下部温泉散策①甲州名物ほうとうと下部温泉名物冷泉を楽しむ旅

山梨県

2019年9月、山梨県の赤沢宿に1泊2日の旅に出かけました。1日目は下部温泉街を散策して温泉に浸かり、早川町に行って去年泊まった大阪屋というゲストハウスで一泊し、翌日下部温泉に戻ってきてまた温泉に浸かりました。記事は3つに分けています。

それでは今回の旅の行程です。

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旅の行程

7:07高尾駅発
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10:29下部温泉駅着
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かど久で昼食
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大黒屋で日帰り入浴
※ここまでが1つ目の記事
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14:06下部温泉駅発(バス)
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14:32七面山登山口・赤沢入口着(バス)
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15:15赤沢宿 大阪屋チェックイン
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2日目
9:30大阪屋チェックアウト
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10:33七面山登山口・赤沢入口発(バス)
※ここまでが2つ目の記事
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10:59下部温泉駅着(バス)
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11:30丸一食堂で昼食
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12:15梅ぞ乃で日帰り入浴
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14:00下部温泉駅発
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17:14高尾駅着
※ここまでが3つ目の記事

東京高尾駅から下部温泉駅へ

7時過ぎの電車で甲府へ向かいます。

今回は身延線の下部温泉駅からバスで赤沢宿という場所に行き、大阪屋というゲストハウスに泊まります。1年振りの再訪となりますが、山の中で一人静かに考え事をする時間が欲しいなと思い、泊まることにしました。一人合宿のようなものです。

それと、下部温泉には人肌程度のぬる湯の温泉があるので、日帰り入浴で温泉に浸かってみたいと思います。地元の食事を味わいながら、その土地を歩いてみたいと思います。

さて、高尾駅ですが、7時という通勤ラッシュの時間帯ですが混んでいません。

1時間半ほどかけてのんびりと甲府へ向かいます。朝の時間は進行方向に向かって右手から太陽が照るので、左に座るのがおすすめです。勝沼ぶどう郷駅では左側の車窓からこのような景色を楽しめます。

2018年12月撮影

8:37に甲府に着き、身延線に乗り換えます。各停に乗りここから更に1時間半ほど移動して下部温泉駅に向かいます。

改札を出ないで乗り換えますが、ここで注意が必要です。下部温泉駅は無人駅で、しかもSuica・PASMOが使えないので、甲府駅で一旦改札を出て切符を買う必要があります。

無人駅なのでICカードに運賃を入金していたのですが、下部温泉駅にはタッチする機械がありませんでした。電車が発車してから「Suica・PASMOは使えません。精算は全額現金での精算となります」とアナウンスが流れたので、車掌さんに聞いてみると、下部温泉駅にはICカードの精算機がないとのことでした。

ひとまず高尾駅から下部温泉駅までの運賃を車掌さんに払い、ICカード処理連絡票を出してもらいます。帰りに甲府駅で、出してもらったICカード処理連絡票を窓口に出して処理をお願いすることになります。

高尾駅から下部温泉駅に向かう時は、高尾駅で下部温泉駅までのきっぷを買っておくのがいいようです。高尾駅で身延線の切符が買えるか分かりませんが、買えないのであれば甲府駅で一旦降りて、下部温泉駅までの切符を買う必要があります。

帰りは、下部温泉駅で電車に乗った時に整理券を取って、それを甲府駅で見せて精算します。

いつも青春18きっぷで移動するので全く気にしていませんでしたが、ICカードをタッチする機械がない駅もあるのですね。財布に多めにお金を入れておいてよかったです。 

さて、そんなこんなで無事下部温泉駅に着きました。

下部温泉郷を散策

駅を出ると山梨の食材を使った料理が食べられる丸一食堂が右手にあります。明日帰る時にここに寄って食事をします。

馬刺し・ほうとう・やまめそば・金山そばといった甲州下部温泉名物が食べられるお店です。

駅から歩いて下部温泉街に向かいます。右手に橋があり、そちらに行くと金山博物館と足湯があります。

時間がないので今回は行きませんが、金山博物館は「武田信玄の隠し金山」とも呼ばれた湯之奥金山に関連する資料等を展示している博物館です。金山での採鉱(さいこう)、粉成(こなし)、灰吹(はいふき)といった一連の作業や湯之奥金山や金山衆のことなどを知ることができます。

