台風直撃で予定を変更
2018年9月の始め、仕事の夏休みを利用して4泊5日の一人旅をしました。青春18きっぷを使って、1日目は長野木曽路の奈良井宿と福島宿を散策しながら京都へ移動し、2日目に伊根の舟屋に泊まり、3日目に静岡に戻るという割とハードなスケジュールで旅を強行する予定でしたが、台風により初日から予定が破綻しました。
初日は、あの関西国際空港を水没させた台風21号に遭い、岐阜県の大垣駅で足止めをくらいました。2日は何とか電車が動いたので、予定を変更して滋賀県長浜の民宿に泊まり、3日目は予定通り静岡に戻り旅を続けました。
1日目は台風の直撃を受けてしまったので見所はありませんが、おかげで大垣という地について少し知ることができました。楽しみにしていた伊根に行くことができませんでしたが、代わりにいい体験ができたので楽しい一人旅となりました。
新宿駅から大垣駅へ
5時半過ぎの電車で新宿駅を出発して京都駅に向かいます。朝の時点の予報では、大型台風が大阪に上陸し琵琶湖を通って石川の方に通過すると警報が出ています。11時には大阪に上陸するとの予報で、京都に無事辿り着くのか不明です。
例年台風の注意喚起がされるも大した被害になることが少なく、2014年に和歌山県と三重県で大きな被害があった時以来、大きな台風が来た記憶がなく、半分他人事のような気もしない訳ではありません。状況が分かりませんし、途中で進路が反れる可能性もあるので、とりあえず行ける所まで行こうということで京都に向かいます。
当初の予定でだった木曽路は、台風が来れば電車が止まる可能性が大きいので、さすがに行くのを断念します。
さて、6:16の電車で品川駅で乗り換えて静岡方面に向かいます。
平塚駅、国府津駅と過ぎ、根府川駅から海が見えますが、雨が次第に強まってきます。8時前の時点で、大垣-米原間、米原-京都間、米原-長浜間は電車が運休しているようで、行けても米原駅までとなり早くも予定の修正を迫られることになります。
8:02の電車で熱海駅を出発
12時から浜松-豊橋間が運転見合せになると車内でアナウンスが流れます。台風のスピードによっては早まる可能性もあると。行けて豊橋駅までになります。豊橋に行けば静岡方面に戻ってこれません。豊橋駅の宿泊地を調べるとネットカフェが2軒とビジホが数軒あるので、このまま名古屋方面に向かうことにします。
この時点で、御殿場線、身延線は終日運休となりました。長野の塩尻-中津川間の電車は12時で運行終了です。雨脚は次第に強まり、車内は一部雨漏りしています。
それでもやはりどこか他人事です。普段なら今頃働いているとかと思うと、電車に乗って座っているだけで開放感があり、幸せに感じてしまうのです。
10:44の電車で浜松駅から豊橋行の電車に乗り11:17に豊橋駅に着きますが、名古屋方面の電車はまだあります。名古屋か大垣までは行けそうなので、11:20の電車に乗って豊橋駅から大垣駅に向かいます。
車内はがらがらです。快速大垣行の電車に乗りましたが、名古屋駅までは各駅に臨時停車することになります。雨はそれほど降ってはいませんが、風はかなり吹いていています。
予定よりも15分遅れて12:30に名古屋駅に到着です。
名古屋で降りれば宿泊地には困りませんが、大垣駅にもネットカフェが3軒とビジホが数軒あるので、悩みましたが大垣まで行くことにします。台風が去り翌日京都の伊根に行くのなら、できるだけ近づいていた方がいいので、大垣まで行くことにしました。
木曽川~岐阜間で強風が吹いており、電車は更に速度を落として運行します。そして13:25頃に大垣駅に到着です。
朝早く出発したおかげで大垣まで来ることができましたが(もう少し遅れていたら、浜松までしか来れませんでした)、台風が通過するまでは上下線共に電車は運休。もう戻れません。
大垣駅で台風の通過を待つ
13時半の時点での台風の予報は、15時に琵琶湖に上陸し、通過して落ち着くのは18時というものです。夕方までどこか屋内で台風が通過するのをやり過ごせばなんとかなりそうです。
電車の運行が再開されれば、京都までは1時間40分で行けるので、19時半に大垣を出ても当初の予定通り21時頃には京都駅に着けます。また、予定が狂った時は長浜の民宿に泊まろうと思っていたのですが、長浜駅には1時間10分くらいで行けます。電車の運行が再開されれば、少なくとも今晩の宿は何とかなりそうです。
駅を出て10m先にある喫茶店に向かおうとしますが、目の前で外に飛び出したおじさんの折り畳み傘が一瞬で折れて、ぐにゃぐにゃになるのを見て、喫茶店を諦めます。
