【旅33日目】前半 石川県六勝を兼ね備えた名園 兼六園へ

日本一周

金沢駅から離れたネットカフェで朝を迎えます。旅33日目は兼六園と白川郷・五箇山に行き、富山県の呉羽駅のネットカフェで一泊します。明日は東京に向けて移動するだけの日なので、今日が実質第二弾の旅の最終日となります。今回は兼六園と白川郷、菅沼合掌集落を紹介します。

それでは本日の行程です。

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33日目の行程

7:00兼六園

8:49金沢駅発
9:26高岡駅着

13:10白川郷

15:20菅沼合掌集落

19:05高岡駅発
19:18呉羽駅着

20:00ネットカフェのアプレシオで一泊

6時にネットカフェを退店し金沢駅に向かいます。40分ほど歩き金沢駅のコインロッカーにリュックを預け、更に40分ほど歩いて兼六園に向かいます。

整備された遊歩道を歩きます。

蛍の生息地でしょうか。

兼六園の入り口近くにはお土産屋が並びます。

時間が時間なのでやっていませんが、面白そうなお店ばかりです。

坂を上って小高い丘の上に行くと兼六園に着きます。

兼六園

入場料310円払って中に入ります。

兼六園
水戸偕楽園、岡山後楽園と並ぶ日本三名園の一つです。廻遊式の庭園で建物の中から鑑賞する庭ではなく、土地の広さを最大に活かした池や築山(つきやま)など歩いて全体を遊覧できる庭園です。

桂の木

水道の遺構。犀川(さいがわ)の上流から辰巳用水で園内に水が引かれ、ここから逆サイフォンの原理で金沢城に流れていきます。

逆サイフォンの原理とは、水が高い所から低い所に行ってまた高い所に上がっていく現象です。サイフォンの原理は管が高い所を乗り越えて低い所に通されますが、逆サイフォンは管が低い所を通っていきます。ここから地中の管を通して金沢城に水が流れていくのですが、水は堀の下を通って城の用水路に上がっていきます。この場所は、上流から流れてきた水の砂や泥をこの庭園で落として澄んだ水にする役割もあるようです。

眺望台

曲水

園内には至る所に曲水が張り巡らされています。

霞ヶ池

池に映る空や木々

何とも美しい光景です。

兼六園の由来ですが、宏大・幽邃、人力・蒼古、水泉・眺望の六勝を兼ね備えていることから、兼六園と命名されています。

宏大は幽邃と、人力は蒼古と、水泉は眺望と、それぞれ相反するものです。宏大(こうだい)とは広々として明るく開放的であることとで、幽邃(ゆうすい)とは静寂と奥深さのあるさまです。人力(じんりょく)とは人の手が加わりそのままの自然が失われてしまうことで、蒼古(そうこ)とは古びて深みがあることです。ここでは苔がむしていることを表します。水泉(すいせん)とは池や滝などの水を指します。水が流れるのは、山間や谷底などの低い所なので水と戯れながら遠望を楽しむことはなかなかできませんが、兼六園ではすぐそばに様々な水の競演を楽しみながら、遠くは内灘砂丘や能登半島、眼前には卯辰山から白山、さらに医王山を眺めることができます。そういった相反する景観を調和させ、対照の美を演出している点が、他の庭園にはない兼六園の特徴です。

戦時中、軍用航空機の燃料にするため松脂が採られた跡です。

瓢池(ひさごいけ)

瓢箪(ひょうたん)の形をした池です。

竹根石手水鉢

竹の化石のように見えるため竹根石と名付けられていますが、椰子(やし)の仲間の植物の茎と根の化石で非常に珍しいものです。

奥に見えるのが、以前から見たかったものです。

噴水。これを見たいがためにやってきました。

逆サイフォンの原理で噴き出しています。1861年に造られたのですが、造られた当時のまま稼働しているものの中では最古と言われています。

もうかれこれ5年以上前になりますが、確かディスカバリーチャンネルだったと思いますが、外国のテレビ番組でこれが紹介されたのを記憶しています。水圧を利用して水を高い位置まで引き上げる、この逆サイフォンの原理は「伏越(ふせごし)」といわれ古来から日本で使われていた技法です。電気などの動力のない時代にこのようなものがあったとは驚きます。この噴水は、金沢城内に水を引くために試作したものとされています。