橋を渡るとこの辺の説明があります。

行政上は山梨県南巨摩郡の身延町の下部町となります。

先ほどの道に戻って温泉街に向かいます。

温泉街までは歩いて10数分、少し坂道を歩きます。

朝市用のちょっとした小屋があります。毎週日曜日の朝には朝市が開催されているようです。

その奥にあるのが日帰り入浴施設の下部温泉会館。

500円で温泉に浸かれます(2021年9月現在)。

ここから寂しい道が続きます。

下調べをした時に、ストリートビューで見ると歩道が狭かったので、歩くにはあまりいい道ではないと思っていましたが、車の通りが少ないので歩きやすい道ではあります。平日の昼間はほとんど車が通りません。

潰れた昔の温泉施設や民宿の建物があり、廃れた感じはします。

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2019年10月の時のもの

曲がり角のあるこの辺りから温泉街になります。

下部温泉街
古来から「信玄の隠し湯」と呼ばれた歴史ある温泉地。『甲斐国史』によると836年に温泉が見つけられたとあり、千二百年の歴史を持つといわれている温泉で、日本の名湯百選に選ばれている。アルカリ性の単純泉で、殺菌力が強いお湯としても知られており、戦国時代には傷を癒やす療養地として知られた。従来のぬるい源泉と平成18年より分湯を開始した51℃のあつい源泉の二つの温泉入浴が楽しめる温泉街。

お湯の効能は、慢性関節リュウマチ・慢性筋肉リュウマチ・神経痛・神経炎・冷え性・疲労回復・骨及び関節などの運動機能障害・打撲・外傷性の後療法・切り傷・やけど・手術後の療養等にあるとされています。 飲用の場合、 胃弱・便秘性・胃酸過多・胃炎に効果があるとされています。※施設の使用する源泉の種類により、泉質・効能等が異なる場合があります。

下部観光協会のホームページより

元湯 甲陽館

甲陽館にはぬる湯とあつ湯の二つの湯舟がありますが日帰り入浴はしていません。

奥の相模屋旅館は以前は電話で予約すれば日帰り入浴できたらしいのですが、現在は不明です。

昭和の名残がある通りです。

ホテル守田

全国的にも珍しい信楽焼のカメ風呂が楽しめるようで、ぬる湯とあつ湯の両方があります。日帰り入浴不可です。

湯元ホテル

30〜32℃の源泉が自噴している渓谷沿いの老舗旅館です。日帰り入浴不可。リーズナブルに冷泉を体験できる温泉施設です。

「冷泉」と呼ばれる30℃くらいの冷たい温泉に興味があったので、翌月に泊まってみました(記事はこちら)。始めは冷たく感じる温泉も浸かっているうちに体が慣れ、湯から出るとぽかぽかとするお湯なのだそうです。

橋の手前の左手にあるのは、元湯 橋本屋。評判がよくて日帰り入浴も利用できるので、後で寄ってみます。

この辺りが温泉街の真ん中あたり、駅から歩いて15分くらいの場所になります。

今回は通り過ぎてしまいましたが、橋を真っ直ぐ進むと古湯坊源泉館という、30℃前後の冷泉があります。足元からパイプを通さず直接源泉が湧いている、足下湧出泉が有名な旅館です。日帰り入浴はできません。

鳥居の奥には熊野神社があり、かつて湯治で体が良くなった人たちが杖を奉納したといわれている神社があります。こちらも翌月に散策したので、記事ができ次第投稿します。

橋を渡って左に曲がるとあるのが、くつろぎの宿 裕貴屋。2021年現在閉業中です。宮大工が手がけた昭和初期築の純和風の老舗温泉旅館で、浴槽の底から冷泉が湧出する洞窟風呂が有名でした。