駅の構内にカフェがあるのですが、あいにく改装中です。台風はこれから強くなるので、早く室内に避難するに越したことはありません。18時まで5時間近くも駅の改札口で座り込む訳にもいきませんし。
駅の2階から繋がっている歩道橋を歩けば、アクアウォーク大垣というショッピングモールに辿り着きます。先ほど渡ろうとした時に、向かいから全身びしょびしょに濡れてやって来た人を見たので気乗りはしませんが、仕方がないので歩きます。
歩道橋を渡るとものの数秒で服がずぶ濡れになり、びしょびしょになりました。文字通り頭からつま先まで全身、たった数分でびしょびしょになってしまいました。
モール内のトイレで上だけは着替え、カフェに入って台風が過ぎるのを待ちます。カフェの中は隣の席との仕切りがあり、自習室の個室のようでいい席でした。15時になると外の風の音が聞こえ台風が接近してきましたが、店内放送で外は危険だから店内に留まってくださいとアナウンスが流れたので、おかげでカフェに居座ることができました。
日記を書いたり調べ事や考え事をして過ごしていると、近くの席の年配の女性の方が電話で、誰々の家が浸水しただの停電しているだのと話をしています。
スマホで台風の状況を見てみると、京都駅では改札近くの天井が崩落し、関西空港ではタンカーが橋にぶつかり、滑走路は冠水し空港は閉鎖し、他の場所では浸水・停電が立て続けに起きていて、関西では大変なことになっています。
この様子だと電車の運転再開は恐らくないだろうと思うと、段々不安になり緊迫してきますが、昨日まで働いていたせいか、急に睡魔が襲ってきてうとうとしてしまいました。
17時半前に風の音が収まり台風は通過し、取りあえず駅に向かってみます。
想像通り、電車は運休です。関西が大変な状況なので電車が運行できるような状況ではありません。シャッターも下りています。しばらく新しい情報が出るか待ちますが、なんの変更のないので諦めて漫画喫茶に泊まることにします。
ビジホに泊まろうかと考えたのですが、安くても1万5千円です。
明日の始発から電車が再開すれば早く出発するので、1万5千円は割高です。
お金をケチるべきではないのですが、漫画喫茶を選びました。
大垣駅から徒歩20分くらいの場所にある、ビードリームというお店(2021年現在分閉店しています)に行きました。
雨漏りのする窮屈な漫画喫茶で一泊
入った漫画喫茶にはシャワーがありませんでした。大垣駅周辺に3軒の漫画喫茶がありましたが、どこもシャワーはありません。ズボンと靴下はまだ濡れていて、不快な思いで一晩過ごさねばならなくなりました。
入店して間もなくして、予約していた伊根の舟屋から電話があり、土砂崩れで通行止めになっていてバスが通れないからキャンセルでお願いしますというものでした。伊根湾の方も大変な状況です。
今回の旅で一番楽しみにしていただけに、いろいろな感情が出てきますが仕方がありません。予定を変更して長浜の宿を予約して寝ることにします。お腹は空いているのですが食べる気にもならず、翌朝モーニングの食べ放題があるので何も食べませんでした。めずらしくお酒を飲む気にもなりませんでした。
結果論としては、翌日も昼頃まで電車が動かなかったので、名古屋にいた方が充実した時間が過ごせたのかもしれません。少なくとも足元が濡れてシャワーも浴びず、窮屈な思いをして一晩過ごすことはなかったでしょう。日中もコインロッカーに荷物を預けさえすれば、身軽に博物館や資料館、美術館などで気楽に過ごすことができます。
個人的には大垣で足止めをくらったおかげ、明日はどこに行こうかこの周辺のことを調べていろいろなことを知ることができたので、いい体験でしたが、一人でなく家族連れで移動するのなら、間違いなく大きな都市にいた方がいいんだなと思いました。
行儀が悪くて申し訳ありませんが、背もたれを下ろせるリクライニングシートやマットの部屋が取れず、足を机に乗せたり、机にうつ伏せになったりしながら、寝ることになりました。
店内は雨漏りが酷く、バケツに落ちる水滴の音でろくに寝られず、寝れたと思ったら従業員が部屋を片付ける物音で目が覚めて、寝れない夜となりました。壁に寄りかかったり、足を机に放り投げて椅子の座る所に背中を置いて寝たりと、久々に惨めな思いをすることになりましたが、どこか懐かしさのある、そんな体験でした。
次回に続く
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