御岳山1泊2日の旅③天空の御師集落で日の出を眺める

東京都
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部屋から見える朝焼け

前回の続きです。5時過ぎに、御岳山の山上にある憩山荘で目を覚まします。

少しずつ空が空け、明るくなってきました。

朝からこんな景色が見られるなんて、何とも贅沢です。

しばらく夜が明けるのを部屋から眺めていましたが、やはり外で見たいと思い、外に出ることにしました。

昨晩外が寒かっただけに寒いのは分かっていますが、綺麗な朝焼けを見たくて宿を出ます。

早朝の御嶽神社

御嶽神社の鳥居に来ました。時刻は5:40前。

早朝の隋神門

空気が綺麗なのは言うまでもありません。

ケーブルもまだ運行していないので、人一人いません。

拝殿・幣殿にやってまいりました。

空の方はもう明るくなっています。

陽が上がって来る方は雲に覆われまだ暗さが残ります。

ここから日の出を待ってみます。

そこそこ寒いですが、昨晩ほどではありません。

綺麗で冷たい空気を体に入れると、頭もしっかりしてとても気持ちがいいです。

こうして朝の清々しい空気を吸えるだけでも、泊まりに来た価値があります。

天気が悪くても霧が見れたり雲海が見れたりしそうなので、いい景色を楽しめそうな場所です。

この日はあいにく厚い雲に覆われて日の出を見ることはできませんでした。それでも朝焼けの変化を楽しむことができ、いい朝を迎えることができました。

御嶽神社の祭事

昨日に引き続き、御岳山の歴史を少し書いてみたいと思います。今回は御嶽神社で行われている祭事について少し書きます。

御嶽神社では毎年5月8日に「日の出祭り」が行われます。これは遥か昔、修験者が修行のために峰入りする際の儀式が起源となっていて、今では一年で一番大きな祭りとなっています。

前日の夜に御嶽神社の本殿から神様(神輿)を1km離れたふれあいセンターまで、約1時間かけて運び、そこで一晩明かしてまた帰ってくるという行事です。前日の夜に神様が運ばれる時は、つい立で隠され雅楽が演奏されて運ばれます。翌日本殿に担がれて戻る時も雅楽が演奏されます。

この祭りは一般人が参加することができ、前日に宿坊や民宿に泊まり、8日の朝に神輿を担いで神社に向かう行列に参加する人が毎年いるようです。神社が貸し出している鎧を着て行列の前列を歩くこともできるそうで、中には海外から来日して日の出祭りに参加する人もいるようです。

もらったパンフレットには、6月・9月・10月に神楽と雅楽の一般公開があると書かれています。これも宿坊・民宿に泊まれば体験することができるようです。

かつて御嶽神社に参詣した講(講については前回の記事に書いています)は、事ある毎に神楽を奉納しました。神楽を奉納することでより現世利益が見込まれ、また神社や御師もそれが重要な収入源になりました。神楽は村人全員が一通り参拝を終えた時や、飢饉や不作の年に奉納され、または他の講と合同で行われることもあったようです。

神楽と聞くと何となくどんなものなのか想像できますが、その土地に根差した歴史があり、調べてみたらいろいろと面白そうです。機会があればじっくり見てみたいものです。

もう一つ、御嶽神社では「太占(ふとまに)」という神事が毎年行われていて、これが結構有名です。太占とは鹿の骨を焙り(あぶり)その割れ目で作物の出来不出来を占う祭事で、毎年1月3日に行われています。現在日本でこの神事が行われているのは、御嶽神社と群馬富岡市の貫前神社のみといわれています。

秘事なので公開されていませんが、境内の敷地内にある太占祭場で前晩から行われるようで、詳しいことは御嶽神社のホームページの祭礼・行事の「太占祭」のところで見ることができます。

GWや夏休み、紅葉シーズンの行楽地として人気の御岳山ですが、調べれば調べるほど、独特の歴史のある面白い場所です。「御師の集落がある地」「狼信仰のある地」「太占が現在も行われている場所」という側面も、現在の御岳山にはあるのです。この辺りのことは、別館サイトの「旅の拾いもの」で書いているので、興味のある方はそちらも見てみてください。

