2022年の3月に29日間の電車の旅をしました。その1日目は大垣を散策した後、大阪駅に向かいました。その途中に通った米原や草津は歴史を調べてみると興味深いものがありました。今回は旅で移動した滋賀県と宿を取った大阪について書いてみたいと思います(旅をしたのは2022年3月13日の日曜日です)。
滋賀県の観光地と稲作
岐阜県の大垣市で輪中に関する資料館と大垣城を散策した後は、大垣駅に戻り大阪に向かいます。
途中、関ヶ原駅を通過します。関ヶ原は通る度に、いつか一度散策をしてみたいと思う場所です。戦場跡を歩き、関ヶ原古戦場記念館という資料館に行くのも楽しそうです。
雪がまだ残っています。
米原から電車を乗り換えると長浜に行けますが、長浜もいい所です。一度行ったことがあるので今回は旅の行程から外しましたが、江戸時代から明治時代の和風建築が残る黒壁スクエアは雰囲気のあるいい場所です。
食べ歩きを楽しめる商店街には曳山博物館や海洋堂フィギュアミュージアムがあり、鯖そうめんや鮒ずしなどの名物もあり、長浜城から琵琶湖を眺めるのも楽しそうです。
長浜に興味のある方はこちらをどうぞ。以前青春18きっぷで泊まった時の記事です。ゆっくり観光できませんでしたが、調べて知ったことをいろいろと書いています。
車窓から眺める度に思うのですが、滋賀県では田んぼをよく目にします。米原は地名に米がついているので、昔から稲作が盛んな地域なのでしょう。
調べてみると、滋賀県は気候が温和で土壌が豊かで、琵琶湖の豊富な水源があるので、水田を利用したお米の生産に適している土地なのだそうです。農地面積のうち、水田の割合を表わす水田率が90%以上もあり、富山県に次いで全国2位です。滋賀県では農業といえば稲作を指すようです。
コシヒカリの他にキヌヒカリやみずかがみ、秋の詩という品種を育てており、また和菓子に使われるもち米の高級品種といわれる「滋賀羽二重糯(もち)」の産地としても知られています。羽二重糯は草津名物「うばが餅」にも使われています。
前の動画で紹介した大垣駅前さらしなでは、岐阜県の美濃地方のみで作られる「はつしも」というお米があることを知りましたが、羽二重糯もはつしもも、東京のスーパーでは目にすることはありません。知らないだけで、日本の各地にはいろいろなお米があるのでしょう。
一口にお米といっても、一般的なご飯のうるち米(まい)に和菓子のもち米、日本酒の酒米がありますが、そのそれぞれにいろいろな品種があります。それらのお米が、その土地の食や産業に深く結びついていると思うと、お米についてもっと知りたいと思ってきます。
米原駅に着き、播州赤穂(ばんしゅうあこう)行の電車に乗り、大阪駅に向かいます。
綺麗な夕日です。早朝から活動しているので、1日が長く充実しています。
彦根駅です。駅から15分ほど歩くと彦根城があります。彦根城には7年前の電車日本一周の時に行ったので今回は寄りませんが、彦根城とその隣にある日本庭園の玄宮園(げんきゅうえん)、彦根博物館は見ごたえのあるいい場所でした。
滋賀県の観光地は比叡山延暦寺が有名ですが、こちらも前回の旅で行ったので、今回は(旅の行程から)外しました。
彦根城と比叡山延暦寺に興味のある方はこちらの記事をどうぞ。電車日本一周で行った時のものです。
【旅9日目】天空の聖地比叡山延暦寺と彦根城 | 綴る旅 (tsuzuritabi.com)
今回の旅では滋賀県は三井寺と石山寺、そして近江八幡に行きます。大阪・奈良・京都を旅して東京に帰る時に寄るので、旅の様子は後日ブログと動画で紹介します。
草津名物うばがもち
途中、草津駅で降りました。
米原もそうでしたが、エスカレーターの乗り方は関西圏の右寄りです。
一旦改札を出て、コンコースにあるうばがもちやで草津名物、うばがもちを買いました。途中下車しても、京都に向かう電車は10分に1本、大阪へ向かう電車は20分に1本あるので、それほど旅の行程に支障はでません。
江戸時代より府中宿の安倍川餅と並び、旅案内記には必ずといっていいほど登場した草津宿の名物です。親指ほどの小さなあんころ餅で、6個入りが300円と手ごろな値段です。
あんころ餅の上に乗っている白いのは、山芋の練り切りです。うばがもちやのHPによると、餅は化学肥料や農薬を使用せずに栽培した「滋賀羽二重糯」を使っているとのことです。
