今回は、2015年の夏の電車日本一周の旅の動機について書いてみたいと思います。仕事を辞めて旅に出た動機は、子供の頃からの憧れだった、日本をもっと知りたい、健康なうちに旅をしておきたい、後悔したくない、充電したい、視野を広めたい、といったありきたりなものでした。
個人的な事で興味の無い人にとっては退屈なものでしょうし、書くと長くなるので、今回は当たり障りなく短く書きますが、別の機会に書こうと思います。別館の旅エッセイに書く予定ですので、興味を持たれた方はそちらを見てもらえればと思います。別館では日本一周の旅で知ったことや感じたことを、より主観的に書いていますので、よろしれけばそちらも見てみてください。
さて、電車で日本一周の旅をした動機ですが、主に二つの動機がありました。一つは、青春18きっぷで旅をすることが子供の頃からの憧れだったから、もう一つは知識を増やしたかったからです。
一つ目ですが、青春18きっぷで旅をすることは子供の頃からの夢でした。小学生の頃に高校生の人から青春18きっぷで旅をする話を聞いたのですが、その話が子供心をくすぐるものでした。見ず知らずの土地を鈍行列車に揺られてのんびりと旅する話は、まるで冒険のようで好奇心を駆り立てるものでした。
子供の頃は金銭的な理由で、旅行をすることはありませんでしたが、その高校生のお兄さんの話を聞き、いつか自分もお金を稼いで旅に出たいと思いました。電車に乗って急ぐこともなく自由気ままに旅をすることが、金銭的にも精神的にもゆとりのある大人に思え、そんな大人になりたいと思いました。
その時以来、青春18きっぷを使って旅をするのが自分の将来の夢の一つになりましたが、大人になってからはすっかり忘れてしまいました。仕事に追われ日々の疲れも増え、休日はただただ身体を休ませるだけで、旅をするという発想すらありませんでした。
そんな忘れていた子供の頃の夢を思い出したのは、30代の時でした。毎日仕事に追われていたある日、ふと旅に出かけようと思い18きっぷで長野の松本まで行ったのですが、見るもの触れるもの全てが新鮮でした。車窓からは普段では見ることのない山々や田畑を眺め、駅に降りてからは見知らぬ土地をどきどきしながら歩き、お店では普段では食べないような物を食べる。そんな1日は、とても刺激のある充実した1日でした。
この時に、子供の頃に聞いた青春18きっぷの旅が甦り、いろいろな所に行きたいという気持ちが出てきました。
同じ日本でもこんなに違うんだ
数時間都心から離れるだけで、こんなに違う生活があるんだ
と、ただただ感動と衝撃を受けました。身近な所に自分の知らない世界がまだまだ沢山あるんだな、と思いました。同時に、自分は仕事以外のことは何にも知らないただの世間知らずなんだな、とも思いました。
たまにはこうして日帰りの旅をしようとその時に思ったのですが、その後旅をすることはありませんでした。仕事が評価され職位が上がり、責任が増え更に忙しくなり、休めなくなりました。休日出勤はざらにあり、有給や夏休みを取ることもありませんでした。
30半ばになってそんな生活を続けていくうちに、このまま年を取っていくのだろうなと思うようになりました。自分の趣味がなく、仕事以外の楽しみも大してなく、このまま歳をとって定年になってしまうんだろうなと。
青春18きっぷで長野に旅をした時に感じた、自分は世間知らずだという思いも危機感として甦ってきました。
仕事以外のことは自分は何も知らないな
このまま定年になって仕事から離れた時に、自分には何が残るのだろうか
やりがいを見つけて人生を楽しむことができるのだろうか
そんな思いが増してきて、一度リセットというのか、人生を見つめ直したいと思い、仕事を辞めて旅をすることにしました。
仕事人間だったので、仕事に追われることを否定している訳ではありませんし、仕事に熱中し続けられるのなら、それはいい人生だと思います。仕事は後悔しない程度にやったし、十分すぎるほどのいろいろな経験もさせてもらいました。仕事で出会う人達との関わりを含め、濃厚な時間を過ごしすことができました。
しかし同時に、心身共に擦り減ってもいました。体を壊したり鬱になる人が少なくない職場だったので、働き続ければ自分もいつか身体を壊すことが目に見えていました。
ここにいたら遅かれ早かれ自分は潰れる
とはいえ、間をあけずに転職してもまた同じ繰り返しになる可能性がある
どの道、リセットせざるを得ない状況でした。
これが動機の二つ目に繋がります。人生で長旅をする機会は、そうあるものではありません。せっかくの機会だから、何も考えずにのんびりしたり、人生を見つめるのもいいのですが、仕事をしている代わりに沢山別のことを吸収したいとも思いました。
生まれた国のことを知りたい、その土地の歴史や文化を知りたい、知らないことに出会いたい、そんな思いから日本を旅して知識を増やしたいと思うようになりました。
以上が旅の動機です。
そんなこんなで仕事を辞めて旅をしようと決めた訳ですが、スパッと退職することはできませんでした。辞めそびれて旅をするまでには時間がかかりましたが、責任を負っている以上そういうもんだと思います。しかし、退職の機会をなくしたおかげで、旅の内容が変わりました。
当初は自転車で日本を海岸線沿いに走るつもりでしたが、電車で移動して博物館や資料館に行く旅に変更しました。この辺のことは、電車で旅をした理由の項目でふれています。
実際旅をして何か変わるのか
そんな疑問もありましたが、その辺のことも別館で書いていくつもりです。
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