【夏の18きっぷ】涼を求めて石に囲まれた古代の地下神殿 大谷史料館へ

栃木県

2019年8月、青春18きっぷを使って日帰りで栃木県の大谷資料館に行きました。大谷資料館は地下にある採石場の跡地で、古代の地下神殿のような幻想的な場所として知られている場所です。中は涼しく、夏は避暑地としても人気の場所です。

お盆シーズンの土曜で混雑していて中でゆっくりすることができませんでしたが、近くには大谷寺や宇都宮二荒山神社があり、見所の多い場所でした。

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旅の行程

5:41新宿駅発
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7:51宇都宮駅着
↓
8:00宇都宮駅発(バス)
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8:37大谷観音前着(バス停)
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8:40大谷寺(大谷観音)
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9:15平和観音
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9:40大谷資料館
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11:35宇都宮二荒山神社
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12:56宇都宮駅発
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14:44新宿駅着

新宿駅から大谷へ

新宿駅から5:41の電車に乗り宇都宮駅に向かいます。池袋、赤羽と乗り継ぎ、赤羽駅から宇都宮線に乗り90分ほど移動して宇都宮駅へ行きます。車内は結構混んでいましたが、土曜ということで通勤ラッシュにも合わず座ることができました。運賃は片道1,940円(2019年時点)。

宇都宮駅に降りてからはまず左手にある高速バス予約センターに向かい、バスの一日乗車券を買います。

駅から歩いて数分の距離です。

大谷資料館に行くにはこの一日乗車券がお得となります。1,750円(2021年10月現在1,850円)。JR宇都宮駅から大谷・立岩線の全ての区間で乗降自由で、大谷資料館の入場券と大谷観音(大谷寺) の拝観券も含まれています。

駅前のバスロータリーの6番乗り場に行き、バスを待つことにします。

バス乗り場は分かりやすく、案内も見やすいので迷うことはないかと思います。

バスに乗る時は整理券を取り、降りるときに一日券を見せます。パスモやスイカなどの交通系電子マネーが使えませんが、乗り降りが楽なので便利です。

大谷寺

宇都宮駅からバスに乗り約30分、大谷観音前で降ります。大谷資料館に行く前に大谷寺に参拝します。

バス停の川原の底は石で奇妙な感じがします。

バス停から数分歩くと、大谷観音で知られる大谷寺があります。

仁王門

背景には岸壁があり、迫力があります。

手水所も石。

鰐口(わにぐち)。写真の右下に見えるのが御本尊の千手観音 です。

大谷寺
岩の窪みにある神秘的な本堂には、自然の岩壁に彫られた本尊の千手観音はじめ、脇堂の釈迦三尊・薬師三尊・阿弥陀三尊などの合計10躰の石仏があり、昭和29年3月に国の特別史跡に、昭和36年6月には重要文化財に指定された。大谷寺本尊千手観音(高さ4m)は、平安時代(810年)弘法大師の作と伝えられ古くから大谷観音と称され、鎌倉時代に坂東19番の霊場となり多くの人々から尊崇されてきた。最新の研究では、バ―ミヤン石仏との共通点が見られることから、アフガニスタンの僧侶が彫刻したものなのではないかといわれ、日本のシルクロードと考えられている(大谷寺ホームページを参照)。

バスが着いて数人の参拝客が境内に入ると、住職の方が来られて簡単なお寺の説明をしてくれました。

洞窟に包まれるように建てられた非常にめずらしいお寺です。

建物の中に入ると、御本尊をはじめとした石仏を見ることができます。中は撮影禁止です。

宝物館では1万年以上前と推定される人骨が展示されています。大谷寺の洞窟では縄文人が生活した跡があり人骨が発掘されており、それを見ることができます。

白蛇伝説があるお寺でもあり、弘法大師に退治された毒蛇が改心して白蛇となり以後仕えたことが書かれています。白蛇の像があり、その頭をなでるとご縁があるそうです。

大谷寺を参拝した後は近くにある平和観音像を見に行きます。

途中オニヤンマを見かけました。久し振りに見ました。

平和観音像

大谷寺の入口から道を挟んだ向かいには平和観音像があります。

戦没者供養と世界平和を祈る27mの観音像で、太平洋戦争の戦死戦没者の供養と、世界平和を祈って彫刻された像です。

昭和23年より大谷観光協会と地元の熱心な後援のもと東京芸術大学教授・飛田朝次郎氏が制作を手がけ、大谷の石工達が彫刻し6年の歳月をかけて昭和29年に完成したものです。

