【夏の青春18きっぷ】 東国三社の一社、下総国一宮香取神宮へ

千葉県
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鹿島神宮から香取神宮へ

鹿島神宮の記事の続きです。鹿島神宮を出て、11時前に鹿島神宮駅に戻ります。

佐原行の電車に乗り、これから香取神宮に向かいます。

発車まで30分あり、冷房のきいた車内で一休みすることができました。

11:23に電車は鹿島神宮駅を出て、16分ほど乗り香取駅に向かいます。来た道を戻ります。

行きよりは窓が汚れてないので景色が綺麗です。

常陸利根川を渡ると茨城県から千葉県になります。

この辺りは、粒が大きくさっぱりした「ふさおとめ」の栽培が有名で、関東でもいち早く新米が収穫できる地域らしいです。

香取は水郷地帯の田圃から収穫される早場米や舟便により、酒やみりんが生産されるようになり、江戸時代には味噌や醤油も含めた醸造文化が栄えます。また江戸幕府の直轄地(天領)であったため、自由闊達な商業都市として栄えたようです。

現在では、飼料に海草粉末を加えて育てる「房総ポーク」が栗源・大栄地区を中心に生産され、日本一の生産量を誇るマッシュルームなども有名らしいです。

さて、11:40に香取に着きます。無人駅です。

香取神宮に行くには佐原駅からバスに乗るのがいいのですが、途中寄りたい場所があるので歩くことにします。

寄り道しなければ香取駅から香取神宮までは25分で行けます。佐原駅からのバスはこの時は本数が少なく1時間待たねばなりませんでした。

河原に出ると鳥居があります。

津宮鳥居海岸(つのみやとりいがし)という場所です。

香取神宮の御祭神である経津主大神(フツヌシノオオミカミ)が海路ここから上陸されたと伝えられている場所です。ここはかつての香取神宮への表参道の入口で、水運が盛んだった江戸時代、渡辺崋山や赤松宗旦(江戸時代後期の医師であり地理学者)といった多くの文人が津宮を訪れたそうです。

昔の人は船から降りて真っ直ぐ進んで香取神宮に向かったのです。途中、昔の人が参拝前に体を清めた名残のある場所があります。

岸には燈台の役目を果たした常夜灯と、

与謝野晶子の歌碑が建っています。「かきつばた香取の神の津の宮の宿屋に上る板の仮橋」と書かれています。

香取神宮に向かいます。ここからだと歩いて35分~40分くらいです。

途中、香取神宮の摂社、東の宮(忍男神社)があります。「しのお」と読むようです。

案内板には「香取神宮表参道沿いの津宮字東宮に鎮座し、香取神宮の摂社で伊弉諾命を祭る。創建は古く不詳であるが、現在の社殿は慶長12年(1607年)に徳川幕府により造営されたものである。西の宮とともに浜手守護の神といわれている」と書かれています。

西の宮というのはこの奥にある、川を挟んだ所にあるようです。

線路

懐かしい田舎道です。

単線

線路を渡ると、董橋(ただすばし)という橋があります。草履抜橋(ぞうりぬぎ橋)、じょん抜き橋ともいうようです。見張りの兵士がいたため「 董橋 」といわれているそうです。

案内板には、朝廷から毎年香取神宮に奉納をするために遣わされた勅使がここで身を滌(すす)いだことが書かれています。豊富な湧水の流れに身を清め、衣と草履を履き替えて神宮に向かったことから、草履抜橋、靴脱橋、じょん抜き橋と呼ばれるようになったと。

