【旅51日目】茨城県三大名園偕楽園と弘道館へ

日本一周

東京の家で朝を迎えます。旅51日目は北海道&東日本パスを使って、日帰りで茨城の名所、偕楽園に行きます。5日振りの旅です。

それでは本日の行程です。

スポンサーリンク

51日目の行程

5:49新宿駅発
8:30水戸駅着

9:05常盤神社

9:15偕楽園

10:45弘道館

12:00水戸駅発
12:26笠間駅着

13:59笠間駅発
16:20新宿駅着

家から始発で新宿駅に向かいます。ネットカフェに泊まりながらJRで移動する旅を終えて家に帰ってから、こうして旅を再開するまでに4日経ってしまいました。出発するのにいまいち気乗りがせず、重い腰を上げての旅となります。まだ茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉の旅が残っていますが、旅に飽きてしまっています。旅をすることに新鮮さがなく、何か新しいことを知る喜びも感じない、というのが正直な気持ちです。旅をしても刺激がないのです。

しかし、そうはいってもお金に困らず旅をする期間があるというのは、そうあるものではありません。この先こういう機会はもうないのかもしれないので、重い腰を上げて旅を再開しました。一旦家に帰ってからすぐに旅に出かけなかったのは、シルバーウイークだったからというのもあります。世間では9月19日~23日まで5連休でどこに行っても混雑が予想されました。シルバーウイークが終わって観光地の混雑が収まってから、旅を再開しようと思っていたので、ようやく出発することにしました。

5時半過ぎに新宿駅に到着し、みどりの窓口で北海道&東日本パスを買います。そういえば北海道&東日本パスについて説明していないかったので、簡単に書いておきます。切符はこんな感じのものです。9月24日に買った切符は無くしてしまいました…。値段は2015年当時のものです。

青春18きっぷとの簡単な違いですが、北海道&東日本パスは7日間使えるが連続して使わないといけない、というところが違います。青春18きっぷは期間中の好きな5日間を選んで使えますが、北海道&東日本パスは期間中に自分で指定した日から7日間のみ使用できます。1日当たりの料金は青春18きっぷよりも安く済みますが、日にちをランダムに選べないというデメリットがあります。また、青春18きっぷは数人で使うことができますが、北海道&東日本パスは1人のみの使用となります。簡単に説明すると、そういった違いがあります。

もう一つ、北海道&東日本パスのメリットは、自動改札機を通せることです。通常の切符と同様に機械に流すことができます。これは便利です。青春18きっぷは自動改札機に通せず駅員さんに見せて改札を通過します。駅員さんが他の乗客の対応をしていると、それを待たないといけないことが多々あります。電車やバスの乗り換えが迫っている時は、これは相当のストレスになります。北海道&東日本パスにはそういった心配がないので、非常に楽です。

さて、6時前の電車で水戸へ向かいます。新宿からは2時間40分の移動となります。新宿から20分ほど電車に乗り、日暮里駅で常磐線に乗り換えたら、あとは水戸駅まで乗り換えがないので楽です。8:30に水戸駅に到着です。

それにしても、身軽で快適です。大きなリュックを背負う必要がなく、荷物が少なくて済みます。毎度のように駅のコインロッカーに荷物を預けることもないので楽です。

ここから30分ほど歩いて、偕楽園へ向かいます。

偕楽園駅という駅がありますが臨時駅です。梅まつりに合わせて2月の中旬から3月の後半の土休日のみの営業なので、そのシーズン以外は歩くかバスを使うかして偕楽園に向かうことになります。

千波湖の遊歩道を歩いて向かいます。

千波湖

千波湖は水戸城の外堀だったのですが、昭和期に埋め立てられ面積が狭くなっています。ウォーキングコースの横の芝生には白鳥や黒鳥がいます。黒鳥を見る機会はなかなかないので、新鮮です。

人に馴れていて、近くに寄っても逃げようとしません。

黒鳥といえば、ブラックスワンという本やブラックスワン理論なんてものがあります。金融危機や自然災害で、ありえないと思われていたことが突然起こることを意味する言葉としても使われます。

英語圏ではかつて、黒鳥はいないと思われており、無駄な努力をすることを「黒い白鳥(ブラックスワン)を探すようなものだ」と表現していたようです。黒鳥は存在しないと思われていましたが、オーストラリアで発見されてから、黒鳥は「常識を疑うこと」「物事を一変させること」を表す言葉になったのだそうです。

