東海館
熱海駅の起雲閣を見た後は、熱海駅から電車に乗り伊東駅へ向かいます。
電車に20分ほど乗り、11時半過ぎに伊東駅に到着します。
伊東も温泉が有名な街です。ここから歩いて東海館に向かいます。
10分もかかりません。昭和の頃の喫茶店もあります。
そして東海館にやって来ました。
隣の建物には雑貨やちょっとしたお土産が売っています。
そして奥に進むと
東海館です。
東海館
昭和3年に庶民の温泉宿として開業した建物。当時の職人たちが腕をふるった自慢の建物で、桧や杉などの高級な木材や変木とよばれる形の変わった木々をふんだんに用いた美しい和風建築。廊下や階段、客間の入り口など、館内随所に職人たちの手工を凝らした建築美を見ることができる。当時は多くの人に親しまれ大いに賑わったこの建物は、今では貴重となった伝統的な日本建築様式を楽しめる施設となっている。
K’s Houseというのは外国人向けのホテルです。
中に入ります。見学料は200円。
靴を脱いで上がります。向かいには鰻屋がありますが人気のあるお店のようで、ずっと人が並んでいました。
入って左(写真では右手)に受付があり、500円だったか、別料金を払えば温泉にも入れます。土日に限り日帰り入浴を受け付けています。テルマエ・ロマエの漫画か映画に使われた場所としても知られているようで、中には床から壁まで総タイル張りの大浴場があり、彫刻家・森田東光作の黒錆色の唐獅子の湯口があります。最初は温泉に浸かる予定でしたが、先の來宮神社と起雲閣で時間が押してしまったので断念しました。
2階に上がります。
中に入ると、こうした昔の雰囲気の部屋を見ることができます。
1階~3階まで部屋や大広間、展示室などがあり、その上に展望台のような場所があります。
なんか夏って感じがしていいです。
1928年(昭和3年)に伊東町で材木商を営んでいた稲葉安太郎によって、温泉旅館の東海館が創業しました。1938年(昭和13年)には国鉄伊東線が開通し、それまでの湯治客に加えさらに宿泊客が増えたため、何度か建物の増築を重ねているそうです。
1997年(平成9年)まで温泉旅館としての営業していたようで、その後は伊東市に寄贈され1999年(平成11年)3月30日には伊東市指定有形文化財に指定されました。
1999年から2001年にかけて保存改修工事を行い、2001年7月26日に伊東市の文化施設として「東海館」が開館しましたが、改修工事には約3億円かかったそうです。
当時の職人の手工を凝らした美しい和風建築を楽しめます。
火鉢でしょうか、陶器製で雰囲気があります。
ガラス戸や木の枠組みなど、普段は見れないものなので新鮮で見ていて飽きません。
3階に上がってきました。
客室から松や川、対岸の柳を見下ろせるいい景色を楽しめます。
大広間
宴会場でしょうか
客室の所々に展示パネルがあり、伊東の歴史や幕末の開港時の下田の説明があります。ゆっくり見たかったのですが、時間がないので泣く泣く通り過ぎました。
南部鉄器と思われる薬缶(やかん)。何とも落ち着く部屋です。
廊下に出て上の階の展望台に行きます。
1949年(昭和24年)に建設された望楼。
当時は周辺に高層の建物がなく、ここから天城山がよく見えたらしいです。
建物から川の対岸を見ていたら、川岸から東海館の写真を撮っている人が沢山いたので、そっちに行ってみます。
下から見ても趣があっていいですね。
それにしてもこんなに大きな木造の外観の建物も珍しいのではないでしょうか。
さて、対岸に渡り東海館を見てみます。
柳がこれまたいいですね。
先ほどの望楼(展望台)
そして東海館の建物
東海館も予想以上に素晴らしい場所でした。
この道を真っ直ぐ進むと海に出て、なぎさ公園や伊東オレンジビーチがあります。役は反対側になります。
帰りは商店街のある通りを歩いて戻ります。
土曜なのにシャッターが閉まっていて残念に思います。いい場所だと思うのですが。
駅の近くの道は営業しているお店が多いです。
美味しそうなカフェ
海鮮系の食事処がこの辺りでは人気のようです。
伊東駅に戻り、12:47の電車で今晩の宿のある片瀬白田駅に向かいます。
伊東駅→片瀬白田駅
伊東駅からは伊豆急行に乗って移動します。青春18きっぷは使えません。
いい感じの列車が来たのでテンションが上がりましたが、よくよく考えてみたら運賃は伊東から片瀬白田駅まで9つ離れた駅で1,111円(乗車時間は45分。2021年10月時点)もします。
でも座り心地はいいのでよしとしましょう。
伊豆高原駅。大室山がある場所です。明日彼女と合流するまで時間があるので行ってみたいと思います(これが大失敗でしたが…)。
進行方向の伊豆急下田に向かって左手の車窓からは綺麗な海が見れます。伊東駅を出てから伊豆大川駅までは海が時々見えても灰色でいまいちでしたが、伊豆大川駅の辺りから青い海が見れるようになります。
たまにトンネルに入って
また海が見え