それにしても、綺麗な景色です。

一人で来るのはもったいないですね。

結局太陽は隠れたままでしたが、いい景色を楽しめました。

帰りの隋神門。

ここから見渡す景色もまた綺麗なものでした。

隋神門を出る手前には、長尾台という展望台やロックガーデンに繋がる道があります。GWや紅葉の時期には沢山の行楽客が訪れるようです。

さて、宿に戻ります。

昨日も見た神代ケヤキ。

雲間から差し込む陽の光が、これまたいい景色です。

部屋に戻ってからも、しばらく外を眺めます。

考え事をするのに、いい環境です。

朝食

さて、朝食をいただきます。

品目が多くて嬉しい限りです。

目玉は生芋100%の自家製刺身こんにゃくです。

市販のこんにゃくは一年中流通できるよう、こんにゃく芋を一度粉にしてから作っていますが、自家製のこんにゃくは芋をすり潰して火にかけて作ります。

泊まった時は知らなかったのですが、こちらの民宿では刺身こんにゃくの販売もしているようで、チェックアウトの時に言えば買うことができるようです。旅館のホームページでも紹介されています。

2日目の行程

さて、部屋に戻りチェックアウトの時間までのんびりと過ごします。

チェックアウトしてからの予定をもう一度載せておきます。

2日目
10:00憩山荘チェックアウト
10:30御岳山からJR御嶽駅へ
11:00JR御嶽駅着
11:15隼でわさび丼
11:45御岳渓谷遊歩道で沢井駅へ
12:30JR沢井駅着

昨日・今朝で素晴らしい時間を過ごすことができて満足ですが、せっかくなので昼食に奥多摩の特産品である山葵を食べ、その後御岳渓谷を散歩することにします。

それにしても素晴らしい景色のおかげで、いろいろと捗ることができました。環境を変えて仕事をしたい人や一人合宿をしたい人にもおすすの場所です。行楽シーズンを避ければ宿泊客はそういないので、いい場所かと思います。

そういえば、自分の他にもう一人いた海外からの宿泊客は、これからロックガーデンだったか、そっちの方の山だったかに向かうようです。宿泊客の割合としては、登山や行楽、祭りや神楽や参拝をするために泊まりにくる人が多いようです。たまに林間学校や部活の合宿で大勢宿泊することもあるそうです。

素泊まりもできます(※2018年時点のもの)。

まだまだ考え事や作業をしたいところですが、チェックアウトの時間になってしまいました。

女将さんに予約する時に見晴らしのよい2階の部屋を希望できるのか聞いたみたところ、先客がいなければ極力対応しますとのことでした。夕暮れに夜景に朝焼けにと部屋からの景色はいいですし、女将さんは親切で話しやすい人でしたので、予約する際には事前に確認されるといいのかと思います。

宿を出てからはケーブルに乗って御岳山を降ります。

行楽地として人気の観光地ですが、標高900mの土地に数十軒の家が集まり140人ほどが暮らす御師集落という、特殊な場所は印象的でした。

また機会があれば是非とも再訪したい場所です。

ケーブル駅近くの御岳平(展望台)からの眺め。

雨の降ったら霧が出て、季節によっては雲海が見えるようです。

昨日紹介できませんでしたが、ケーブル駅の売店です。

御岳汁と刺身こんにゃくが名物です。

御岳汁はご当地ものの豚汁で、東京の地酒・澤乃井で知られる小澤酒造の酒粕と青梅豚の豚肉で作った、フリーズドライの豚汁です。東京奥多摩地方のご当地グルメとして売り出しているようです。

売店ではきび大福や小澤酒造の地酒・地ビールも人気のようです。わさび漬けや猪の肉を使ったカレーや缶詰といったものもありました。

ケーブルに乗って下界に下ります。

この時間の下りはガラガラです。

滝本駅に下りてきました。ここでも標高400mの高さがあります。

こちらにも売店があります。

滝本駅の近くには神社があり、大きな銀杏の木があります。

急な坂道を下りて、バスに乗ってJR御嶽駅に戻ります。「ケーブル下」というバス停になります。

運転席の左隣にある最前列の座席に座りました。

一人旅の時は最前列に座ると、よりバスからの景色を楽しむことができます。

バスに乗ること約10分、御嶽駅に到着です。

天気はあまりよくないですが、せっかくなので昼ご飯を食べて少し散歩してから帰ることにします。

~次回に続く~

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