2019年8月、青春18きっぷを使って日帰りで千葉県の久留里(くるり)に行きました。久留里城に行き周辺を少し歩き、俵田駅まで田んぼの広がる田舎の景色を楽しみながら散策しました。
旅の行程
5:41新宿駅発
↓
9:06久留里駅着
↓
9:40久留里城展望台
↓
9:50久留里城址資料館
↓
10:25久留里天守閣
↓
11:10喜楽飯店で食事
↓
12:10俵田駅
↓
13:00俵田駅発
↓
15:32新宿駅着
新宿から久留里へ
6:10新宿駅発の東京行に乗り、久留里駅に向かいます。
6時前の電車で新宿から千葉まで行く予定でしたが、新宿駅に着いた途端、中野駅で人身事故が起こり電車が遅れました。早くも予定が崩れますが、とりあえず少しでも目的地に近づきたいので6:10発の東京行に乗り、東京まで行くことにします。
6時半前に東京駅に着き、ここから京葉線に乗り換えて蘇我駅に向かいます。
朝からこの人の多さに驚きます。そういえば今日は土曜日でした。
駅弁のお店はもっと混んでいます。
まだ朝の6時半だというのに…
でも羨ましいです。これから駅弁を持って新幹線に乗り込むのでしょうか。
東京駅から蘇我駅に向かう電車も混雑していました。舞浜に向かう人が沢山乗っていますが、どこかで夏フェスがあるらしく、音楽関連のTシャツを着た若い人も結構いました。
舞浜を過ぎる車内はガラガラになり、静かになりました。
7:30くらいに蘇我駅に着きますが、木更津への電車には間に合いませんでした。恐る恐る乗り換え案内で次の電車の時間を調べてみると、次の電車でも久留里に着く時間は変わらず、ほっとします。
蘇我駅から木更津駅まで37分ほどかけて移動し、木更津から久留里駅には久留里線に乗って行きます。乗車時間は46分です。最初は住宅地しか車窓から見れなかったのですが、東清川駅(木更津から3つ目の駅)を過ぎた辺りから田んぼが増えてきます。
次の横田駅からは周り田んぼだらけです。
天気にも恵まれ、車内から素晴らしい景色が楽しめます。田んぼに水の張った時期にも、この長閑な景色を見てみたいものです。
出だしの電車の遅延で予定が狂いましたが、予定通り9:06に久留里駅に着きました。
久留里散策
久留里城
さて、ここから35分ほど歩いて久留里城に向かいます。
駅を出ると古びた建物があり、かつての商店街への入口があります。
喜楽飯店という昭和を感じる飲食店があり、テレビのロケでも有名なお店があります。
帰りに寄ってみます。
駅を出て右手には地下水が湧き出ている場所があります。
房総半島の中央部に位置する久留里は名水の里として知られています。駅の近くには地下から湧き出た新鮮な水が飲める場所が点在しています。周辺には約200もの井戸があるらしく、ポンプで水が汲み上げられているのではなく、地下水が24時間絶え間なく自噴している湧水に恵まれた土地のようです。
飲んでみると、硫黄のほのかな香りと鉄の味がして、美味しいとは思えません。温度はとても冷たくて気持ちがいいのですが、味は飲めたものではなく、最初飲んだ時はがっかりしました。
しかし、面白いもので時間が経つと飲めるようになります。ペットボトルに水を入れて後から飲んだら、鉄の味が消えて硫黄の香りのする温泉水のような、まろやかな味に変化しました。微生物が入っているため時間の経過とともに味が変化するのだそうです。
車を停めてポリタンクに汲んでいる人もいました。料理に使うと食事が美味しくなると地元では人気なのだそうです。
駅の名水広場から少し歩くとまた別の湧水があります。高澤の水。
駅前を走る久留里街道をずっと右に進みます。
途中右手にはこんな道も。夏の田舎の風景を観ることができました。
案内板のある所から小道に入ります。
ここを真っ直ぐ歩き、
途中左に曲がれば
城に続く坂道になります。
杖はあった方がいいかもしれません。。
予想以上に登りはきつく、汗だくになりました。
今日は天気に恵まれましたが、3日に1日の割合で雨が降る土地で、久留里城は雨城(うじょう)ともいわれているらしいです。
坂がきついのでいっそのことショートカットしようと思いましたが、「ヤマビルに警戒!」の看板を見て断念します。
ヤマビルは動物や人が吐く二酸化炭素や体温、そして振動でその存在を感知し近寄って来ます。特に梅雨の季節はうかつに山道を歩かない方がいいです。
10分くらいでしょうか、急な坂道を歩きます。
すると資料館のある所に着き、その端には見晴らしのよい展望台があります。
素晴らしい景色です。坂道をわざわざ登って来た甲斐がありました。
雨が降っても雲や霧が出て、幻想的な景色を楽しめるのではないでしょうか。
雨城八幡神社
新井白石の像。確か久留里藩を追い出されたような気がするのですが…。
久留里城址資料館。
無料ですが、残念ながら写真の撮影は禁止です。
展示品の内容を忘れてしまいましたが、明治時代のものでしょうか、井戸を掘る技術が丁寧に解説されていたパネルがありました。あまり詳しいことは分かりませんでしたが、当時では凄い技術だったのだと思います。
それと、うる覚えですが、久留里の伝統工芸の爪楊枝の展示もあったような気がします。「雨城楊枝」 という、クスノキ科の植物のクロモジを加工して、根本に黒い皮を少し削ぎ残してある楊枝で、「黒文字」の名で知られている高級品のようです。和菓子で使われることが多いそうです。久留里地域ではクロモジの楊枝作りが明治期から副業として行われており、上総楊枝として特産品化されているのだとか。
資料館を出た後は本丸に行ってみます。
資料館から150メートル先です。
天守閣の手前に展望台があります。
天守閣へ。こちらも無料。
天守閣からの眺め。下にある波多野曲輪の展望台からと景色は同じです。
天守閣から降りて下山します。
久留里街道に戻り駅の方に向かいます。
こちらは藤平(とうへい)酒造の湧水。
享保元年(1716年)創業の酒蔵で「福祝」が有名です。久留里には銘水(名水)を使った酒蔵が6つあるそうです。
吉崎酒造。1624年創業の千葉県では一番古い酒蔵です。「吉寿」と「月華」が代表銘柄です。
11時を過ぎたあたりで早めの昼食を取ります。
喜楽飯店
昭和51年創業、昭和の味を伝える町の中華屋さんです。久留里駅のすぐそばにあります。
狭い路地を歩くと
昔ながらのお店があります。
まさに昭和のお店です。
店内
「喜楽特製麺」(750円)を頼みます。醤油ベースのスープに中華そばが入り、幅広の豚肉が2枚のっています。
チャーシューだと思っていたのですが、豚のロースでした。汗をかいた後の醤油ラーメンは最高です。懐かしいしょっぱさが美味でした。
タン麺や中華丼、五目焼きそばが人気のようです。
ご飯を食べた後は隣の俵田駅まで歩きます。
俵田駅までは歩いて約35分。途中まで車の多い久留里街道を歩き、途中から小路に入ります。
須崎本家。明治18年創業の「天乃原」(てんのはら)が有名な酒蔵です。最近は千葉県特産のさつまいもを原料とした焼酎にも力を入れているようです。
久留里城下は清澄山系に降る大量の雨を背景に豊富な地下水に恵まれ、江戸時代末期から明治初期にかけてこの地域で「上総掘り」という工法で掘られた井戸が多く分布し、この水を利用した酒造業が6つほどあります。
俵田散策
酒蔵の須崎本家を過ぎた辺りから左手に田んぼが広がります。
都会では見られない景色です。なぜか夏になると、たまに無性に田んぼを見たくなります。
田んぼを眺めながらさらに10分ほど歩くと、俵田駅に着きます。
「俵田」と駅名になっているだけあり、駅の真ん前は田んぼだらけです。
無人駅です。
田んぼに水の張った時期もさぞかし綺麗なのでしょう。水田を見に来たいものです。
俵田駅の1日の利用者数は、2000年以降100人を切り2桁台です。
素晴らしい景色でした。
田舎の田んぼの風景を十分堪能した後は、電車に乗り新宿駅に戻ります。
今回は千葉県の房総半島の真ん中にある久留里を散策してみました。新宿から電車で約3時間と、遠い場所ではありますが旅をした気になれる場所です。都会から離れて自然が恋しくなった時に出かけてみるのもいいのではないでしょうか。
久留里駅からさらに奥に行き上総亀山駅に行けば、亀山ダムや「濃溝(のうみぞ)の滝」といった行楽地もあります。陽の光が差し込んだ時の神秘的で綺麗な 「濃溝(のうみぞ)の滝」 はバスがないのでタクシーでしか行けませんが、興味のあるかたは調べてみるのもいいのかと思います。
コメント