辰巳用水はたった1年で板谷平四郎によって造られたのですが、「加賀の四度飯」といわれた突貫工事でした。昼夜休みなく2交代制で、日に4回飯を食わせて作業を進めたという話が残っています。板屋平四郎は天才技師と呼ばれるほどの人だったようですが、辰巳用水を造った後の消息は不明で、暗殺されたともいわれています。辰巳用水を造る前に金沢で火災があり、防火のために工事すると幕府に届け出をしていたものの、それは建前で実際は城の堀に水を溜めて防御力を高めたり、城内の飲み水を確保するといった、軍事的な目的があったともいわれています。水路に関することは重要機密だったため、それを知っていた板屋平四郎は秘密保持のため殺されたといわれています。

陶器などのお土産屋がありますが、まだ開いていません。

見応えのある素晴らしい庭園でした。兼六園を十分楽しんだ後は、また歩いて40分くらいかけて駅に戻ります。隣に9時から入場できる金沢城があるのですが、まだ閉まっています。

今日はこれから白川郷を見に行くので移動しますが、金沢は1日かけてじっくり歩きたい場所です。お城や武家屋敷の町並みをゆっくり観て、静かな所でいいものを食べるのがいいんだろうなと、つくづく思います。時間の都合上断念しましたが、石川県立博物館にも行ってみたいものです。加賀蒔絵などの大名道具や九谷焼など、人間国宝を中心とする伝統工芸作品がある博物館です。

雰囲気のある町並みでは、ひがし茶屋街が有名です。かつて茶屋街として賑わった町並みが保存された地域で、現在はリノベーションされたお土産や食事処が多数あります。妙立寺(みょうりつじ)という、忍者寺として知られるお寺も有名です。武者隠しのある本堂や隠し階段、落とし穴などの仕掛けのある寺です。完全予約制ですがここも面白いと思います。

近江町市場

金沢駅に戻る途中、市場を通ります。

地元の人や観光客用の市場なのでしょう、開店前の準備中でした。

この近江町市場は、狭い小路を挟んで新鮮な旬の魚介や野菜、果物、精肉、お土産、菓子類、生花、衣類など約170店が並ぶ市場で、地元では「おみちょ」の愛称で親しまれているそうです。

飲食店では寿司や海鮮丼の店、能登牛の串焼きや炙り寿司が食べられる店、カレー、ラーメンなどいろいろなお店があるそうです。

ズワイガニ

1箱11,000円~20,000円の値がついています。

金沢駅の外観

9時になる前に金沢駅を出発して高岡駅に向かいます。JRではないので18きっぷは使えません。私鉄のIRいしかわ鉄道で移動します。

40分ほど電車に乗り(確か運賃は800円)、高岡駅に到着です。バスセンターで白川郷に行くバスのチケットを買う予定でしたが建物が取り壊されていました。

観光案内所で移転先を聞いてみると、バスセンターは駅の階段を降りた所にありました。1階の待合室にある加越能バス乗車券センターで白川郷へのバス乗車券を買います。運賃は片道1800円、往復3600円なのですが、3500円の2日間有効の券がいいということで、五箇山・白川郷フリー切符を買いました。白川郷に行って帰ってくる予定でしたが、フリー切符を使えば白川郷を観た帰りにもう一カ所、世界遺産に登録されている合掌造り集落に寄ることができます。菅沼という集落と相倉という集落の二つがあり、どちらにしようか待合室で考えます。

そんなこんなで、当初の予定では、駅から歩いて10分で行ける瑞龍寺に行くはずでしたが、行くのはやめました。駅の近くにある北庄でうどんを食べて、待合室でバスを待ちます。福井県で食べたのとは味が違い、醤油の効いた甘くて濃いつゆでした。

11時のバスに乗り、白川郷に向かいます。

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