東京府中大國魂神社の酉の市

東京都

11月13日、東京の府中にある大國魂神社の酉の市に行ってみました。府中の大國魂神社では、毎年11月に酉の市が行われ、浅草の鷲神社と新宿の花園神社とともに「関東三大酉の市」と呼ばれています。今回は大國魂神社と酉の市について紹介したいと思います。

この日は一人合宿のため府中本町駅の東横インに宿泊していました。朝テレビのニュースで府中大國魂神社の酉の市が紹介されたようで、知人からやっていることを教えてもらい、散歩がてら少し覗いてみることにしました。

府中大國魂神社は、京王線府中駅から徒歩5分ほどの距離にある武蔵国の総社です。武蔵国は現在の東京都、神奈川県、埼玉県の地域を指すので、大國魂神社はこの広い地域の氏神様となります。正月含め毎年多くの参拝客が関東から訪れ、東京五社の一社としても知られています。

東京五社は明治神宮、靖国神社、日枝神社、東京大神宮、大國魂神社をいいます。明治神宮・靖国神社・東京大神宮は明治期の創建、日枝神社は室町期の創建となり、大國魂神社は景行天皇41年とされ、西暦で表すと4世紀とされています。五社の中でも群を抜いて創建が古い神社です。

さて大國魂神社の境内に入ると、賑やかな光景が目に入ります。盆踊りのようなに賑やかさです。

参道には光り輝く提灯に食べものの屋台、そして熊手の屋台が並びます。

酉の市について説明します。

酉の市とは、大鷲(おおとり)神社の祭礼で11月の酉の日に行われるお祭りです。酉の日とは十二支の酉にあたる日で、12日ごとに巡ってきます。2018年は11月1日と13日、25日が酉の日となりました。最初の酉の日を「一の酉」、次の酉の日を「二の酉」といい、例年11月に2回行われますが、年によっては「三の酉」がある年もあります。「三の酉がある年は、火事が多い。」という俗信があるのだとか。

大鷲(おおとり)神社では、かつては武運長久の神として武士の間で篤く信仰されていましたが、それが庶民の間で開運の神様として信仰を集めるようになりました。大國魂神社には大鷲神社も祀っているので、毎年11月になると酉の市が行われているのです。

酉の市は江戸時代から始まったようで、その起源は諸説ありますが、東京都足立区にある大鷲 (おおとり) 神社で始まった秋の収穫祭が発祥だと言われています。それが次第に来年の商売繁盛や開運招福を願うお祭りへと変化していったようです。

酉の市といえば『熊手』です。縁起熊手といい、開運招福、商売繁盛を願い、例年これを求めに多くの人が神社に訪れます。

熊手はもともと市の一角で農具として売られていましたが、いつの間にか縁起物として担がれるようになったのだそうです。その形が、鷲が獲物を掴んでいる形に似ていることから「福を掴んで離さない」とされ、また落ち葉などを集めることから「福をかき集める」とされ、縁起がいいものとして浸透していったようなのです。

熊手の屋台を過ぎると、食べものの屋台が並びます。

夜の屋台もいいものです。

境内の一角に神楽殿があり、そこでは神楽が行われていました。

境内を先に進みます。

拝殿の近くでも熊手の屋台が並んでいます。

豪華な飾りです。

熊手にはいろいろな縁起ものが取り付けられていますが、多いのが「おかめ」のお面です。おかめは「お多福 (おたふく) 」とも呼ばれ、福を多く招く女性のことです。

他にも鯛や千両箱、亀など、さまざまな縁起物が飾り付けられています。蕪 (かぶ)は「根が増える」「株分け」などの意味があり、枡は「ますます繁盛」の意味があるのだそうです。巾着はお財布を意味しお金がたくさん入るようにとの願いが込められ、七福神も指物の定番です。

その他にも、小判や米俵、神輿や風神雷神など、いろいろな指物もあります。ちなみに、木の飾りは「木 (ぼく) 」と呼ばれるもので、梅の花が咲いた木なのだそうです。

屋台の人とどれがいいか話して決めて購入したら、三本締めが始まります。

屋台の人が大きな声で「は~い皆さまお手を拝借~、○○様、家内安全、商売繫盛~!!、いよぉ~っお!」と言うと、パパパン、パパパン、パパパンパンと元気に一本締めが3回行われます。

最後に参道の人も拍手をして、買った人に熊手が渡されます。

見たところ個人がが買っている様子はなく、会社の人が経費で買っているように見受けれました。三本締めの時に言う「○○様」も会社名が多かったので、会社に飾るために買っているようです。それにしてもいい値段します。大きなものだと10万くらいでしょうか。

会社用でなくても個人用の熊手も売っていました。

境内はいい雰囲気です。

三本締めが始まるとその周辺では参道の見物人も手を叩き賑やかになります。

購入者と屋台の人だけでなく、近くの人も拍手をして商売繫盛を祈願しているようで、いい雰囲気でした。

神社によってはかけ声が違ったり、境内の雰囲気もまた違うのかもしれません。

浅草や新宿の酉の市にも行っみたいものです。

先ほど神楽が行われていた神楽殿の隣には菊の展示がありました。

神社やお寺でこういう光景を目にすることがありますが、これは何なのでしょうか気になります。菊祭り(菊花展とも)は毎年10月~11月の菊の見頃に行われますが、どのようなものなのいまいち分かりません。

園芸ブームが起きた江戸時代からの名残なのでしょうか。機会があれば調べてみたいと思います。この菊もいい値段がしそうです。買うとすれば幾らくらいするのでしょうか。

境内の各所に飾られている熊手

神社で熊手を売る各屋台が神社に納めているように見えます。近くで見ると立派な作りで、商売繁盛のご利益がありです。年末年始の正月飾りのように、こうした縁起ものは専門の職人さんが手作りで作っているのだそうです。

もう一方の出口に着いたので、ホテルに戻ります。

短い時間でしたが、いい散歩でした。夜の神社も風情があっていいものです。そんなこんなで以上、府中の大國魂神社の酉の市でした。

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