【旅の1日前】靖国神社と千鳥ヶ淵墓地、平和記念展示資料館

日本一周

2015年の7月、電車日本一周の旅の出発を前日に控えた日に靖国神社に行きました。電車日本一周の旅では戦争にまつわる場所に足を運びます。毎年夏になると各地で戦没者らを追悼する行事が行われますが、2015年の今年は戦後70周年の年となります。

例年にも増して平和を願う行事がニュースになるでしょうが、旅をしている最中に素通りできるものではありません。仕事に追われている忙しい日々のなかでは、戦争について考えることはほとんどありませんが、仕事がなく旅をしている時くらいは、戦争について自分なりに考えてみるべきではないかと思います。今回の旅は戦争について考えることがメインではありませんが、戦争にまつわる場所に数か所行くので、旅の前に東京にある戦争に関わる施設に足を運びました。

今回足を運ぶのは、靖国神社と千鳥ヶ淵墓地、そして平和記念展示資料館です。

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靖国神社

市ヶ谷駅から降りて靖国神社に向かいます。

南門。市ヶ谷駅から行く場合はこちらから境内に入るのが近いです。

第一鳥居(大鳥居)

奥に大村益次郎の像があり、さらに奥に第二鳥居があります。

中鳥居と拝殿

靖国神社
戊辰戦争からアジア太平洋戦争まで、政府側として戦死した軍人・軍属が祀られています。「政府側」ですので、戊辰戦争の時の薩長と対峙した軍人は祀られていません。

何かとニュースでよく取り上げられる靖国神社に訪れたのは初めてですが、想像していたよりも広い境内に驚きます。蝉の声が聞こえる真夏日ですが、日陰は涼しく感じます。

遊就館(ゆうしゅうかん)

神社の敷地内にある施設です。靖国神社に鎮まる英霊の遺書や遺品が収蔵・展示されています。

入場料の800円を払い中に入ります。

出入口の近くに写真撮影可の零戦があります。

1階と2階に展示物があり、1階は太平洋戦争(大東亜戦争)に関する展示です。
※戦争の呼び名については、自分の考えがまとまらないので「太平洋戦争(大東亜戦争)」としておきます。大東亜戦争、太平洋戦争、アジア・太平洋戦争、先の大戦と、戦争のとらえ方で呼び名が変わりますが、勉強不足でどう呼ぶべきか考えがまとまっていません。

2階は明治維新以降の歴史が展示されています。2階から展示物を見て1階に降りていくのが、拝観順路です。太平洋戦争(大東亜戦争)の展示だけかと思っていましたが、古いものだと日本の国の成り立ちの展示があり、その膨大な量に驚きました。明治維新に西南戦争、日清戦争や日露戦争についても展示があります。

太平洋戦争(大東亜戦争)の展示では、厳しい戦況のなか戦地に行き散っていった兵士たちの写真や遺書が展示されています。特攻で亡くなった兵士の、残された家族の手紙もあります。解説や遺書の中には、考えさせられる言葉が沢山ありました。自然と胸が締めつけられる展示でした。

展示の中にはヘルメットがありましたが、鉄製とはいえ厚さが1mm程度でした。ペラペラなものです。よっぽど飯盒や水筒の方が、アルミ製とはいえ、厚みがあります。戦車や大砲を装備していた相手に比べて、いかに悲惨な装備だったか分かります。

展示の内容については、さまざまな意見があるかと思います。戦争を肯定している、美化しているという意見があるでしょうし、それが事実だという意見もあるでしょう。どう考えるにしても、自分の目で展示を見てみて、考えることは大切だと思います。

そして国にとって戦争が何だったのかだけでなく、国民にとって戦争はどういったものだったのかも、自分なりに考えることが大事だと思います。若い多くの兵士が犠牲になったという事実を知っておくべきですし、忘れないようにすべきです。

靖国神社を出た後は、千鳥ヶ淵戦没者墓地へ行きます。靖国神社から歩いて10分もかからない距離です。

この辺りは桜の名所として知られています。

千鳥ヶ淵戦没者墓地

無名戦没者の墓として、遺族に引き渡すことができなかった遺骨を安置している、戦没者慰霊施設です。国外で亡くなった兵士や民間人の遺骨のうち、身元不明や引き取り手のない遺骨が安置されています。

献花台があり、100円払って献花できます。献花台の近くに屋根のある涼しめる休憩所があります。こんな場所が東京にあったことを初めて知りました。

この辺で働いているのでしょうか、スーツ姿の人が何人か弁当を広げたり昼寝をしているのには、違和感を感じました。場所が場所だけに穴場なのでしょうか。

新宿平和記念展示資料館

千鳥ヶ淵戦没者墓地の後は、新宿にある戦争に関する資料館へ行きます。ここは無料で入ることができます。写真を撮り忘れました。

太平洋戦争(大東亜戦争)における恩給欠格者やシベリア抑留者、満州引揚者の労苦についての展示資料館です。

ここでは、戦争に従事した兵士や、戦後に強制抑留をした兵士、そして敗戦により外地から引き揚げてきた人たちの資料を観ることができます。戦争に従事した兵士については、家族を残し危険な戦地で命がけのことをしたのにも関わらず、軍歴期間が短いという理由で年金や恩給を受けられない人がいたということを、知りました。

強制抑留については、シベリア抑留での生活が展示されています。凍土という過酷な自然環境のなかでの、課せられた労働や配給された食事の量などを目で見ることができます。極寒のなか危険のある重労働を課せられ、少ない食事を食べ、風呂に入ることもめったになく、寝床は汚くて虫がいて体がかゆくなり、そして日々人が過労や栄養失調や病気で死んでいく。

戦後長い間苦しんだ人たちがいたことを、伝えている場所でした。

今日は戦争にまつわる場所に出かけましたが、いろいろと考える1日でした。国外の戦地のことだけでなく、国内の様子(疎開や物資不足、軍需工場での労働など)も、自分なりに調べてみたいと思いました。

さて、明日からいよいよ長旅が始まります。バックパッカーのように大きなリュックを背負って日本の各地を訪れます。

旅前の心境ですが、正直な感覚は憂鬱です。ワクワクしたりドキドキしたりといった気持ちよりも、不安の方が大きいです。したことのないことをするので、不安になるのも当然ですが、せっかくの機会ですので、いろいろと見て回ろうと思います。

次回の記事:【旅1日目】東京から愛知岡崎へ 登呂遺跡と浜松城

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