高知駅近くのネットカフェで朝を迎えます。旅17日目は徳島県に戻り大歩危峡を散歩して、高知県の大杉駅で日本一の大杉のある神社に行き、また高知駅に戻ってきて昨日と同じネットカフェに連泊します。今回は大歩危小歩危峡と日本一の大杉、限界集落大豊町を紹介します。
それでは本日の行程です。
17日目の行程
5:40高知駅発
7:30小歩危(こぼけ)駅着
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大歩危(おおぼけ)峡散策
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10:05大歩危駅発
10:30大杉駅着
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11:00大杉のある八坂神社に参拝
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12:58大杉駅発
14:07高知駅着
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18:00高知駅の近くにあるネットカフェに連泊
ネットカフェで3時半に起きてシャワーを借りようとしますが、すでに7人待ちと言われ断念します。
よさこい祭りとかぶってしまい、予想通り宿泊客が多い状態です。昨日はほとんど電車で移動しただけで、それほど汗をかいていないので、体を軽く拭くだけで我慢します。寝床があっただけでもよかったです。
5時前にネットカフェを出て、高知駅に向かいます。
夜明けぜよ
ネットカフェの洗面台が詰まっていて歯も磨けなかったので、駅のトイレを借りて歯を磨いたり顔を洗います。和歌山駅に続き2回目です。ホームレスみたいで少し抵抗がありますが、これも今回の旅の一部です。
朝焼けの綺麗な景色
始発で徳島の阿波池田駅に向かう電車に乗ります。ここから1時間50分、山間の道を走ります。
大歩危小歩危を散歩した後で立ち寄る予定の駅です。日本一と言われる大杉があります。
ここも帰りに立ち寄る駅です。一旦徳島駅寄りの小歩危駅まで電車で行き、そこから大歩危峡を観ながら大歩危駅まで歩いて戻る予定です。
7時半頃に小歩危駅に到着します。
ここから大歩危峡を観ながら、大歩危駅まで歩きます。
駅の近くにある市道に架かった橋。
かずら橋には行かないので、渡ってみたい気持ちがありますが止めておきます。
小歩危峡
大歩危峡の下流3kmを小歩危峡といいます。四国山地を横切る吉野川の激流で削られた8kmの渓谷を大歩危峡といいますが、その下流が小歩危峡です。
川が浅くなると水が透き通っているのが分かり、綺麗な水だと分かります。
岩肌とのコントラストも美しいです。
大歩危・小歩危の「ぼけ」は、断崖を意味する古語「ほき(ほけ)」から付けられたという説と、「大股で歩くと危ないから大歩危」、「小股で歩いても危ないから小歩危」という説があるようです。
まさに秘境
大歩危峡
大歩危峡に入りました。
昨日徳島から高知に向かう途中に通った橋
段々暑くなってきましたが、景色が素晴らしいので歩くのが苦痛ではありません。
途中、食事処とお土産屋が
モンベルのお店もあります。カヌーボートやそれに関連するものが売っているようです。
コンビニでおにぎりを買って朝食にします。
道端に座りおにぎりを食べていると、ここの定食屋で働いている方と挨拶したのがきっかけで、話すことになりました。何でも東京に知り合いがいて、何度か東京に来ているそうで。70過ぎの男性の方でしたが、話し方も歩く様子も元気そのものです。ちょっと酒臭かったですが…。適度に体を動かすのが好きだとおっしゃっていて、定年過ぎても旅館と定食屋の2カ所で働いてる方でした。元気な人と話して、おかげでこっちも元気になりました。
立ち止まっては素晴らしい景色を眺め、写真を撮っては歩き出し、また立ち止まっては景色を…を繰り返します。
