山観光と言えば、竹林と並び定番になっているのが、渡月橋です。
渡月橋からは嵐山が見渡せ、この一帯は春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉が美しいと評判で、多くの観光客が訪れます。

渡月橋の上流の亀山の周辺を流れる桂川は保津川といい、行楽のシーズンは川下りが人気です。トロッコ列車で亀山駅まで行き、帰りに川下りで戻ってくる行程も人気です。

あいにくの天気で気温も低かったので、嵐山公園の辺りで折り返してしまいましたが、
渡月橋を渡った先には法輪寺があり、更に先に進むと松尾大社や鈴虫寺で知られる華厳寺(けごんじ)、苔庭が有名な西芳寺があります。
渡月橋を渡った辺りから松尾大社までは歩いて約20分、西芳寺は更に約15分の距離です。

渡月橋の柵の所に大堰川(おおいがわ)の文字がありましたが、渡月橋を境に川の名前が変わります。橋の右の下流は桂川になり、左の上流は大堰川となります(さらに上流に行くと、保津峡の辺りで保津川と呼ばれますが、そのまた更に上流に行くとまた大堰川や桂川と呼ばれるようになるそうです)。

感想

旅をした3月中旬はまだ寒さの残る春の訪れを待つ頃で、またコロナの蔓延防止重点措置期間で観光客も少なく、寂しい時期でした。
でしたが、それでも十分に嵯峨嵐山を楽しむことができました。

また雨が降っていましたが、雨の日は雨の日で楽しかったです。
竹林や傘に落ちる雨の音が心地よく、また池に落ちては広がる波紋は風情があり、心が洗われるような、いい時間を過ごすことができました。
キモノフォレストでは、雨の日はライトアップした明かりが雨で濡れた道に反射し、夜はより幻想的な光景を楽しむことができるようです。

嵯峨嵐山は京都屈指の景勝地と言われるだけのことがある素晴らしい場所でした。春の桜や初夏の新緑、秋の紅葉や冬の雪化粧と、季節を楽しめる時に訪れると、より楽しめると思います。
是非とも一度、友達や家族、恋人と出かけ、素晴らしい景色を共有していただきたいと思う、そんな場所です。

YouTube

動画でも嵯峨嵐山の魅力をお伝えしています。どんな雰囲気の場所なのか、ブログよりも分かりやすいので、こちらも是非ご覧ください。

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