真っ直ぐ進んで奥の黄緑色の建物が、大黒屋旅館。後ほど寄ります。

坂を上ると、温泉街が終わります。

食事処兼旅館いしもと

日帰り入浴はしていません。

そして一番奥にある、かど久に入って昼食を食べます。

お蕎麦とほうとうが有名なお店です。

手打ちうどんとほうとうが評判の食事処 かど久

11時の開店と同時にお邪魔します。

座敷の方に上がります。

手打ちのうどんや蕎麦が好評ですが、今回は山梨県らしいものということで、ほうとうを頼みます。注文してから煮込むので30分待ちます。

時間があるので店内の写真を撮ってしまいました。

バスで身延駅と繋がっているので、この辺りに来る観光客は身延山に参拝する人が多いようです。

店内には色紙も

入口側

窓側の席では下部川のせせらぎを聞きながら食事ができます。

30分ほど待ち、ほうとうが来ました。

ほうとう¥1380(税抜)。手打ち麵と自家製味噌のほうとうです。

見た目以上にボリュームたっぷりです。ネギ、大根、にんじん、カボチャ、里芋、鶏肉、油揚げが入っていて具だくさんです。

味付けはシンプルで濃くはなく、優しい味です。手打ちの麺は小麦の香りがして、弾力があり食べ応えがあります。素朴で美味しく、優しい味噌が体に染み渡ります。

見た目以上に量があり、3分の1食べたところでお腹は十分になりました。2人で分けて食べるのがちょうどいい量です。

お腹は満たされましたが、美味しかったので味噌汁も最後まで飲み干してしまいました。大満足です。30分待つ価値は十分ある美味しさです。事前に電話でお願いしておけば、来店に合わせて煮込んでくれるそうです。

9月までは夏ほうとうもやっているようです。「おざら」という冷やしほうとうでしょうか、気になります。

ほうとうは米の収穫量が少なかった山国では兵量の干飯の確保が難しく、麦をこねて乾かして持参したのが始まりで、武田信玄が広めたともいわれています。味噌と乾麺があれば、あとは陣中で鍋に水を入れて現地で調達した野草や肉を煮込むだけと調理が簡単で、また味噌がたっぷりと入ったほうとうは体を温めるため、厳しい冬の陣中食として推奨されたようです。

ついでに、戦場では陣笠(足軽や鉄砲隊がかぶる笠)を鍋にしてほうとうを煮込んだ、なんて話もありますが、これは当時の陣笠の素材からはありえない話らしいです。この図が誤解されたのではないでしょうか。

雑兵物語(出典:国立国会図書館デジタルコレクション)

陣笠を鍋にしているように見えますが、陣笠は別の所に置いてあります。

さて、かど久を出て外の通りをさらに奥に行くと湯乃奥地区という、昔の集落の名残がある地域があります。歩いて1時間ほどの距離です。こちらのも来月の散策で記事にします。

美味しいほとうと食べた後は、温泉に浸かります。

日帰り入浴を受け付けている橋本屋に寄りますが、休日でした。

看板に大黒屋も日帰り入浴ができると書いているので、行ってみることにします。先ほどの、かど久に行く途中にある黄緑色の建物の旅館です。

日帰り入浴でも下部の冷泉に浸かれる旅館 大黒屋旅館

事前に調べでた時は日帰り入浴はやっていないと、なにかのサイトで見たのでダメもとで入ってみたら、利用できました。料金は1000円といい値段しますが、せっかくの機会なのでお願いします。

脱衣室からは下部川が見えます。川の流れるせせらぎも聞こえます。

浴室はこんな感じです。

左が40℃くらいのあつ湯で、右が冷たい温泉です。32~33℃くらいなので冷泉といってもいいのかもしれません。冷泉の方は飲泉もできます。

あつ湯の方は加温・循環で

冷泉は源泉掛け流しです。

冷泉にしばらく浸かり、たまにあつ湯に入ってまた冷泉に浸かる、というのが下部流なのだそうです。冷泉は飲んでみると、泉質はアルカリ性ですが、硫黄のような味・香りがしました。

川のせせらぎを聞きながら寛ぐことができ、ゆっくり浸かれました。冷泉は正直冷たく、出た時はぽかぽかする訳でもなく、特に効果があるとは思えませんでしたが、後から急に眠くなりました。赤沢宿に向かうバスで急激に眠くなりましたし、夜も眠たくて仕方がなくて早く寝てしまったので、効果があると思います。今度じっくり浸かってみて試してみたいと思います。いいお湯でした。

宿のご主人はとても感じの良い方で、気持ちよく温泉を利用させていただきました。普段日帰り入浴を受け付けているのか聞いてみたところ、いつもやっているけど不定期で休むことがあるから、事前に電話して欲しいとのことでした。

旅館のサイトはありませんが、楽天トラベルから宿泊の予約をすることができます。

楽天トラベル 下部温泉 元湯旅館 大黒屋

いいお湯に浸かってからは、駅に戻りバスを待ちます。

下部温泉街は実際に歩いてみると、建物の老朽化が進み古びれた街です。写真で見るよりも古く感じて、昭和の頃の廃れた温泉街という印象を受けます。それがまたいいのですが。

さて、駅に着きました。

14時6分のバスで早川町という場所にある赤沢宿に向かいます。今晩はそこの大阪屋というゲストハウスに一泊します。明日またここに戻ってきて、昼ご飯を食べて日帰り入浴をしたいと思います。

大阪屋には昨年も泊っているので、こちらも見てみてください。

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