諸説ありますが、うばがもちの始まりは、織田信長に滅ぼされた佐々木義賢(六角義賢)の曾孫(ひまご)を預かった乳母(めのと)、うば、が、その子を育てるために草津宿で茶屋を営み、そこでお餅を出したのが始まりとされています。乳母=姥が作る餅はいつからか、誰がいうことなく「姥(乳母)が餅」と呼ばれるようになったのだそうです。
徳川家康、松尾芭蕉、与謝蕪村、近松門左衛門、歌川広重、葛飾北斎といった名だたる著名人らがうばがもちを食べ、浄瑠璃や浮世絵、東海道名所図会に登場し、その評判はたちまち全国に広がったと、添付の解説に書かれています。お湯に入れて溶かしてお汁粉にして食べるのもおすすめのようです。味はシンプルなあんころ餅ですが、草津宿や滋賀県の歴史を知れば、また美味しさも増すものです。
大阪へ
さて、草津駅から大阪方面の電車に乗り、京都駅を経由して大阪駅に向かいます。
すっかり日が暮れてしまいました。
京都駅
京都駅を過ぎ、新大阪駅を過ぎると、今晩の目的地、大阪駅に着きます。
淀川です。琵琶湖から流れる唯一の川の瀬田川(せたがわ)が京都に入る辺りで宇治川と名前を変え、大阪との境界付近で桂川・木津川(きづがわ)と合流して淀川となります。こんなに川幅があり、橋が長いなんて知りませんでした。
そして19時半頃に大阪駅に到着です。
駅のホームはロープ状になっていて、電車の発着に合わせて上下に移動します。
せっかくなので、駅ビルを少し歩いてみます。7年前に電車日本一周の旅をした時は大阪・梅田はあまりに複雑で迷うのは必至なので、泊まるのを避け、移動しないように心がけました。今回は少しでも梅田周辺を知ろうと思い、歩いてみました。
改札を出ると、運よくというか、なぜか駅よりも更に上に上るエスカレーターがあったので、乗ってみました。
大阪ステーションシティという商業施設のようです。駅を挟んでノースゲートとサウスゲートがあり、ここはそのどちらか分かりませんが、どちらのビルも28階くらいまであるようです。上に上がると広場があり、その更に上にも続いていて、混乱してきたので、降りました。行ったのは8階あたりでまででしょうか。10階から17階の間には広場や屋上農園があるようです。
大阪は人口の多い都会の割には面積が狭く、土地の広さは全国で46位です。狭い土地をできる限り有効活用するとなると、自然と高いビルができるのでしょう。高層ビルの中に寛げる空間を創り出しているところは、東京の商業施設とは違い、別の感覚があります。
こうしたところが大阪の人の気質というか、大阪の特徴なのではないでしょうか。5階の時空(とき)の広場からは、大阪駅のホームが見え、電車が発着する様子がジオラマのように見えます。
旅の1日目の疲れが出てきたので、ホテルに向かいます。
ホテルに向かいますが、大阪駅から徒歩20分も離れた場所でした。
ですが、日曜というのもありますが千円代で泊まれたので大変助かります。旅をした2022年の3月中旬はコロナの蔓延防止重点措置期間が再延長されている時期で、おかげで格安で宿泊することができました。
ただ、コロナのまん防のせいで、楽しみにしていた梅田の地下街のどて焼きのお店は閉まっていました。
ついでに、泊まったホテルの最寄り駅の阪急の中津駅は、人気がありませんでした。どて焼きから隣の大阪梅田駅に向かう時に利用しましたが、大阪梅田駅から一駅しか離れていないとは思えないほどの人のいななさです。夜は街灯が暗く一人で歩くのは嫌な場所でした。
そして、おかしなことに全然電車に乗れませんでした。ホームにいても警報機が鳴るだけで、どこに電車が来るのか分かりません。大阪梅田に行く電車は線路を挟んだ別のホームにも停まり、しかも曲がり角から急に現れるので、違うホームに来ると間に合いません。そんな駅が大都会の大阪に、今時あることに非常に驚きました。
ちなみに、梅田の地下街のお店はどこも時短営業で閉店していて、結局、晩御飯はコンビニ飯になりました…
旅では予定外のことが起きたり、うまくいかないことが多々ありますが、今回の旅はコロナもあり以前までの旅とは様子が違うような、嫌な予感を早速感じました。
そんなこんなで旅の1日目を終わります。次回の記事は大阪1日観光です。
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