旅をしている2015年の時点では千波湖の敷地に白鳥や黒鳥が沢山いましたが、数年後行った時にはあまり見かけませんでした。時期が違ったので他の所に渡っているのかと思いましたが、どうやら意図的に個数を減らしたようです。

2016年の12月から2017年の3月の間に鳥インフルエンザが流行ったため、白鳥をはじめとした鳥の数を減らしているようなのです。

偕楽園は道路を挟んで千波湖の隣にあります。橋を渡ると偕楽園に到着します。

9時に偕楽園に着きました。偕楽園に入る前にまずは常盤神社にお参りに行きます。

常盤神社

水戸黄門こと徳川光圀を祀る神社として知られています。

光圀は2代藩主ですが、9代藩主の烈公で知られる斉昭も祀られています。光圀は家康の孫、斉昭は江戸幕府最後の将軍慶喜の父親です。

人が少なかったのもありますが、静かでいい場所でした。この時は知らなかったのですが、拝殿の裏には備前焼で造られた狛犬があります。備前焼のものは全国でも珍しいようです。

常盤神社を参拝した後は、偕楽園に入ります。無料です。※2019年から有料になりました。

偕楽園

偕楽園
金沢の兼六園、岡山の後楽園とならぶ「日本三名園」のひとつです。江戸時代後期、水戸藩第九代藩主徳川斉昭によって造園され、園内には約100品種・3,000本の梅が植えられています。

梅の季節ではありませんが、四季折々の見所があるということで、鑑賞してみます。

夏は緑あざやかな孟宗竹や杉林、秋には可憐な萩の花やモミジを楽しめるようです。

とはいえ、あいにくの空模様。時期も悪かったです。

偕楽園に入るなり、スズメバチがたくさんいてげんなりします。

そういえば、夏から秋にかけてはスズメバチが一番活動する時期です。

スズメバチに刺されるのが怖いので、梅林をさっさと通り抜けてしまいます。

梅林を抜けると孟宗竹林があります。

ここは静かで雰囲気のいい場所です。

垣根もいいですね。

ただ、道の片側しか竹は生えていないので、それほど竹のボリュームがある場所ではありません。

竹に囲まれている感覚にはなりません。竹の多さなら鎌倉の報国寺や佐倉のひよどり坂の方があります。

竹林を抜けると、散歩道が続きます。

この辺はスズメバチがいないので、のんびりと歩けます。

小高い丘を下に降りていきます。

池の水は流れがなく淀んでいます。

やはり寂しさがあります。

また丘に登りると、見晴らし台があります。

見晴らし台は天気がよくないので、いい景色ではありませんでした。

近くにある好文亭に入ってみます。

好文亭

入場料200円

徳川斉昭が別邸として造った建物です。藩主の休養の場ですが、城中で出火した場合の備えともいわれています。

調理場跡

縁側

廊下

柱の模様や襖の取手、畳の縁など、細かいところが綺麗に装飾されています。

豪勢ではありませんが、しっかりとした造りの建物です。

烈公創作とされる篠の格子窓

外からは窓であることが分からないように工夫されているようです。

大広間

天井の模様も凝っています。

三階に上がります。

何とも風情のある窓です。

三階の楽寿楼からの眺め

部屋にはこんなものも

待合

左の笹は寒竹

観賞用や生垣にするために植えらえています。秋には筍ができるので食用にもなります。

好文亭を観た後は、偕楽園を後にします。

時期が良くなかったです。率直な感想は、梅の時期でないと兼六園や後楽園には及びません。空気も何だかどんよりとしていて清々しさもなく、気が塞ぎ込んでしまいそうな雰囲気でした。そんな偕楽園ですが、後から調べてみるとこんなことが分かりました。

入場料が無料なのは、偕楽園を造った徳川斉昭の意向を汲んでいるからです。偕楽園という名称は「領民と偕に(ともに)楽しむ場」にしたいという斉昭の希望があったことから名付けられており、江戸時代は毎月三と八の付く日には領民にも開放されていました。この伝統が守られ日本三名園のなかで唯一無料の庭園なのです。そんな歴史も、2019年の秋からは茨城県外からの観光客には300円払わせることになりましたが…。

園内にはいわずと知れた多くの梅の木が植えられていますが、観賞だけでなく実用を兼ねていたといわれています。観賞としての梅は、雪の降る寒い冬にも花を咲かすことから、松と竹と併せて「松竹梅」として慶事・吉祥に用いられてきました。実用面での梅は、疲れた体を回復させるものとして、また唾液を分泌させることから喉の渇きを癒すものとして、戦国時代から重宝されてきた歴史があります。それに梅干しには戦場での食中毒防止の役割も期待されていました。携帯食や携帯薬として、戦国時代から重要な戦略物資として用いられていました。