こういった場所でカヌーをするのでしょうか。
遊覧船。上流に向かって移動しているので、船子屋から乗場に向かっているのでしょう。
旅の予定を立てていた時は、わざわざ乗るまでもないだろうと思っていましたが、こうも素晴らしい景色を目の当たりにすると、乗るべきだったなと思います。
大歩危峡になってから、次第に散乱していた岩の塊が大きくなり高さもでてきて、川も深くなってきました。
大歩危の地域は、平家の落人伝説の伝わる秘境の地としても知られています。
上流に向かって左手(写真の左側になりますが)の方の山に閉ざされた場所に集落があり、そこが平家が逃れてきた場所として知られています。
落合集落という場所が、今でも景観が割と残っていて観光地として知られているのですが、あまりに遠いので行くことができません。高低差390mある山の斜面を切り開いた場所に家が数軒間を空けて建っている場所があります。
そういった秘境の地には何でか興味を持ってしまいます。との土地の人たちはどんな暮らしをしているのだろうかと。
日本の国土の3分の2は山地で日本は山国だと言われますが、その中でも特に四国山地は険しいことで知られています。
歩道を歩くだけも、山の険しさや生活が困難なことが予測できます。
川が綺麗で素晴らしい景色ですが、大雨の時には岩肌が見えている白い部分の所まで増水するのでしょう。山地ならではの自然の強さが感じられます。
途中看板が。この辺りが一番岩肌の露出がいい場所だと書かれています。
舟下り場が見えてきました。
道の駅へ。残念ながらまだ開いていません。
展望台のような場所に上がると大歩危峡を見渡せます。
大歩危駅へもあと20分くらいの距離になりました。
橋を渡ると大歩危駅です。
橋からの眺め。奥に集落が見えます。
手前の駅のホームの奥にも、集落があります。
落合集落もこんな感じの斜面に建っているのでしょう。
反対側にも山の斜面に家があります。この地域の人たちはどういう生活を送っているのでしょうか。生活が気になります。
何だかんだ2時間半も散策してしまいました。
大歩危駅周辺
かずら橋へのバスも出ています。旅の後から知りましたが、落合集落にもここから行けるようです(ただし1日4便のみ)。
ここから電車で大杉駅に向かいます。
25分ほど電車に乗り、大杉駅で降ります。
大豊町
高知県の大豊町は限界集落として知られています。限界集落というのは、人口の50%以上が65歳の高齢者になっている地域のことをいいます。
この土地特有の名産に碁石茶と銀不老があります。
碁石茶は日本に4つしかない後発酵茶という珍しいお茶です(旅の数年後に飲んでみました。興味があればこちらを見てみてください)。銀不老とは艶のある黒い豆ですが、基本的にはこの地域で消費されるもので、なかなか出回らないものです。
さて、日本一の大杉までは徒歩1キロ、15分ほど歩きます。
崖屋造りというのでしょうか。
歩道の整備された歩きやすい道です。
浅い川には釣り人が数人います。
澄んだ綺麗な川です。
坂を上ると見晴らしが良くなっていきます。
日本一の大杉
大杉駅から歩くこと約15分、八坂神社に到着です。通常神社では境内に入る時にお金を払いませんが、大杉の維持料として200円払います。平日だからか、御朱印はいただけませんでした。
八坂神社は須佐之男命(すさのおみこと)を祀っている神社らしいです。
龍とも関係があるようです。
拝殿
巻龍の彫刻
昭和27年の改築の際に、徳島県大歩危の彫刻家が彫ったものだそうです。
拝殿の隣には大杉が立ち、その周りを歩くことができます。
人と比べると、どれほど大きいのか分かります。
日本一の大杉として知られており、樹齢3000年と言われています。最古の昔に須佐之男命(すさのおみこと)が植えられたと伝えられています。この大杉は、それぞれに南大杉、北大杉と呼ばれる二株の大杉からなっており、二株が根元で一緒になっていることから、夫婦杉とも呼ばれています。