伊豆熱川駅に着きました。この時は知らなかったのですが、熱川温泉がある街です。江戸城を築城した太田道灌が発見し、傷を癒した伊豆熱川温泉は太田道灌ゆかりの温泉地として知られているようです。温泉櫓というものが建っていて、地中深くから噴出する白い湯気が見える場所なのだそうです。源泉の温度は約100℃と高温のようです。
そして伊豆熱川駅の隣の片瀬白田駅に着きました。
駅のホームから海が見えます。
翌日ここでドラマか映画の撮影をしていました。
改札に向かいます。
駅は小さな駅です。この時は駅員さんがいましたが、2021年に無人化したようです。
今晩泊まる宿は駅から歩いて5分ほどですが、時間があるので海岸に寄ってみます。
海岸にやって来ました。
素晴らしい景色です。
堤防のコンクリートに腰を掛けて潮風に当たると気持ちよさが増します。
遊歩道の陸側には松の木が植えられていますが、これは防風林ならぬ、海防林なのだとか。明治中期に幕府によって造られたものらしく、村での軍備の様子などが海上の外国船から見えないように松の木が植えられたそうです。
また、この通りを駅の方に向かうと、はりつけの松という大きな松があり、地元では有名らしいです。寛政5年に老中松平定信が異国船に対する護衛と海岸防備をかねて植えさせた松ですが、江戸時代中期、この松で処刑された村人がいるためそう名付けられています。片瀬と奈良本という2つの村が常に格式や家柄を誇って競い合い喧嘩が絶えなかった時、弥之助という男が寺にある籍を焼いてしまえばそのようないさかいがなくなると思い、寺に火をつけて焼いてしまったのです。そして弥之助は捕えられ、この松で処刑されたのだそうです。
駅の方まで歩いたので目にしたはずですが、気にならなかったのか気持ち悪かったのか分かりませんが、写真を撮りませんでした。
海岸で30分ほどのんびりしてから、今晩の宿に向かいます。
海から3分もかかりません。
片瀬白田駅の民宿 浜っ子
宿泊するのは民宿 浜っ子。片瀬白田駅から数分の場所にあります。チェックインが14時、チェックアウトが11時とゆっくりでき、温泉にも浸かれます。
14時お邪魔すると、見るからに人の好さそうな、笑顔の素敵なおばあちゃんが迎えてくれました。
客室は2階の和室です。部屋はタバコのヤニで壁が黄ばんでいますが、タバコ臭くはないので気になりません。むしろ個人的には歴史を感じられていいくらいです。部屋の鍵もなく、昔ながらの民宿です。
ひとつだけ残念だったのが、WiFiが飛んでないことだけです。ネットは繋がります。
部屋に用意されていたのはタオル1枚、歯磨きセット、浴衣とシーツ。ひげ剃りやドライヤーはありません。タオルは洗面用サイズになりますが、足りない分は言えばかしてくれます。
貴重品ボックスも部屋にないので、食事やお風呂、トイレに行く時は携帯するか、女将さんに預けるのがいいのかと。
お風呂は二ヵ所あり、空いている方を使えます。蛇口から温泉が出ます。片方は熱めでもう片方は温めでした。ぬる湯好きの自分としては、最高の湯加減でした。水を足して好きな温度にできますし、いい湯に浸かれます。
舐めるとしょっぱい、塩っ気のあるお湯でした。
ひとっ風呂浴びた後は、また海を見に行きます。
8月の終わりでしたが暑くなく、心地いい風が吹き、なんとも気持ちのいい場所でした。
海だと風が強かったり陽の光が強かったりして、あまりゆっくりできないことが多いですが、今回は天候にも恵まれのんびり過ごすことができました。
散歩できる道があり、ベンチもあり、夏休みに最高の場所です。
歩道が整備されていますが、海辺に降りることはできません。
夕暮れの散歩を楽しんで宿に戻り夕飯を食べます。
18時に1階の部屋で夕飯をいただきます。個室でした。
地元の海の幸を味わえる料理です。
温かい出来立てが運ばれる訳ではありませんが、とにかく美味しかったです。
鮮魚店直営の宿というだけあり、お魚の鮮度は抜群です。
魚以外のサラダや煮物、お新香なども味付けが良かったです。素朴だけど深みのある味です。
煮物はダシが利いているのでしょうか、なすとこんにゃくが特に絶品でした。
サラダは野菜が新鮮で、ドレッシングがオイルと塩とペッパーというシンプルな味付けなのにこれが驚くくらい美味しかったです。
サラダの底には焼き魚が。
量も多すぎず、美味しい夕飯を楽しめました。
夕食の後も海に行きます。
ぬる湯に浸かっているときみたいに、いろいろと考え事ができます。
波の音はいいものですね。
宿に戻ってこの日は終了です。WiFiは繋がりませんが、おかげでスマホを触らず過ごすことができました。静かな場所で、こういう所で一人合宿をするのもいいかと思います。
対応してくれた宿のおばあちゃんも人柄の良さが滲み出ていて、こんな風に年を取りたいなと思いました。
コロナが落ち着いたら、また一泊しに行こうと思っていたのですが、この記事を書いている2021年10月に民宿を調べてみたら閉業していました。とても残念です。
コメント