偕楽園を歩いてみて感じたのですが、松も結構植えられていました。松も籠城の際には重宝される物質です。明かりの燃料になりますし、松の薄皮は脂肪分やたんぱく質を含んでいるので食用にもなるのです。更に松の脂は止血薬としても用いられました。

園内には竹林もありますが、根は食用の筍に、幹は堀や槍などの武器にもなります。偕楽園は今では観賞用の庭園として有名ですが、戦乱が起きた時のために実用な物を植えている庭園でもあるのです。そう考えると、梅の時期でなくても見所があります。当時はそういったことを知らなかったので、つまらない場所だと思いさっさと出て行ってしまったのですが…。

梅の季節にちゃんと観てみたいという思いがあったので、2020年の3月、コロナ禍による緊急事態宣言が東京で出る前に、青春18きっぷを使って偕楽園に行きました。梅についてはそちらの記事で紹介したいと思います。

偕楽園を観た後は、千波湖を通って水戸駅の方に戻り、弘道館に向かいます。

看板が色あせてしまっていますが、多様な鳥がいます。

湖を囲んでウォーキングロードがあり、沢山の人が歩いています。

偕楽園から歩いて45分くらいでしょうか、弘道館の到着です。水戸駅からだと10分くらいの距離です。

弘道館

入場料200円。

弘道館
日本最大規模の藩校として知られています。当時は敷地が10.5haの広さがあり、全国一の規模だったようです(東京ドームが4.7haらしいです)。

若者だけでなく藩士も学ぶ藩校で、15歳から40歳までの就学が義務付けられていました。学問では儒学・礼儀・歴史・天文・数学・地図・和歌・音楽など、武芸では剣術・槍・柔術・兵学・鉄砲・馬術・水泳などと、多彩な科目が教えられていたようです。また、医者を養成する医学館もあったようです。

中は撮影可能です。

厠や浴場の復元があり、当時の藩校を再現しています。

東日本大震災の時に壁が崩れ、今でも修復は完了していないものあります。瓦に壁を直すにも、昔の工法で直すのは金も時間もかかるそうです。

写真を撮れなかったのでどんなものが展示されていたのか忘れましたが、ちょっとした資料館も併設されています。

弘道館の敷地内にはお土産屋があり笠間焼が売っています。この後に笠間の陶器屋さんに行って知りましたが、こちらのお店は安くて良心的な値段です。店員の方が自身で窯を回って仕入れているので、安い価格になっているのだそうです。焼き物には窯焼きとガス焼きがあり、窯焼きだと火の加減によってちょっとした模様やさわり心地が異なり、ガス焼きだと大量に均一に焼くことができ、窯焼きの方が値段が高くなるなんてことも、お邪魔した時に聞くことができました。お店では窯焼きの陶器が1600円前後、ガス焼きのものが900円くらいで湯飲みやカップが売っています。

試しに釜焼きのカップを買ってみましたが、とてもいい器でした。別館サイトの写真です。

お土産屋さんで陶器のことを話していると、笠間焼のことを思い出したので笠間駅へ行くことにしました。水戸駅から30分もかからない距離です。12時くらいに水戸駅を出発して、15分くらい電車に乗り友部駅で乗りかえ、そこから7分くらいで笠間駅に到着します。

駅に降りてまずはご飯を食べようと思い食事処を探しますが、見当たりません。仕方ないのでご飯は諦めて陶器を見ることにします。駅から2kmほど歩いた所に、陶器屋が並ぶギャラリーロードという通りがあるので、行ってみることにします。

しかし、いかんせん、車の往来が多く歩くのにストレスを感じます。2軒ほど途中にある陶器屋に入ってみますが、作家さんの作った高額なものとガスで焼いたどこにでもあるような安い物の、どちらか極端なものしかありません。先ほどのお土産屋さんの方が品揃えが充実していたので、これ以上同じような店を見ても仕方がないと思い、駅に引き返すことにします。平日のがらんとした店内に入り、じっくり見ては何も買わないというのを、数軒繰り返すのもどうかなと思いますし。

笠間駅に戻ってからは、新宿まで移動して夕方に帰宅となります。天気に恵まれずあまり見応えのない旅でしたが、後からいろいろと調べたり興味を持つきっかけになった旅でもありました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました