浦佐駅→栃尾又温泉自在館
前回の続きです。12:47に浦佐駅に到着しました。駅の待合室で宿への送迎バスを30分ほど待ちます。
13:20前になると旅館の方が駅の待合室に来て声をかけてくれます。約30分かけて旅館に向かいます。送迎バスに乗り込んだのは自分を合わせて3名。意外にも皆一人でした。
途中、道の駅ゆのたにで7人ほど送迎バスに乗り込んできました。連泊している人のようです。湯治をするには連泊するのが理想的ですが、昼間は道の駅に送ってもらい昼ご飯を食べたり買い物をしたりすることができるそうです。宿のホームページにも書かれていますが、お酒の持ち込みも可なのでお酒を買う人も多いようです。
山道を上って宿に向かいます。
50cmは雪が積もっていますが、宿の方いわく例年よりも雪の量が少ないとのことです。
山道を上り浦佐駅から走ること約30分、宿に着きました。
栃尾又温泉 自在館です。
自在館
フロント
宿に着いたのは13:50過ぎ。
14時にチェックインできるのが嬉しいところです。チェックアウトも11時と遅く、その間のんびりとお湯に浸かることができ、とても良心的です。
日本秘湯を守る会の宿のようです。
ロビーのような所には囲炉裏があり、風情があります。
作務衣
飲泉用の温泉水。ポットごと部屋に持って行けます。
お茶やコーヒー、お菓子もあります。
湯の効能
お湯の温度は約36℃。ぬるめの温泉に1時間から3時間ほど浸かり、上がる時にさっと熱めにお湯に入るのがおすすめの入浴法のようです。詳しいことは分かりませんが、ラジウム化合物を含んだラジウム温泉で、長湯することで体の細胞を活性化させてくれる効能があるそうです。
ぬる湯なので長時間浸かることができ、自律神経が副交感神経に切り替わり体の緊張がほぐれていくことで体の調子がよくなるようです。湯当たりしにくい温度・泉質なので体への負担も少ないのだとか。
大正棟
今回泊まった部屋は大正棟という通常の部屋から離れた棟です。
築約100年の大正時代に建てられた建物で、元々は湯治棟だったようです。
フロント(写真右)から離れています。
館内の設備はほぼ当時のままの姿を残していて雰囲気のある場所です。
廊下を歩くと床がきしむ音がして、これまた雰囲気があっていいです。下の写真の左の襖が入口で、鍵はありません。※2021年現在施錠できるようになったみたいです。
一人旅で旅をする時は、ボロ宿や昔ながらの宿に惹かれてしまいます。
部屋の中です。12畳と部屋は広く、トイレと洗面台はありませんがその分料金がかなり安くなります。エアコンの他にヒーターもあります。
他の部屋に比べて2千円くらい安く、この時は12,000円くらいでした。ソファのある和モダンタイプもあります。
貴重品ボックスやライト、延長コードもあります。Wi-Fiも接続でき、ネット環境も問題ありません。
泊ったのは12月なので寒くないか心配でしたが、問題ありませんでした。こたつとエアコンだけで十分でヒーターを使わなくても寒さを感じることはありませんでした。
うえの湯
さて、ぬる湯を堪能してみたいと思います。
古い建物の大正棟の奥にうえの湯とおくの湯があります。
お湯の違いは特になく、日替わりで男湯・女湯に分かれます。
宿泊客のいない通路を歩いて向かいます。この上が宿泊の部屋になります。
カメムシの臭いが少しします。台風の影響で秋に大量に発生したらしいですが、季節によっては建物の隙間からカメムシが入ってくるので、虫の苦手な人はフロントに近い新しい建物の方がいいのかと思います。
図書室のような所でしょうか。確か炊事場跡もあったような気がしますが、かつて湯治場だった名残があります。
この時はあまり本に興味がなく読まなかったのですが、もったいないことをしました。いろいろと面白そうな本があったのではないでしょうか。
階段を下りて
離れに行くと
うえの湯とおくの湯があります。
