高幡不動尊のもみじ灯路と万燈会

東京都

2017年11月23日、日野市高幡不動のもみじ灯路に行ってきました。毎年11月23日頃になると高幡不動とその参道でキャンドルが灯されて、もみじ祭りが開催されます。その時期は京王線の車内や駅で、幻想で綺麗なポスターが貼られます。今回は高幡不動のもみじ灯路を紹介します。

16時半頃、高幡不動駅を降りて高幡不動に向かいます。京王線になります。駅から参道を歩いて3分くらいでお寺に着くのですが、まだ明るいので暗くなるまで周辺をぶらぶらします。

この通りはメインの参道の隣の道になります。

昔ここに住んでいたことがあり、高幡不動のもみじ灯路を観るのは何だかんだで3回目です。今回は以前に撮った写真も併せて載せて、もみじ灯路を紹介したいと思います。

高幡不動尊から少し離れた場所にある浅川

駅の近くには浅川があり、橋を渡ると日野市になり、新鮮組にまつわる資料館があります。新鮮組のふるさと歴史館や土方歳三資料館があります。川の反対側はJR中央本線の日野駅や豊田駅になります。

さて辺りが暗くなってきたので、高幡不動尊に向かいます。先ほど歩いた通りです。

車両の通行を禁止して、蝋燭の入った灯篭が道に並べられています。この道は参道の隣の道でメインの通りではありませんが、それでも沢山の灯りが点いています。

参道とその隣の道(先ほどの道)を繋ぐ横道

ここにも蝋燭の入った灯りが置かれ、紅葉の葉が敷かれていて雰囲気がいいです。

よくお茶屋にある、赤い立て傘の辺りが撮影スポットになっています。赤い傘は、野点傘(のだてがさ)というようです。

反対側(野点傘のある方)から撮った写真

ちなみに写真の左にある白いのぼり旗は、らーめん小川のものです。とろとろのチャーシューの入ったクリーミーな豚骨かつおだしのラーメンは、たまに食べたくて仕方がなくなるくらい個人的には好きです。

奥の参道に向かうと、沢山の提灯が並ぶ門があります。

駅とお寺を繋ぐ参道だけでなく、その周辺にも大々的に灯りを置いているので、見応えがあります。路上の灯りは3000個近くあるそうです。

参道

メインストリートということで、沢山の人が写真を撮っています。灯りのついていない時は、こんな感じです。

反対から見たところ

灯篭の手前には切り抜いた灯篭が置かれています。切り絵の灯篭は後ほど紹介します。

お寺の入り口、仁王門に着きました。

中に入ると、お土産屋や屋台(写真奥)が並びます。

仁王門から入って右手にある、法輪閣(護摩の受付をする場所)の前には、切り絵の灯篭が並びます。先ほど、メインストリートの参道の一番端に並んでいたものです。

この灯篭は、岩手県宮古市発祥の切り絵の灯篭「夢灯り」というそうです。

牛乳パックで作られているそうで、毎年作品を募集したコンテストをしています。岩手県宮古市のものを置いている理由ですが、東日本大震災以降、宮古市との交流が始まったかららしいです。宮古市は新鮮組との縁があるのだとか。

本堂の不動堂の近くの一角には、菊の花が飾られています。

毎年10月下旬~11月中旬までは菊祭りが開催されています。鉢に植えられた菊や盆栽、切り花の作品が多く展示されるようです。

境内の紅葉

高幡不動には裏山があり、境内は広く自然も豊かです。

色鮮やかな紅葉がライトアップされていて、いい空間です。

境内にあるお堂の縁側には俳句と絵の描かれた灯篭が並びます。これも地元の人が作った作品でしょう。

五重の塔

五重塔では提灯の灯りを点けて万燈会を開催しています。

一階の柵には蝋燭が並べられています。点火するのは別の日ですが、灯りを点けて万燈会を行うものだと思います。

五重の塔の足元にはちょっとした水路があり、そこで精霊流しのようなことが行われています。

お願い事を書いた灯篭がゆらゆらと流れていきます。

どこで買えるのかは分かりませんが、1つ500円払うと、願い事を書いて流すことができるようになっています。

おお月様と五十の塔

大分古いものになりますが、2011年の時のもみじ灯路の写真も載せておきます。11月23日の勤労感謝の日に行きましたが、この日はあいにくの雨でした。

灯篭には蓋が付いていて、多少の雨でも蝋燭の火が消えないようになっています。

この年は東日本大震災があった年で、応援の灯篭が並べられていました。

参道の隣の通りに撮影スポットを設けられています。

朝礼台のようなものに上って、少し高い所から列に並んだ人は写真を撮っていました。

一部雨で火が消えてしまっていますが、「ガンバレ東北」と点火されています。

参道の灯篭

岩手県宮古市発祥の「夢灯り」の切り絵の灯篭も、この時は3つです。この年から宮古市との交流が始まったということで、偶然でしたが写真に収めていて良かったです。

五十の塔では万燈会が行われています。柵の所に蝋燭が並び火が灯されています。

一本の蝋燭は芯が太く、多少の風では消えません。

万燈会(まんどうえ)は、一般的には「懺悔滅罪(さんげめつざい)のために多くの灯明を点して、仏菩薩に供養する法会」と説明されています。自身の罪を消すために蝋燭を灯して仏様を供養する儀式で、 多くの灯りが灯されることから万燈会といわれています。昔は本当に一万もの灯りを灯すこともあったそうです。

奈良時代からか平安時代からか、詳しい年代は分かりませんが、昔は生まれながらにして人には罪があるとされていました。貧しく生まれた者やハンセン病などの不治の病にかかっている者は、前世の罪や先祖の罪が原因だとされていました。

それ故に金品を奉納して蠟燭を灯し、多くの民衆が滅罪のためにこうした供養に参加しました。蝋燭や提灯に先祖の名前やお経などを書き、先祖供養や仏の供養、滅罪の祈祷をお願いします。

お金のない者は無償の労働をすることで、自身の罪をなくそうと願うこともありました。お寺の建立や橋の建造に協力することで徳を積み、現世の滅罪と来世の救いを求めたのです。

万燈会にはそうした側面もあり、お寺は千人からお金を集める千燈会、万人からお金を集める万燈会を定期的に行い、お金を集めていました。

そうして得たお金でお寺の修繕費に当てたりしたのです。そんな歴史が万燈会にはあります。

五十の塔の地下では、何やら開催されています。

毎年恒例のイベントなのかと思っていましたが、何やら雰囲気が違うので、東日本大震災への慰霊のような気がします。

後から知りましたが、太鼓を叩いている方は東北出身のようです。幻創という二人組の和太鼓奏者でした。

力強い太鼓の音が堂内に響きます。

毎年恒例のイベントではなく、太鼓の奉納でした。大変な時期に前を向いて行こうというメッセージを、力強い太鼓の音色から感じました。幻創さんは海外でも演奏しており、YouTubeでも動画が見られます。

以上、高幡不動尊のもみじ灯路でした。

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