27mというとビル9階に相当する高さです。

観音像の左には階段があり、上に登ることができます。

像の胸のあたりには一円玉が置かれています。

近くにはオブジェのようなものも。

石を使った創作作品でしょうか。

平和観音像を見た後は大谷資料館に向かいます。歩いて10分もかかりません。

途中大谷寺の近くに大山阿夫利神社があります。鳥居も祠もすべて大谷石で造られた神社らしいです。知っていればもっとゆっくり見たのですが、気になったものの、この時は写真だけ撮って通り過ぎてしまいました。

資料館に向かい大谷街道を歩くと、右手に絶壁が見えてきます。

大谷景観公園

大谷景観公園は姿川に沿って整備された公園で、対岸には約200mにわたって大谷石が露出した岸壁がそびえます。

なかなかインパクトのあるいい場所ですが、真夏のこの時期はゆっくり見るには暑いので通り過ぎることにします。

案内板によると、この岩山は大谷寺の所有のようです。

御止山(おとめやま)というらしく、江戸時代にはこの山で松茸が採れ、入山が禁止されていたのだとか。

なかなか壮大な景色です。

大谷史料館

御止山 を過ぎると駐車場があり、その道を進むと大谷資料館に着きます。

土曜ということもあり、10:30にはメインの駐車場は満杯になっていました。

マイクロバスも停まり団体客もいます。

こちらから中に入ります。

地下の採石場に降りる前に、資料館の展示を見ることができます。採石場の歴史などの説明が書かれていたり、採石に使う道具が展示されています。

大正8年(1919年)の手掘りの時代から機械化された昭和35年(1960年)までの採掘場の歴史を学べる場所のようですが、あいにくの人混みでゆっくり見ることができませんでした。

資料館の隣にある階段を下りて採石場跡地に向かいます。

中はひんやりとして、涼しくなります。

上着は必須で、坑内の年平均気温は8℃前後なので夏でもひんやりとしています。

深さは30m、広さ2万㎡もあるようです。

この地下採掘場跡は、1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)までの約70年をかけて、 大谷石を掘り出して出来た巨大な地下空間です。

岩肌が露出する坑内はそれだけで異空間です。

戦争中は地下の秘密工場として、戦後は政府米の貯蔵庫として利用され、

現在では、コンサートや美術展、演劇場、 地下の教会として利用され、写真や映画のスタジオにもなっています。

平均気温が8度前後なので政府米を保管するにはいい場所だったのでしょう。

1979年に大谷資料館がオープンし地下採掘場が一般公開され、1981年にや奏会が開催され、以降、コンサートや映画などの撮影が行われるようになったようです。

作品も置いてあります。

今回は土曜に来てしまいゆっくりすることができませんが、平日の静かな時に来れば落ち着いた空間でのんびりすることができると思います。資料館もゆっくり見れるでしょうし。

華道家・假屋崎省吾さんの作品

宇都宮市のホームページによると、この大谷資料館は世界的にもあまり例のない規模の採石場とのことです。国内でも各地にいろいろな凝灰岩の採掘場はあれど、いずれも極めて小規模なものであり、古くから大規模に採掘が続けられてきたのはここだけなのだそうです。

埋蔵量は約6億トンと推定されており、昭和40年代の最盛期には採掘事業場は約120ヶ所、年間出荷量も約89万トンまで増加したそうです(その後は年々減少し平成21年度には年間出荷量は約2万トンまで減少)。

大谷石が使用された歴史上最も古い例としては、今から約1,500年前頃に県内の壬生町車塚古墳、小山市間々田千駄塚付近百塚で、凝灰岩(大谷石)の石棺が発掘されているようです。奈良時代の天平年間には国分寺建立の際の土台に使用され、平安後期には宇都宮城建築に使用されたことも分かっているようです。

江戸時代の享保年間には江戸の隅田川沿に大谷石問屋が16軒存在したらしく、明治に入ると東京を始めとして関東一円にその販路を広め、大正には旧帝国ホテルが大谷石の使用により建築され関東大震災でその耐火耐震性の優秀さが認められ一躍声価を高めたのだそうです。

ここで採られた石は、耐火耐震防湿に富み、軽量で加工が容易であることから、倉庫や工場、住宅や店舗などの建築用材として、石塀や門柱、壁材として、また石垣や土留、護岸、側溝などにと幅広く使われてきました。

天然ゼオライトを含有する大谷石は吸着性、粘着性、固結性などの特性があるらしく、水処理、公害物質処理、油処理、脱臭処理剤としての利用が可能であり、現在では化成肥料や土壌改良剤としても利用されているのだそうです。