南大杉は根元の周囲が約20m、樹高が約60mで、北大杉は根元の周囲が約16.5m、樹高が約57mあるようです。
いい空気の中にいると、癒されます。
せっかくなので、近くの美空ひばりの歌碑のある場所へも行ってみます。
美空ひばりのゆかりの地として、遺影碑と歌碑があります。9歳の頃に大杉付近でバスの転落事故に遭い九死に一生を得た美空ひばりが、一ヵ月半の療養後に日本一の歌手になれるよう、大杉に願った場所のようです。
遠くから見る大杉
見晴らしのいい場所です。
土砂崩れの跡が見えます。自然災害と常に隣り合わせで生活している人もいるのですね。
大杉で綺麗な空気を吸ってからは、神社を降りた所にある道の駅でご飯にします。
地元のものということで、立川(たじかわ)蕎麦というものを頼んでみます。ご飯とセットで710円、単品だと500円です。
十割の短い太い麺です。普通の蕎麦よりも色が濃く、太めで、繋ぎを使っていないので、ぼそぼそとした食感です。十割と言っても蕎麦の香りはせず、味は良く分からず、つゆも普通でした。
ご飯のついでに、碁石茶(ごいしちゃ)というものをお土産にかいました。大豊町でしか作られないものらしく珍しそうなので、興味を持ちました。正方形に圧縮されて碁石のような、見たことのないお茶なのですが、味も分からないことですし碁石の形のものは高かったので、ティーバッグのにしました。碁石茶についてはこちら。
帰りに川に寄り、のんびりします。
こんなに綺麗で魚が泳いでている川を見るのを、何年ぶりでしょうか。東京にいると、まず見れない長閑で静かな場所です。
防水のスマホケースを使っているので、中を見てみます。
左に小魚が
奥にも
流れのある所。渓流みたいです。
山を登って上流まで行けば澄んだ川(というより渓流)はありますが、川の流れが穏やかで、こんなに綺麗な川は、東京ではまず見れないでしょう。ウグイやヨシノボリも久々に見ました。
2時間の滞在時間もあっという間に過ぎ、駅に戻って電車を待ちます。
朝の大歩危峡の散歩もしかり、今日は長閑な場所でぼんやり過ごしています。大杉駅は典型的な田舎の駅で、時間が緩やかに流れています。駅にはちょっとした雑貨屋が併設しているのですが、駅員さんが食料品を買いに来た地元の人を相手しています。
タクシーの運転手さんは、電車が来ても利用者がいないと次の電車が来るまですることがないので、運転席で寝て待っています。
夏休みに里帰りしたような、田舎の光景がここにはあり、何だか自分もぼんやりとしてしまいます。
13時前の電車で高知駅に戻ります。
よさこい祭り
大杉駅から高知駅に戻ってきました。
今日もよさこい祭りで、駅周辺は混んでいます。
よさこい祭りは、1954年に戦後の不景気を吹き飛ばし市民を元気づけようと、高知で始まった祭りです。特徴としては、鳴子(なるこ)を鳴らし、曲のどこかに「よさこい鳴子踊り」のフレーズを入れて前進して踊るもののようです。
意外にも歴史は古くはなく、驚きました。阿波踊りは400年前からと言われ、同じような歴史の長さかと思っていました。中国の昔の服を着ているグループもあり、沖縄や長崎のようなお祭りに近い感じもしました。グループによって音楽も踊りもさまざまです。音楽も踊り方も自由で、いろいろなアレンジができるのが、魅力なのでしょう。
「そいやさ、ハッ、ハッ」とか「そいや×4、ハッ×4」と祭り用のトラックから大音量で流れています。せっかくだから見てみようと思いますが、とにかく大音量です。朝から静かな自然のなかで長閑に過ごしていたので、ギャップに戸惑いコーヒーを飲みに行きます。
あとは予定がなく、夕方にファミレスで食事をして、早くネットカフェに入店して、今日の予定は終了です。今日もよさこい祭りがあり人が多いので、早めにネットカフェに行って寝床を確保して、シャワーを浴びます。昨日と同じ場所の、ファンキータイム追手筋店で一泊です。
夕暮れぜよ
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