この日はうえの湯が男湯でした。タイル張りの大浴場ですが、裏山が見えます。お湯に浸かりながら雪の被った山や樹々を見ることができ、くつろげました。
お湯の温度は最初少し冷たく感じましたが、すぐに慣れてゆっくり浸かれました。たまに40℃くらいに加温されたあつ湯(上がり湯)に入ると体が冷えないので、寒くはありませんでした。中にコップが置いてあり、かけ流しの温泉のお湯を飲むこともできます。
したの湯も男湯でしたが、したの湯の方がフロントに近くまた雰囲気があるので人気があります。そのためこの日は下の湯は混んでいましたが、うえの湯は空いていてほとんど貸し切り状態でした。
中の様子は自在館のホームページで見れます。
外からも入れるようになっています。
この温泉は共同温泉のようで、自在館の他に近くに二つの宿があり、そこの宿泊客も利用できるようになっているようです。
行基の絵。有名な温泉には行基や空海の開湯伝説が多いですね。
静かでいい場所です。
したの湯
うえの湯の後はしたの湯に入ってみます。
階段を下りて
雰囲気のいい廊下を歩きます。
階段が続きますが、ホームページによると桐の階段なのだそうです。
よく昔は桐で箪笥を作ったそうですが、桐には防湿効果、防虫効果、防火効果があるといわれています。
桐は空洞の大きい材木であるため防湿効果があり、虫が嫌うタンニンを多く含むため防虫効果があり、そして古くなるほど耐火性が強くなり火災にあっても着物を守ると考えられていたそうです。耐火性を上げるために金庫に桐板を張ることもあったのだそうです。
日本の家屋には欠かせない材木なのですね。
さて、したの湯に着きました。
ここはとても雰囲気のいい浴室でした。
窓から外が見えますし、室内の壁や天井が木なので雰囲気がいいです。夜は夜で照明が暗く落ち着ける場所でした。写真は脱衣場からの眺めです。
部屋に戻って夕食を待ちます。ロビーにある温泉水やコーヒーを部屋に持ち込めるのは嬉しいところです。個人的には昔の雰囲気の残る大正棟は居心地がよかったです。静かなので落ち着きます。
新館と大正棟を繋ぐ渡り廊下からの景色
大正棟のうえの湯に向かう廊下
夕食
18:00から食堂で夕食です。晩御飯はスタンダードの一汁六菜プランにしました。岩魚の炭火焼、柿とほうれん草の白和え、舞茸と春菊の中華風、お漬物に大麦と冬瓜のお味噌汁
紅ますの刺身
高野豆腐とパプリカのそぼろ
蒸し鶏の玉ねぎソースがけ
そして、お米は魚沼産コシヒカリです。
味の方は薄味の優しい味付けで美味しかったです。特に岩魚の炭火焼が絶品でした。一時間じっくり焼いているので頭も背中も全部食べられますと言われましたが、今まで食べた焼き魚の中で一番美味しかったです。お腹の方も苦みがなく食べやすく、美味しかったです。
ご飯とお味噌汁はお代わりできるので、量としては一汁四菜でも十分です。食堂で席を割り当てられて食べましたが、一人で食べている宿泊客も半分くらいいたので、一人でも気になりませんでした。
うさぎの湯
夕食の後は貸し切り風呂に入ります。
フロントの近くにある予約表に名前を書き鍵を持って行って入ります。時間は40分です。
脱衣場
洗面台
浴室
湯舟
25℃くらいの冷たい温泉を加熱しているので、ぬる湯ではありません。40℃くらいあったかと思います。
たぬきの湯
脱衣場
洗面台
浴室
湯舟
こちらも40℃くらいに加熱してあります。ぬる湯ではないので長湯はできません。貸し切り風呂はもう一つ露天風呂がありますが、これは明日の朝に入るので次回の記事になります。
何だかんだ22時くらいまで温泉に入っていました。湯に浸かっている間はやることがないので、自然と休めます。ぼうっとして頭を休ませたり、あれこれ考えて頭の整理をしたりと、気持ちの面でも静養することができました。
次回に続く
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