【旅33日目】後半 富山県・岐阜県 白川郷と菅沼合掌造り集落

日本一周
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高岡駅

金沢の兼六園を楽しんだ後は、高岡駅に移動します。高岡駅から11時のバスに乗り、白川郷に向かいます。乗車時間は2時間10分です。

高岡駅から高速に乗ります。

高速を降りてからは田んぼのある長閑な道を走り、山間の道を進ます。

どんどん山が深くなってきます。

山道になると五箇山の説明が車内に流れ、どういった場所なのか教えてくれます。

平家の落人伝説のある村で、罪人の流刑地でもあった
そのため加賀藩は橋を架けることを許さず孤立させた
一年の半分は雪に埋もれ、春夏秋は米は大して取れず粟稗蕎麦の脱穀を食べて凌いだ
養蚕や和紙を作り生活の糧にした
五箇山という地名は、五つの谷に囲まれたことに由来する

といった説明があり、これから向かう土地がどんな場所だったのか知ることができます。観光地では負の歴史を隠す所が多いのですが、そういったこともきちんと説明していてとても好感が持てます。

橋を何度も渡ります。昔は橋が架けられなかったと説明があったので、いかに外部と遮断された場所だったのかがよく分かります。

バスに乗ること約2時間、13時過ぎに白川郷に到着です。

バスから降りると雰囲気のあるお土産屋や食事処があります。

バスから降りたら、橋を渡って合掌造りの家がある場所に向かいます。

白川郷

世界遺産に登録されている合掌造り集落のある観光地です。場所は岐阜県になります。日本の原風景である農村文化・生活・暮らしを深く感じることができる、国内外問わず人気の観光名所です。

橋を渡り鳥居をくぐり集落に入ると、雰囲気のあるお土産屋や食事処が並びます。

田んぼと合掌造りの家が点在しています。

合掌造りとは、木の梁を山形に組み合わせて建てられた日本独自の建築様式です。外から見たその形が、まるで掌を合わせたように見えることから、合掌造りと呼ばれているそうです(諸説あります)。積雪が多く雪質が重いという白川郷の自然条件に適合した構造になっています。

この地は飛騨地域の中でも険しい山の多い地域です。その急斜面地の間を縫うように庄川が流れ、その流域に集落が形成されています。夏は涼しく過ごしやすい反面、冬は一面の雪に覆われます。2月になると積雪が170センチ以上になることもある、日本有数の豪雪地帯です。

そんな雪にも耐えられるように造られているのが、合掌造りの家なのです。

有料で中に入れる民家が数軒ありますが、きりがないので一軒だけ入ります。白川郷で一番大きくて美しいと書かれている妙善寺庫裡(くり)に入ってみます。

300円で写真撮影可。民家というよりは郷土館です。

1階には囲炉裏があり、2階と3階には当時の生活を知れる展示があります。

道具の説明は絵があって分かりやすいです。

農作業について

囲炉裏の説明

屋根裏からの眺め

山仕事について

塩からニガリを取るための道具。珍しい展示だと思います。

ロウ搾りの袋

漆の実を蒸して麻の袋に入れ、それを絞って(叩いて)ロウを取り出します。ロウの原料は櫨(はぜ)だと思っていたましたが、漆でも蝋燭は作れるようです。主に九州や四国などの暖かい地方では櫨ロウが、東北などの寒い地方では漆ロウが生産されたそうです。

左のアカシは、松の根を燃やして明かりととった台です。

味噌づくりは冬の作業でした。

田畑の肥料や養蚕についての説明

養蚕は主に春にする家がほとんどでした。

着る服も自分らで作ったことが書かれています。外部と遮断された場所では、生活に必要なものは自分で作らないといけなかったのでしょう。

夏に刈った麻を乾燥させ、冬に服を作ります。冬は草履も作らないといけない時期で、忙しかったことが分かります。

冬や春の閑散期には味噌づくりや養蚕をし、夏には馬のエサとなる草木を刈り、夜や仕事の合間には生活用品を作るといった生活が分かります。いろいろな仕事をしていたことが展示から知ることができます。

1階に降りると囲炉裏を見ることができます。薪がくべられていて、実際に使われています。

あまり煙たくはありませが、ずっと嗅いでいるとキツくなってきます。実際はこんな臭いがするもんなんだと、知れるいい経験です。

ガマ

ガマは昔は乾燥した花穂を蚊取り線香の代わりにしたり、綿毛を着火のための火口(ほくち)に利用したりされていたようです。

見ていて飽きない景色が続きます。

こんな道も

贅沢な散歩です。

用水路

ニジマスが泳いでいます。

人慣れしれいるので、逃げたりしません。

土産屋には、竹を編んだ茶道具やバッグ、木を加工した茶碗や弁当箱が売っています。

食品では、五平餅、かぶら漬け、どぶろく、こんにゃくなどが置いてあります。

ゆっくり見たいのですが時間がないのでさっと見るだけにします。

合掌造り民家園にも行ってみます。600円。

野外博物館合掌造り民家園といい、ここでは25棟の建造物を保存公開しています。

水車小屋

わさびが植えてあります。水がきれいなのでしょう。

時間がなく急いで周りますが、ここも観ていて面白い所です。

暮らしに使っていた道具が展示されています。

漆の実や液体を取る時に使う道具

蚊火(かび)