いろいろなものに使われているのですね。普段の生活でも知らない所で大谷石の恩恵を受けているのかもしれません。

とにかく館内は涼しいので暑い夏にはいいです。

音が反響するのでコンサートを聴くのもいいのでしょうね。

芸術作品が置かれていたり写真が展示されているので、飽きずに涼むことができます。

水の張った所もあります。

神秘的な雰囲気もあり、いい場所でした。

出口だったか、資料館の横にある愛の泉。

縁結びの神様が祀られています。

人が多くて史料の展示をゆっくりすることができず時間を余らしてしまいましたが、いい場所でした。

バスに乗って宇都宮駅に戻ります。途中宇都宮二荒山神社へ参拝します。

宇都宮二荒山神社

馬場町のバス停で降り、二荒山神社に参拝します。東部宇都宮駅から歩いて徒歩15分の距離です。

宇都宮二荒山神社
御祭神は豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)。大物主命(おおものぬしのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)の三柱が祀られている。栃木県内唯一の名神大社として「お明神さま」「ふたあらさん」の名で広く親しまれ、篤く崇められてきた。平安から鎌倉時代には各々の国で最も格式が高いとされる一之宮でもある(宇都宮二荒山神社ホームページより)。

創建は第十代崇神天皇の御代に遡るとされています。近世に入ってから4度も火災に遭い古い記録のほとんどが焼失しているため、現在残っている社記では第16代仁徳天皇の御代の記録が古いものになるそうです。

正式名称は二荒山神社ですが、日光の二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)と区別するために、「宇都宮二荒山神社」と呼ばれています。

95段の石段

階段の中腹にある末社

醸造の神

疫病鎮めの神

学問の神

武徳の神、肇国(ちょうこく・建国の意)の神、水の神と6つの末社があります。

神門

二荒山神社は下野国一之宮と呼ばれていたため、宇都宮という地名はこのイチノミヤが訛ってウツノミヤになったという説もあります。

宇都宮はこの二荒山神社を中心に平安・鎌倉時代に神社の門前町として発展し、江戸時代には城下町として繁栄し北関東の経済・文化の中心都市として発展してきました。

手水舎

拝殿

本殿

御祭神の豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)は毛野国(現在の栃木県・群馬県)をご開拓になられ、衣食住など人々の生活の産業を奨励され、宇都宮の始祖として古くから敬仰されてきた神様です。

御祭神は武徳にも優れ古くから武将の信仰が篤く、戦勝祈願の神様としても崇敬されてきたのだそうです。平将門の乱では藤原秀郷が、前九年・後三年の役では源頼義・義家親子が、関ヶ原合戦では徳川家康が参拝し、神領や宝物の寄進や社殿改築をしたことが伝えられているそうです。火防(ひぶせ)信仰も古くからあるそうです。

神楽殿

境内は広くありませんが、建物の様式など見ていて飽きない場所でした。度重なる火災のためでしょうか、宝物館が無かったのが残念でした。

宇都宮二荒山神社を参拝した後は、せっかくなので駅まで歩きます。15分の距離なので長くはありませんが、だだっ広いまっすくに進む道だったので、面白みがなくバスで移動する方がよかったです。

駅前でどこか空いている餃子のお店に入れればと思っていましたが、土曜の昼時ということもあり、残念ながらどこも混んでいました。

大谷資料館に向かうバス停。昼にもなるとこちらも混雑しています。

駅ビルのパセオにある、えきの市場に入ってみます。

栃木らしさのあるものが見れます。栃木レモン

イモフライの串

3階の餃子みんみんも行列。ここには、みんみんと、みんみんのステーションバルの2つあるのでどちらか入れると思っていましたが、駄目でした。

2階にある餃子屋(宇味屋・宇都宮餃子館)も駄目です。1階の青源も混雑していて、宇都宮餃子を食べるのは断念しました。現地でもかなり人気なのですね。

駅から離れていますが評判のいい正嗣(まさし)も一度は食べてみたいものです。

パセオの2階(グランマルシェ)にはお土産屋があり、ご当地のものを買うことができます。

ここでは宇都宮餃子会に加盟する30店舗以上の冷凍生餃子をはじめ、餃子関連グッズ、お菓子などを買うことができます。宇都宮駅と直結しているので、お土産を買うには便利です。

夕方から用事があるので、12:56の宇都宮始発で新宿駅に向かいます。湘南新宿ライン快速逗子行なら新宿まで乗り換えなしで乗車時間も1時間40分くらい、14:44に新宿に着き楽でした。池袋・新宿・渋谷・武蔵小杉・横浜も乗り換えなしで移動できるので、青春18きっぷをつかって移動する時に便利です。

さて、そんなこんなで今回の日帰りの旅は終了です。

大谷資料館で買った大谷石のコースター。500円くらいでした。


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