神道山古墳群

5~6世紀の古墳が、前方後円墳が1基、円墳が6基残っているようです。

せっかくなので上に上がろうと思いましたが、鳥居に大きな蜘蛛の巣が張っていたので戻ります。

カフェもみじ

田園風景

3分の1まで来ました。

車の通りは少ないので歩きやすい道です。

道が開けて田園風景が見渡せます。

ちょっと中を歩いてみます。

何とも素晴らしい道です。田んぼ好きの自分にとっては、贅沢な空間です。

水の張った季節に歩いてみたいものです。

田園風景の広がる道を過ぎた所で左の道に入ります。

真夏の昼間というのもありますが、人がまったくいません。

湧水があった場所の名残でしょうか

軽い坂道を上ると、香取神宮に着きます。

こちらは旧参道になり、表参道は別となります。ぐるっと迂回して遠回りになるので、表参道は帰りに寄ることにして横の方から神社の境内に入ります。

香取の地も鹿島と同様、軍事拠点であり武芸に優れた人物が多かったようで、中でも飯篠長威斎という剣豪が知られています。室町時代中期から後期に活躍した人物のようです。

香取神宮

鳥居

こちらが表参道となります。

総門

楼門

元禄13年(1700年)徳川幕府によって造営されたものらしいです。

額は東郷平八郎の筆によるものです。鹿島神宮のものとは違い、「香取神宮」の文字の横に本人の名前が書かれています。

拝殿

香取神宮
経津主大神(フツヌシノオオミカミ)を御祭神とし、古くから国家鎮護の神として皇室からの御崇敬が最も篤く、中世以降は下総国の一宮となり現在に至る。一般からは家内安全、産業(農業・商工業)指導の神、海上守護、心願成就、縁結、安産の神として深く信仰され、さらに、その武徳は平和・外交の祖神として、勝運、交通 安全、災難除けの神としても有名である(香取神宮ホームページを参考)。

こちらも元禄13年(1700年)徳川幕府によって造営されたものらしいです。

あいにくの暑さですが、過ごしやすい時には座って拝殿を眺めて過ごすのもいいでしょう。

拝殿の左には三本杉があります。

源頼義(八万太郎源頼家の父)と馴染みのある杉のようです。

要石

拝殿に参拝した後は、要石と奥宮に向かいます。

鹿島神宮と同様に香取神宮にも要石があります。

地中に潜り地震を起こす大鯰を抑えるために地中深く差し込んでいる霊石です。香取では凸形の石で、鹿島は凹形をしていると案内板には書かれています。

奥宮

そして少し離れた奥宮に行きます。楼門からだと100mほどです。

経津主大神(フツヌシノオオミカミ) の荒御魂をお祀りしている場所です。

こちらがとても素晴らしい場所でした。空気というのか、雰囲気というのか、個人的にはまさにここがパワースポットでした。

表参道

奥宮をお参りした後は、表参道を歩いてみます。

いい雰囲気の参道です。

緑の綺麗な季節の、晴れた日にはおすすめの場所です。

帰りはバスで帰ろうと思います。

和茶房うの。香取神宮の御神水をつかったドリップのコーヒーが飲めるお店らしいです。

岩立本店。香取神宮御神水仕立ての生わらび餅が名物のようです。

栄亀庵(えいきあん)。天ぷらやカツ丼も人気のそばやうどんを食べれるお店。

梅乃家本店(うめのやほんてん)。みたらし団子が人気のお店。

参道は平日だからでしょうか、閑散としていて閉まっているお店も多いです。土日祝日に訪れるのがいい所みたいです。そういえば奥社の御朱印も、平日は受け付けていませんでした。

さて、鹿島神宮のガイドさんから勧められてバスで帰ろうと思ったのですが、バスがありませんでした。時刻表を見ても16:30までバスが来ません。疲れはありましたが、もともと歩く予定だったので気を取り直して来た道を戻ります。

後から調べてみると、平日でもバスはあるにはありました。ですが本数がかなり少ないです。佐原循環バスを利用して土日祝は「周遊ルート」を、平日は「大戸・瑞穂ルート」が利用できます。平日の 大戸・瑞穂ルート の時刻表は10:32、13:40、16:02、18:26の4本のみです。 土日祝の周遊ルートと1時間に1本はあります。それと神里線(千葉交通)も通っていて、7:41、8:16、13:06、17:31の4本があります。香取神宮ホームページのアクセスから詳細の載ったページにジャンプできます。

帰りは25分くらいで駅に着きました。下り坂なので思ったより疲れませんでした。

14時前に駅に着きましたが、次の電車は14:47です。

真夏の暑いなか冷房の効かない待合室で電車を待ちます。日本一周の時以来、久し振りの経験で懐かしさと新鮮味があり、それほど不快にはなりませんでした。

駅舎の方も冷房がないので同じようなものです。トイレが見つからなかったのですが、駅舎を出て右に歩くとあるみたいです。

たまには暑いところで電車を待つのもいいものです。これも一人旅のよさです。誰かと一緒だと何かと気を遣わないといけませんし。

14:47の電車に乗り新宿に帰ります。冷房の効いた車内で寛いでいると、どこからかプシュ~と聞こえます。仕事終わりのスーツを来た男女がビールとハイボールを飲んでいました。羨ましい限りです。自分も今日は寄り道をしないで真っ直ぐ帰って飲むことにしようと思いながら、そんなこんなで今回の旅は終了です。

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