田んぼや畑仕事をする時に蚊やアブなどの虫を追い払うために燃やしたものです。

勉強になります。

別の建物も見てみます。

マタダテ

災害などで棲家が壊れた時に、仮住まいをした小屋です。

2時間あっという間に過ぎてしまいました。観光地の色の強い所かと思っていましたが、当時の生活をいろいろと知ることができる場所でした。

バスの時間になってしまったので、白川郷を後にします。城山展望台という見晴らしのいい場所があるのですが、時間がないので行くのを辞めました。シャトルバスが20分おきに出ていて200円くらいで見晴らしの良い所に行けるので、おすすめです。展望台からは合掌造りの家が見渡せます。

14:50のバスに乗り30分ほど乗り、菅沼合掌造り集落に着きます。

菅沼合掌造り集落

庄川

場所は富山県になります。

白川郷は世界遺産に登録されている合掌造り集落として有名ですが、この菅沼合掌造り集落と相倉合掌造り集落も世界遺産に登録されています。

菅沼と相倉とでどっちに寄ろうかと迷いましたが、菅沼には塩硝の館があり、こじんまりとしていて箱庭的な感じがするので、菅沼に寄りました。相倉合掌造り集落は20棟以上の合掌造り家屋が現存していて、今でも生活が営まれています。菅沼合掌造り集落の合掌造りの家屋は9棟なので、規模としては相倉合掌造り集落の方が大きくなります。

塩硝の館

火薬の原料となる、塩硝が作られていたいたことを説明している資料館です。塩硝の材料であるヨモギや麻、サク等の採取から、積み込み、灰汁塩硝煮詰め、上煮塩硝作り、出荷までの過程を分かりやすく再現しています。

加賀藩はここで採れる塩硝を重宝しました。流刑地として閉ざされた土地は軍事機密を保持するには都合のよい場所でした。外部から人が入ることがなく、内部から情報や塩硝が外部に持ち出されることがなく、生産にも適した勝手のよい場所でした。

残念ながら撮影禁止です。受付のお婆さんが少し解説してくれます。この山で採れるヨモギや麻や藁などを家の床下に四年間寝かせ、取り出してあく抜きをし煮詰めると白い粉の塩硝がてきるようです。

それを往復12日かけて納めに行くのですが、馬に乗せて1人が45kg相当を運んだのだとか。五箇山は罪人の流刑地だとバスでは流れていましたが、軍事機密にあたる火薬の生産にはうってつけの場所だったのでしょう。火薬は出羽米沢や日光秩父、信濃などでも作られたそうですが、質量ともに菅沼のものが全国一番だったともいわれているようです。

五箇山民俗館
菅沼の住人の生活を知ることができます。ここも撮影禁止です。地下に塩硝を埋め、一階で機織りをし、二階三階で養蚕をした暮らしを知ることができます。通常三世代(三世帯)12、3人の人が住んでいたようです。

橋を架けられない土地でしたが、山仕事でどうしても谷を渡らないといけないときは、籠に乗って渡ったようです。人が一人座れる大きさの(立ち乗りすることもあったそうです)ざるが、山と山を結ぶかづらのような木のツルと結ばれています。両手でツルを動かしながら渡るのですが、最も危険な橋だったようです。紐やかづらが切れて、谷底に落ちることが頻繁にあったことが、容易に想像できます。昔の閉ざされた山の中の村は、こういうものなんだなと知ることができる場所です。

エレベータがあり、見晴らしのいい場所に行けます。

見晴らし台からの景色

世界遺産の五箇山は正直期待していないかったのですが、見どころの多い場所でした。景観がよく、お土産屋や食事処も雰囲気のあるお店ばかりで、資料館の説明も分かりやすいものでした。せっかくなら白川郷と菅沼合掌造り集落と相倉合掌造り集落の3カ所を見たいところですが、1日で回るのはタイトかと思います。始発の8:10高岡駅前発のバスなら、回れないこともありませんが、2日かけてじっくり見るのもいいのではないかと思います。バスのフリーきっぷも2日間有効です。

ここでは少し時間が余ってしまいました。

バスが来るまで五平餅でも食べてのんびりします。

バス停のコインロッカー

安過ぎますが、鍵をなくしたら荷物を取り出すのに何日かかるのか、考えたら使う気にはなれません。

16時半のバスで高岡駅に戻ります。菅沼集落からバスで1時間半ほど走り、18時過ぎに高岡駅に到着です。せっかくなので、富山ブラックのお店に入ります。

ラーメン屋次元。大盛り780円。濃いめな醤油のつゆに粗挽き黒胡椒が大量に入っておりネギが多いです。太麺のちぢれ麺で美味しいです。

汗をよくかく土木業の人用に出されたのがラーメンが興りといわれるだけあり、スープが濃いです。ご飯を持ち込んでラーメンを食べる歴史があるようで、店によってはご飯を持ち込んでいいということで、あえてライスをメニューから外している所もあるようです。歴史に触れられるラーメンも、面白くていいものです。

富山ブラックを食べた後は、今日の寝床に向かいます。ネットカフェのある呉羽駅に電車で行きます。あいの風とまや鉄道で12分運賃270円、3つ先の駅です。

富山駅の方がネットカフェがありそうですが、呉羽駅の方があります。アプレシオの先にはコミックバスターもあり、どちらかが満席だったり潰れていても大丈夫だろうということで呉羽駅で降ります。

暗い道です。田舎道は用水路に落ちないように注意が必要です。

20時くらいにアプレシオというネットカフェに入り、今日の行程は終了です。

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